普通のツユムシ [バッタ]
丘陵には3種類のツユムシがいる。
毎年fieldでよく見かけるのは、そのうちの2種、セスジツユムシとアシグロツユムシだ。
ではあと1種はというと普通の「ツユムシ」。
普通と書いたのは名前がズバリそのもので基本種のようだから。
しかしいつも歩いている場所では意外と見かけない。
9月の終わりにカヤコオロギを探しに行った草はらでようやく今年初めて見つけた。
久しぶりである。
なぜほかの2種はよく見るのにこの普通のツユムシはみかけないのだろうか?
以前から疑問に思っていた。
先日武蔵野のいくつかの公園の草地の調査を行った。
ある公園のススキやヨモギなどの植生の小さな草地ですごい数のツユムシが見られた。
一つのススキの株に5匹以上が群がり、歩くと足元からも飛ぶ。
こんなに生息密度の高い場所は初めてだが、全く普通の都市公園の一角なのだ。
また、通勤の人たちが朝夕多く利用する草地でも見つかった。
いるところにはいるのである。
ではなぜ?
その理由は、意外と簡単だった。
セスジツユムシやアシグロツユムシは、主に林縁のマント群落などを好み、
ツユムシは明るい草地を生息地としており、僕がいつも歩いているのが林縁だったから。
「見つけたい虫がいるなら、その虫がどんな場所が好きで何を食べているかを調べてから探しに行こう!」
今まで子供たちに言ってきたことだが、まさしくこの基本を忘れていたようだ。
2011年9月30日 東京都
直翅目 ツユムシ科 ツユムシ CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM /MT-24EX
久しぶりの忍者 [チョウ・ガ]
ヒメアカネ [トンボ]
丘陵で毎年確認しているトンボの一種が「ヒメアカネ」。
平地から低山地の丈の低い水生植物の生える湿地、休耕田に生息し、トンボ科アカネ属の中で最も小さな赤トンボ。
埼玉県側と東京都側の通っているfieldの中でも限られた範囲でしか見ることができない。
全国的にも、その数が減っている種だ。
夏からずっと探して歩いているが、今年はなかなか出会えず例年に比べて数が少ないように思う。
まぁ出掛ける回数も極端に減ってしまったのもあるかと思うが、それにしても見られるのはマユタテアカネばかりで見かけても敏感で近づくとあっという間に飛んでほとんど撮影できていなかった。
今日ようやく1頭を見つけてそっと近づいたが、相変わらずさっと飛んでしまう。
時期的にもこれが最後だろうと思い、粘ってようやく撮ることができた。
小さな虫を捕食し食べ始めた。
どのトンボも食事中は、食べることに熱中し意外と近づくことができる。
羽の班まで赤くなった成熟したオスだった。
来年は、もう少し数が増えていることを期待したい。
2011年11月7日 東京都
蜻蛉目 トンボ科 ヒメアカネ CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM /MT-24EX
秋の色 [季節]
今日は10月上~中旬の暖かさだそうだが、明日は暦の上では立冬だ。
このところ朝晩は肌寒いが、日が昇ると暖かい日が続いている。
寒暖差が大きいほどきれいに紅葉するといわれるが、今年はどうだろうか?
今年もトチノキの葉が黄色く色づいてきた。
緑から赤までの色のグラデーションが美しい。
林縁で蜘蛛の巣にかかったアオハダの葉
アオハダも緑から黄色へと美しく黄葉するので好きな木の一つだ。
まだクサギが星形の実をつけていた。
渋い色に輝いているのは、ゴンズイ。
今の時期赤い実をつけているが、これは幼木でまだ実がついていない。
たくさんの実をつけていたのは、マユミ。
一昨年は豊作で、昨年は不作。今年は、御覧の通り枝がしなるほど。
果皮が4つに割れ、中から真っ赤な艶のある実が顔をのぞかせていた。
エノキも金色に葉を輝かせていた。
昆虫はすっかり見られる種が減ってしまったが、一方では草木が色づき一年を通してもっとも植物が装い目を引く季節ではないだろうか。
2011年11月7日 東京都
ムクロジ目 トチノキ科(ムクロジ科) トチノキ
ニシキギ目 モチノキ科 アオハダ
シソ目 クマツヅラ科 クサギ
ムクロジ目 ミツバウツギ科 ゴンズイ
ニシキギ目 ニシキギ科 マユミ
イラクサ目 ニレ科 エノキ
シロテンハナムグリ [甲虫]
さすがに11月に入り、見られる虫の数が減ってきた。
朝晩の寒暖の差が激しく、こちらも寒さ対策が必要な気候だ。
虫たちにとってもこの寒さを耐えるのがいかに大変か想像しがたい。
湿地脇のエノキの枝にしがみつく「シロテンハナムグリ」がいた。
枝にしっかりしがみついていたので死んでいるのかとちょっと触ってみると枝にぶら下がった。
やはり息絶えたかと思った矢先、ゆっくりと起き上った。
夏には花や樹液見かけたが、この時期でもまだ頑張って生きているのにはちょっと驚きでうれしい。
その昔、この種のコガネムシにはシロテンハナムグリとシラホシハナムグリの2種がいると図鑑で知った。
だがその図鑑には詳しい識別方法まで書かれておらずどう違うのかわからずにいたが、最近ようやくある図鑑に鼻先がシラホシは反り返らず直線状、シロテンは反り返って2山になると書かれてあるのを見つけた。
そこでこの種の鼻先を撮影してみると、判断は微妙だが反り返って2山に見えたのでシロテンハナムグリとした。
これからますます寒くなってくるが、いつまで頑張っていられるのだろう?
役目は終えたのだろうか?
とつい考えてしまうのだった。
*つばさ2号さんから、この種は成虫越冬と教えていただいた。
ということは、これから越冬場所を探して冬越しに備えるのだろう。
早くしないと寒くて飛べなくなってしまいそう。
2011年11月2日 埼玉県
鞘羽目 コガネムシ科 シロテンハナムグリ CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM /MT-24EX