昆虫糸状病原菌に侵されたキボシカミキリ [甲虫]
パッと見て種はわからなかったが、明らかに昆虫糸状病原菌 ボーベリアに侵され死んでいることは見て取れた。
クワにいるのだから、クワカミキリかキボシカミキリだ。
体の色と背中にある斑を見ると「キボシカミキリ」。
生きている時は斑が黄色いが、死ぬと白くなるようだ。
シロスジカミキリとは逆だな。
まだ、触角も欠けていないきれいな体から、死んでさほど立っていないのかもしれない。
この木では昨年も菌に侵されたキボシカミキリを見ている。
キボシカミキリは寒さに強いのか、12月になっても見られることが多いが、菌に侵されてはそうもいかない。
厳しい世界だ。
2014年11月27日 東京都
コウチュウ目カミキリムシ科 キボシカミキリ EOS70D,EF100mm F2.8L IS USM/内蔵ストロボ
海岸の砂浜に生息するイカリモンハンミョウ [甲虫]
これは、ぜひ見たいと思いその場所に車を走らせた。
海岸線を走ると、南国の雰囲気につい車を止めた。
お目当ての海岸について、探すもなかなか見つからない。
海岸も広く、波打ち際から植生帯までかなりある。
川の流れこみの脇でようやく素早く動く生き物を確認した。
おっ!と思ったら目にもとまらぬ速さで走るカニだった。
こんなに早く走るカニがいるのかとびっくりした。
敏感で近寄らせてくれず、撮影は断念した。
そんなカニとは異なる動きのものをようやく見つけた。これが「イカリモンハンミョウ」だった。
この流れ込みの西側の場所のみに見ることができた。
カニと同じ、とにかく近寄るとすぐに走って遠ざかる。
これは手ごわい!
とにかく急な動きは避け、じっくり近寄った。
大きさはハンミョウより、二回りほど小さい感じ。
褐色の地色に、白い模様が印象的。
この個体は、大あごをしきりに砂に突っ込んで何かを食べていたようだ。
さすがハンミョウの仲間、よく見ると緑の輝きが美しい!
このあたりのみに10頭近くを見ることができた。
オスがメスに乗っかってマウンティングしているカップル。
交尾はしていないようだ。
見られたのは波打ち際と植生帯のちょうど真ん中だった。
ここにいるということは、当然幼虫はここの砂に潜って成長する。
やはり植生帯に近い場所で生息しているそうだ。
波打ち際に近いと、潮に流されてしまうからに違いない。
この種は九州宮崎、大分、鹿児島、北陸の石川でしか見られない、各地で絶滅危惧種に指定されている。
近年各地で砂浜の消滅が問題になっているが、イカリモンハンミョウの生息にとっても大きな問題である。
2014年8月24日 宮城県
コウチュウ目ハンミョウ科 イカリモンハンミョウ CANON EOS70D,EF100mm F2.8L IS USM
シロスジカミキリの産卵・羽脱痕 [甲虫]
このところ、気になったのが、シロスジカミキリの産卵、羽脱痕が付いた木が多いこと。
もちろん虫そのものも探しているのだが、シロスジカミキリがいるかどうか、幹についた輪のようにかじった丸い産卵痕や、羽化した後の丸い羽脱痕が目安になる。
これらはブナ科のコナラクヌギをはじめ、クリ、アラカシやシラカシ、ヤナギまでにもかなり広範囲に見ることができた。
木の大きさは老木から数mの若木まで様々で、おおむね樹勢が悪く、枯れかかっている木も多い。
この日も産卵痕の付いた木の周りを探していたら、4mほどのコナラの幼木の枝で成虫を見つけることができた。
大きさと触角の長さからみるとオスだろうか、しきりに枝をかじっていた。
シロスジカミキリは、東京都のレッドデータに記載はないが、里山の木々が必要でその生息域が減少しているのは確かだ。
一方で、このカミキリが木に侵入することで、木に大きなダメージが残る。
それぞれを守っていくこと、この両立は意外と難しい!
2014年8月12日 東京都
コウチュウ目カミキリムシ科 シロスジカミキリ CANON EOS70D,EF100mm F2.8L IS USM/MT-24X
草はらのシロテンハナムグリ [甲虫]
久しぶり ヤマトタマムシの産卵 [甲虫]
今年、雑木林の若返りなどの目的で、皆伐、間伐が行われた場所がある。
それまでは鬱蒼として暗く、ヒサカキなどの常緑低木しかないような雑木林で生きものの影も薄かった。
ところが、木々を切って明るくなると、春にはキンランやギンランなどや夏にはヤマユリ、オオバギボウシなどが目立つようになった。
きっと来春、来夏は、もっとたくさんの花が見られるだろう!
花だけではなく、虫たちもたくさん訪れるようになった。
先日アップしたルリボシカミキリもそうだが、今日はコナラの切り株で産卵しているヤマトタマムシを見つけた。
翅に痛みのないきれいなメスだった。
産卵管を出したまま、切り株の上をうろうろと歩き回り、ようやく場所を決めたようだ。
青、緑、紫、赤、黄、様々な色の輝きが本当に美しい!
産卵が終わり飛び立った後を見てみると、何やら艶のある白いものが。
今までに産卵しているところには何度も出会っているが、産んだ卵を見たことは無かった。
その白い中に黄色い粒が見えるのが卵だろうか?
2014年7月28日 東京都
コウチュウ目タマムシ科 ヤマトタマムシ CANON EOS70D,EF100mm F2.8L IS USM/MT-24X
丘陵で美しさでは一番のカミキリムシだが・・・! [甲虫]
美しさとは何か?
色々な尺度と好みがあるが、あくまで個人的に美しいと思うのがこの種。
以前は見られなかったはずだが、数年前から見られるようになった「ルリボシカミキリ」。
どこからやってきて定着したのか?山地性のカミキリだと思っていたのだが・・・。
同じような空色のカミキリでパンダカミキリことラミーカミキリも近頃頻繁に見られている。
放虫なのか自然発生なのかわからない!
以前勤めていた公園では、荒川に面しているのでルリボシは川伝いにやって来たのではないかと言われていたが、
ここではそういう起因はない。
外部から持ち込まれた材についていたか、自力で飛んできたのか、人為的に持ち込まれたか。
今までいなかった種が見られることは注目に値するが、温暖化であろうが人為的であろうが、元来そこに根付いている生態系に脅威を与えることは否めない。
アカボシゴマダラに象徴されるように、人が関与した生き物がそこに息づくのは、見るものとしてはありがたいしそれはその生き物の生命力なのでいいんじゃないかという意見もある。
しかしそれを許してしまえば人のエゴも含めて何でもありになってしまう。
見たければ本来いるべきところへ見に行けばいいのである!
人が関与して生息域を拡大したのなら、それに歯止めをかけるのが人の責任というものではないだろうか。
この点色々な考えがあるが、私はそう思う。
2014年7月21日 東京都
コウチュウ目カミキリムシ科 ルリボシカミキリ CANON EOS70D,EF100mm F2.8L IS USM /MT-24EX
丘陵でも一二を争う大きさのカミキリ [甲虫]
今週末に仕事で紹介する谷戸に行ってみた。
小さな谷戸だが、植性豊かで様々な生き物たちが見られる好きな谷戸の一つだ。
数年前に、伐採した木を積んだところタマムシたちの産卵場所となり「タマムシ産卵ラッシュ」と記事を書いた。
しかし今は、すっかりその姿もほとんど見られない。
面白いものだ。
歩いてすぐにツタに覆われた樹皮に大きなカミキリムシを見つけた。
この大きさは、シロスジカミキリに次ぐ大きさだ!
名前は「ウスバカミキリ」。
ウスバカミキリとミヤマカミキリをよく混同してしまう。
ここでは2種ともみられるのだ。
きっとよく見ていれば間違えないのだろうが、どちらも出会う機会が少ないのでなかなか覚えられない。
地味な色合いだが、6cm近くもあるこの大きさはスゴイ迫力だ。
今日はカミキリムシにたくさん出会ったのだが、先ずその第一号としてアップした。
関東もいよいよ梅雨明け間近で、たくさんの虫たちの出現がピークの時を迎えようとしているようだ。
2014年7月21日 東京都
コウチュウ目カミキリムシ科 ウスバカミキリ CANON EOS70D,EF100mm F2.8L IS USM /MT-24EX
ノコギリ・・・。 [甲虫]
ボランティアさんが手入れをしている雑木林を歩いてみた。
幹で黒いカミキリムシを見つけた。
「ノコギリカミキリ」だ。
ちっとほっそりしているのでオスだろうか?
少し歩くと今度は先ほどよりもっとガッシリとしたノコギリカミキリ。
カミキリムシは、おおむねオスよりメスの方がどっしりと大きく触角が短いので、これはメスだろう。
きょうお会いしたMさん曰く、今年はノコギリカミキリが多いとか。
確かに僕もかなり遭遇している。
そうそう、まだ見たことは無いが、「ニセノコギリカミキリ」というのがいる。
似ているものにモドキと付くものも多いが、ニセというのはあまりない。
いくら似ていても、ニセとは可哀そうだろう!
谷戸を歩くと柳の木の幹に樹液を吸う「ノコギリクワガタ」をみっけ!
ん~、ノコギリ付いてきた!
次は?
とりを務めるのはもちろんこのノコギリ。
「ノコギリカメムシ」である。
一番地味かもしれないが、ビジュアル的には好きな虫だ。
色々なノコギリがいるものだ、面白い!
2014年7月8日 東京都
コウチュウ目カミキリムシ科 ノコギリカミキリ
クワガタムシ科 ノコギリクワガタ
カメムシ目ノコギリカメムシ科 ノコギリカメムシ CANON EOS70D,EF100mm F2.8L IS USM/430EXⅡ
マメコ [甲虫]
カナブンかアオカナブンか? [甲虫]
狭山丘陵で長らく自然観察をしているが、まだ一度としてアオカナブンに出会ったことがない。
やはり山地性なのか。
この日、樹液の出るコナラを見まわっていると黒く見えるカナブンがいた。
もうはやクロカナブンが出ているのか?と思い写真を撮った。
撮った画像をカメラで確認すると、青光りしていた。
おぉ、ひょっとしてアオカナブンか?
捕まえて地面に置いてみると、濃い緑の一部に褐色の輝きが。
これはカナブンでは?
腹側を見てみると、後ろ脚の間が空いている。
カナブンは後ろ脚の間に隙間があるが、アオカナブンはくっついているそうだ。
したがってこれは、カナブンの緑色型だ。
すぐ近くにもう一頭、深い緑の個体が。
これは全く褐色の輝きがない!
おぉ!期待できるか。
捕まえてひっくり返してみた。
むむむっ、残念。
これも脚の間が開いている。
こんなに濃い緑色なのにこれもカナブンなのだ。
いつか必ずここでアオカナブンを、と改めて誓うのだった!
2014年7月2日 東京都
コウチュウ目ハナムグリ科 カナブン CANON EOS70D,EF100mm F2.8L IS USM/MT-24X