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今年は豊作?ホウネンタワラバチの繭 [ハチ・ハエ・アリ]

昨年から探していたものがようやく見つかった。
眠りに就いたシジミチョウやハチはいないかなぁと夕方の草むらをじっくり観察していると、クズの葉裏にぶらぶら揺れるものが目に入った。
おおぉ!これは・・・。
これこそ探していた、「ホウネンタワラバチ」の繭ではないか。
見つける方は案外頻繁に見ているようだが、探せどなかなか見つからずだった。
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「ホウネンタワラバチ」とは?
ヒメバチ科に属し別名ホウネンタワラチビアメバチ、ホウネンタワラヒメバチと呼ばれる体長8mmほどのハチで、田んぼの害虫のフタオビコヤガの幼虫に寄生する益虫だ。
このハチが稲の葉を食べるフタオビコヤガの幼虫に寄生し駆除してくれるので、繭がたくさんあると豊作になる、また繭が俵に似ているので豊年俵=ホウネンタワラバチとめでたい名前になったそうな。
繭の大きさは5mmくらいだろうか、とても小さいが表面の黒い模様が美しく芸術的だ。
この模様は、イラガの繭に同じ模様のものがないようにやはり個体によって異なるのだろうか?
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良く見ると繭の表面に、何ものかがくっついていた。
ハチ?ホウネンタワラバチなのかと思ったが、形も色も大きさも全く違う。
繭を揺らしても全く逃げず、繭の回りをひたすら歩きまわっていた。
たまたまとまっているだけなのか、ひょっとしたらこの繭に寄生しようとしているのだろうか。
産卵行動などは確認できなかったが、もしそうであれば寄生したものをさらに宿主とする上手がいるということになる。
そんなこと考えながら見ていたら、豊年俵に出会えた喜びよりもこの小さなハチのことのほうが気になってしまった。
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変な翅のホシヒメホウジャク [チョウ・ガ]

草陰に茶色いものがぶら下がっているのが見えた。
変に前翅がいびつでクシャッとしている。
この特徴は、スズメガ科の「ホシヒメホウジャク」。
何度見てもこの翅がいったいどうなっているのかわからない。不思議だ!
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今の時期、キバナアキギリやアキノタムラソウなどの花の蜜をホバリングして吸っているのを良く見かける。
幼虫の食草は、ヘクソカズラ。
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触っても逃げないので、手に乗せて見た。
図鑑では17mmとあるが、こうして見ると本当に小さい。
同じ仲間にホシホウジャクやホウジャクがいるが、共に大きさは20mmを超えるのでこれらと比較しても最小だ。
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少しすると翅を震わせてウォーミングアップ開始。
間もなく飛び立ったが、まだ羽化したてなのかうまく飛べず羽ばたきながら道路を走り渡って反対側の草に落ち着いた。
華麗なホバリングからは想像もつかないもたつき様だった。
この個体もきっと翌日には、花から花へホバリングを披露していたに違いない。
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2010.10.06 [自然]

普段はなかなか見られないアゲハチョウの仲間だが、ヒガンバナが咲く時期には花で吸蜜する姿をじっくり見ることが出来る。
この日は、丘陵に向かう途中の住宅街の一角で「クロアゲハ」が蜜を吸っていた。
こうして見ると、足が長~い!
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葉上で芋虫団子を作る「クロスズメバチ」。
久しぶりに見たのだが、とても小さく感じられ最初何のハチかわからなかった。
この日の獲物は、コミスジの幼虫のようだ。
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木を囲む柵の上で輝く虫を発見。
「アカスジキンカメムシ」の幼虫だった。
幼虫は見かけるのに、成虫は今年も未見に終わった。
成虫もきれいだが、幼虫も光の当たり具合で青、緑、赤などとても美しい。
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終令までは集団で過ごすが、越冬前にはバラバラになり単独で冬を越すようだ。
9月に葉に集まっていた幼虫集団。
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今年はドングリが不作の年のようで、あちこちでクマが出没してニュースになっているがここでは不作とは思えないほどたくさん実っているのだが・・・・。
この虫にぜひ聞いてみたい、ゾウムシの仲間。
飛ぶところを撮影しようとしたが、この後見事に飛翔失敗し葉から落下してしまった。
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オオスズメバチのオス [ハチ・ハエ・アリ]

オオスズメバチたちが活発だ。
あちこちの昆虫酒場に見られるのは、圧倒的にオオスズメバチだ。

コナラの酒場の下で、片方の翅、胸の一部が傷付いて歩いているものを見つけた。
以前にも書いたが、異なる巣の者同士が餌場で出会うと相手が死ぬまで戦い続けるが、地面を歩いているものはそんな戦いの中で運良く命が助かったものが多い。

しかしこの日見たのは、良く見かける働き蜂とは様子が異なっていた。
働き蜂はすべてメスだが、今の時期はオスが羽化し新女王と交尾するために飛び回っている。
ここで歩いていたのはこのオス蜂のようだ。
酒場で食事をしようと訪れ、ここを縄張りとしていた働き蜂にやられたのだろう。
既に役目を終えていたならいいが、この翅ではもう飛ぶ事が出来ない。

スズメバチのオスとメスは、見慣れれば以下の点で見分ける事が出来る。
刺されると危険なスズメバチだが、針は産卵管の一部が変化したものなのでメスにしかなく、オスは刺さない。
従ってオスとわかれば、針はないのに刺そうと尻を持ち上げるが掴んでも刺されることはない。
ただ強力な大顎だけ気を付けたい。

見分けポイント1.オスはメスに比べると頭が小さく、尻が太い。
オス
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メス
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見分けポイント2.オスの触角は12節、メス(11節)より1節長い。
           見た目で明らかに長さに違和感がある。
オス
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メス
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こうした識別点はあるが、やはり刺されると怖いオオスズメバチなのでくれぐれも手を出さないようにお願いしたい。
オスと思って触ったが実はメスだった、何て間違って刺されても、自己責任ですからね!

黒い赤トンボ ムツアカネ [トンボ]

今回北八ヶ岳に行った狙いは、高地の湿地に生息する「黒い赤トンボ」を見たかったから。
「黒い赤トンボ」とは変な表現だが、アキアカネなど一般的に赤トンボと呼ばれるのものは、トンボ科アカネ属に属し、これらは成熟するとオスが赤みを帯びてくる。
このアカネ属の中に、成熟しても赤みを帯びないものが3種おり、その中の1種が「ムツアカネ」で成熟すると黒色化する。(残り2種は、ナニワトンボ、マダラナニワトンボ)
北海道や本州の高層湿原に生息し、氷河期の生き残りと言われている。
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木道上のあちこちに真っ黒く成熟したオスがいた。
気温が低いせいか近づいても逃げず、そのうち翅を震わせて弱々しく飛んでいく。
メスを探すが見つからず、ようやく交尾したペアを見つけたが別のオスが追い払い、湿地の奥に飛んで行ってしまった。
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個体数は多いが全てオスだった。
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逃げない個体が多いので、捕まえてじっくり体を観察してみた。
大きさはアキアカネよりかなり小さく、マユタテ?さらに小さいヒメアカネほどだろうか。
胸の模様は、黒と褐色で黒い部分は光の加減で青ぽっくも見える。
毛深いなぁと思ったが、近くにいたアキアカネも見てみると同じように毛深かった。
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かなり寒かったのでもういないかと思ったが、たくさんの個体を見る事が出来て良かった。
来年以降、機会があればぜひメスも見てみたい。


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