SSブログ

晩秋のカマキリたち [その他の虫]

紅葉、黄葉が日に日に鮮やかになるのに、虫たちの姿が減っていくのはさみしい限り。
そんな中でも今日存在感を示したくれたのが、カマキリたちだった。

植えられている野菜の緑の葉を眺めていると、緑に紛れて虫のシルエットが浮かんできた。
おやっ、見ると「オオカマキリ」のメス。
体のあちこちの茶色い斑や片目に付いた傷が、これまでの厳しさを物語っていた。
ookamakiri1124.JPG
























庭では陽のあたったモミジの赤がとても綺麗だ。
その赤い色の中に緑色のものが・・・?
他の木の葉が引っかかっているのかなぁと近づくと、葉の上でじっとしていた「ハラビロカマキリ」のメスだった。
樹上性のカマキリで、葉が緑色の間は体の色が保護色だが、これだけ紅葉した葉の上では逆に目立ってしまう。
夕方、探してみたが見つける事は出来なかった。
お腹の大きなメスたち、冬が来る前に無事子孫を残せることを祈るばかりだ。
harabirokamakiri1124.JPG
















2010年11月24日 東京都
 蟷螂目 カマキリ科 オオカマキリ
              ハラビロカマキリ
CANON EOS40D,SIGMA 17-70mm F2.8-4.5 DC MACRO

黄緑・黒・橙色 [自然]

秋になり、すっかりFieldも様々な色に輝いている。
緑・黄色・赤・橙などきっと一年で最も美しい季節だろう。

里山民家の庭で10日ほど前に見つけた「キアゲハ」の幼虫。
数日で姿を消し、あちこち探せど見つからない。
かなり歩いて蛹になったりするので、遠くの方に行ったのか?
どこかで蛹になっていれば良いのだが・・・・・。
kiageha1111.JPG
















谷戸を歩くと、アマチャズルの実が目に付いた。
黒い実の下側に、白い天使の輪が目印だ。
背景の紅葉が綺麗なので撮影したが、後から上の写真と合わせて見ると、どちらも黄緑・黒・橙色が美しい。
amatyazuru1120.JPG
























2010年11月11日 東京都
 鱗翅目 アゲハチョウ科 キアゲハ  CANON EOS40D,EF70-200mm F2.8L IS USM/EF1.4×Ⅱ
2010年11月20日 東京都
 スミレ目 ウリ科 アマチャズル  CANON EOS40D,SIGMA 17-70mm F2.8-4.5 DC MACRO


お腹の大きなクヌギカメムシのメス [セミ・カメムシ]

クヌギの木を見ていると、樹皮のくぼみに大きなお腹の「クヌギカメムシ」のメスがいた。
顔を近づけると、気配を感じたのかくぼみから出て動き出した。
産卵しているところを見たかったのだが、ずっと幹を這いまわってまったく静止しない。
kunugimakemushi1-1118.JPG
















クヌギカメムシの仲間には、クヌギカメムシ、ヘラクヌギカメムシ、サジクヌギカメムシの3種がいる。
クヌギカメムシはオスメスともに気門が黒色だが、ヘラとサジは気門が体色と同じで、オスは生殖器の先端形状が異なるので判別できるが、メスは判別不可能らしい。
このメスは、気門が黒色だったのでクヌギカメムシに間違いない。
昨年ここで、サジクヌギカメムシのオスを確認している。

30分ほど見ていたが産卵の気配が無いので、その場を後にした。
これからの時期、クヌギやコナラを観察していれば、緑色から赤く変色したメスがひも状の卵を産む場面に出会えるだろう。
kunugikamemushi1118.JPG
















2010年11月18日 埼玉県 北本自然観察公園
 カメムシ目 クヌギカメムシ科 クヌギカメムシ
CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM/MT-24EX


かわいい!ピンクのシマヘビ 桃ちゃん [両生類・爬虫類]

先日、埼玉県にある北本自然観察公園でピンク色のシマヘビがみつかり、園内にある埼玉県自然学習センターで展示されていると聞いて見に行って来た。
駐車場に車を止めて、ふれあい橋を渡ったところにセンターがある。
橋の途中で林を眺めると、コナラやシデの黄葉した中に白い花をつけたような木が目につく。
来園された方が花と間違えるのも無理はないが、これは花ではなく種。
中国原産のニワウルシ(別名シンジュ)で、白っぽい翼がある空飛ぶ種としては有名な木だ。
niwaurusi1118.JPG
























園内では、イチョウの葉の黄色い絨毯がとても美しい。
この時期、公園の中でもお気に入りの場所だ。
ityou1118.JPG
























少し散策した後、センターで桃ちゃんとご対面。
受付に置かれた、飼育ケースの中にいた。
今年生まれのシマヘビの子供で、突然変異で黒い色素を失った部分白化個体、色素が無いためピンク色に見えるらしい。シマヘビでは、全国的に報告例のない珍しい色彩とのことだ。
shimahebi1118.JPG
















完全なアルビノは目が赤いが、この個体は黒く中心が赤い。
長さは37cmだが、なんせ体が細く頭だけ見れば2cmもない小ささ。
背中に褐色の模様が僅かに見られるがほとんどの鱗は透明で、血液が透けてピンク色、日に透かせば内臓なども透けて見えるそうだ。

ちっちゃくてつぶらな瞳が愛らしいピンクのシマヘビ 桃ちゃん(スタッフの一人がそう呼んでいた)。
百聞は一見にしかず、こんなに可愛いシマヘビは今後見られるチャンスはそうないだろう。
ヘビの嫌いな方も、是非見に行かれては!
 北本自然観察公園 shimahebi1-1118.JPGhttp://www.saitama-shizen.info/

















2010年11月18日 埼玉県
 ムクロジ目 ニガキ科 ニワウルシ 
 有鱗目 ナミヘビ科 シマヘビ
CANON EOS40D,EF70-200mm F2.8L IS USM/EF1.4×Ⅱ(1枚目のみ)

CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM/MT-24EX


アカボシゴマダラとゴマダラチョウの蛹の識別 [チョウ・ガ]

今年は、例年になくアカボシゴマダラが多く見られた。
今までほとんど確認されていなかった近県でも幼虫が見つかり、生息域を拡大している事が裏付けられている。

丘陵でもエノキの若木の多くに幼虫がつき、今まで見た事が無かった蛹も今年は確認できた。
蛹のある木を探すと幼虫がいたので、アカボシゴマダラの蛹に違いないと思ったのだが、良く似たゴマダラチョウの蛹とどこが違うのか比較して見た。
最もわかりやすい違いは、背側外縁の突起の大きさが異なることだ。

アカボシゴマダラ=外縁の突起が大きい。
akaboshigomadarasanagi.JPG
















ゴマダラチョウ=外縁の突起が小さい
gomadaratyousanagi1.JPG
















幼虫の識別点もおさらいすると、背中の突起の数と大きさ、尾端が閉じているか開いているか。
背中の突起の数には個体変異もあるが、尾端の開き具合と合わせて見ると識別は可能と思われる。
写真は全て短角の越冬型幼虫。

アカボシゴマダラ=背中の突起が4つで上から3つ目が大きく、尾端は閉じる。
akaboshiyoutyu.JPG
















ゴマダラチョウ=背中の突起が3つで尾端は開く。
gomadarayoutyu.JPG
















ついでにオオムラサキ=背中の突起が4つだがほぼ同じ大きさで、尾端は開く。
oomurasakiyoutyu.JPG
















これらはエノキを食樹とするが、経験上オオムラサキは大木に、ゴマダラチョウは大木~若木、アカボシは若木と産卵する木を選んでいるようで、アカボシの拡大による他2種への影響は少ないのではと思う。
しかし若木でゴマダラとアカボシの幼虫が混在しているのを見ると、ゴマダラにとっては少なからず迷惑な存在かもしれない。


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。