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湿地のオカメ [バッタ]

先に書いたエゾスズやヤチスズより大きなコオロギが足元から飛び出した。
fieldで見られるバッタの仲間はおおむねわかっているつもりだが、コオロギの仲間はミツカドコオロギのオス以外は識別できないでいる。
ツヅレサセ、モリオカメ、ハラオカメあたりだろうか?
識別できるようになるのが、これからの課題だ。
モリオカメ1117-0.JPG


















バッタ・コオロギ・キリギリス生態図鑑で調べると、どうもオカメコオロギの仲間に違いない。
このあたりで見られるであろう種としてモリオカメ、ハラオカメ、タンボオカメがいる。
モリオカメ1117-1.JPG


















モリオカメは前翅が長く腹が赤みを帯びる、ハラオカメは前翅が短く腹は白い、タンボオカメは体が黒っぽく腹は赤黒いとの記述がある。
この記述と写真から、モリオカメかタンボオカメと思われるがどちらか決定的な判断はできなかった。
モリオカメ1117-2.JPG


















名前につくオカメとはWikipediaによると、「古くから存在する日本の面(仮面)の一つである。丸顔、鼻が低く、額は広く、頬が丸く豊かに張り出した(頬高)特徴をもつ女性の仮面」だそうだ。
身近では、関西人なら誰でも知ってるオタフクソースのあのマーク。
case07_il01.gif








この顔とオタフクが似ているのか?
僕には似ているとは思えないのだが、昔の人にはオカメに見えたのだろう・・・。
モリオカメ1117.JPG


















2014年11月17日 東京都
バッタ目コオロギ科 オカメコオロギ.sp   CANON EOS70D,EF100mm F2.8L IS USM内蔵ストロボ


湿地のコオロギ ヤチスズ [バッタ]

歩いていると先に書いたエゾスズとは異なる種も飛び出してきた。
ヤチスズ1117.JPG


















シバスズかと思ったがちょっと雰囲気が違うようだ。
色、模様はそっくりだが、シバスズは尾肢より産卵管のほうが長い。
この個体は、尾肢より産卵管のほうが短いので「ヤチスズ」と思われる。
ヒバリモドキ科スズの仲間は同定がなかなか厄介である。
ヤチスズ1117-1.JPG


















2014年11月17日 東京都
バッタ目ヒバリモドキ科 ヤチスズ      CANON EOS70D,EF100mm F2.8L IS USM内蔵ストロボ

湿地のコオロギ エゾスズ [バッタ]

湿地の植物、コブナグサやミゾソバなどが色変わりして、湿地の中だけ草紅葉。
草紅葉というには、少し色が足りないだろうか。
北狭山谷1117.JPG


















ヘリを歩くと、下草から小さなコオロギがたくさん出てきては逃げていく。
かなり靴で踏んでいるだろうが大丈夫かと心配するほど。
その大きさは1cmにも満たないため、写真を撮って拡大しないと老眼の目には全く詳細がわからない。
エゾスズ1117-1.JPG


















見たことのないコオロギなので、調べると一番近いのが「エゾスズ」。
コオロギといってもエンマコオロギなどのコオロギ科ではなく、クサヒバリやカネタタキと同じヒバリモドキ科に属する。
似たものにヒメスズというのがいて小顎髭(口ひげ)が白いのだが、この種は白くないのでこれとは異なる。
エゾスズ1117.JPG


















図鑑には幼虫越冬で春に成虫とあるのでこの時期にまだ成虫というのも気にはなったが、幼虫もいた。
年に数化するのだろうか?
コオロギの仲間は今まであまり見てこなかったので、まだ知らない種がたくさんいそうだ。
エゾスズ1117-2.JPG


















2014年11月17日 東京都
バッタ目ヒバリモドキ科 エゾスズ   CANON EOS70D,EF100mm F2.8L IS USM内蔵ストロボ


まだ見られてうれしいなぁ! [バッタ]

湿地周りの草はらを歩いていると、さっと飛んだ淡い緑色。
草地を好むご本家「ツユムシ」だった。
ツユムシ1117-0.JPG



























秋、林縁でよく見かけるのは林縁を好むアシグロツユムシとセスジツユムシ。
アシグロはもう姿を消し、セスジのメスが時折見られるほど季節は進んでいる。
さらにいつものFieldは、ツユムシが好む草地環境が少ないのでなかなか見ることができない。

ツユムシという名前のツユは季節の梅雨ではなく、露だろうと思う。
梅雨の頃にはまだ幼虫だし、露をなめて生きている、なんかそんな繊細で弱弱しいイメージがあてはまるのだろう。
ツユムシ1117.JPG


















このツユムシにとってもこのところの寒さはさすがに厳しいと思う。
あとどのくらい頑張っていられるだろうか?
ツユムシ1117-1.JPG


















2014年11月17日 東京都
バッタ目ツユムシ科 ツユムシ  CANON EOS70D,EF100mm F2.8L IS USM内蔵ストロボ

まだ見られるバッタたち ヒナバッタ [バッタ]

陽の当たる暖かな草地の一角で、シリ・シリ・シリ♪というホシササキリとは異なる複数の鳴き声が聞こえてきた。
じっと観察していると、鳴いては移動しているバッタがいた。
ここではお馴染みの「ヒナバッタ」だ。
なぜかこの一角の密度が高い。

ヒナバッタ1114-1.JPG


















オスはメスより体が一回り以上小さく、腹部が黄色く腹端がオレンジ色。
鳴き方はキリギリスやコオロギとは異なり、翅に発音器はなく翅の側面と後ろ脚をこすり合わせて音を出す。
いわば、この翅と後ろ脚が発音器ということだ。
ヒナバッタ1114.JPG


















メスが落ち葉の上で日向ぼっこをしていた。
バッタの中では、比較的遅くまで見られる種。
寒さに強いのだろう。
この仲間には、ミヤマ、ノリクラ、シロウマ、タカネ、クモマ、ハクサンヒナバッタなど高山帯に生息するものが多く、さらにはみな夏から秋にかけて成虫になることからもそれが裏付けられると思う。
ヒナバッタ1114-2.JPG


















少し歩いて、おぉっ、ここにもと思ったらよく似た仲間の「クルマバッタモドキ」だった。
クルマバッタモドキ1114.JPG


















クルマバッタモドキのほうがサイズが大きいのだが、中には小さな個体がいる。
共に前胸背に白いXの模様があるからややこしいが、クルマバッタモドキは複眼に模様があること、後ろ翅に褐色の半円の模様があることから識別ができるのだ。
クルマバッタモドキ0914-1_1.JPG



















2014年11月13日 東京都
バッタ目バッタ科 ヒナバッタ、クルマバッタモドキ  EOS70D,EF100mm F2.8L IS USM/内蔵ストロボ


まだ見られるバッタたち ホシササキリ [バッタ]

今朝は、今シーズン初めて10℃を切り寒かった。
布団も服も冬物をいつでも使えるように押入れから出しておいた。

さて、fieldでもすっかり見られる虫が少なくなったが、草はらを歩くと元気に飛び跳ねる。
バッタたちがまだ頑張っていた。

数は少ないものの見られたのが、キリギリスの仲間の「ホシササキリ」。
夏にはイネ科の草はらでたくさん見られる種で翅にある褐色の小さな斑を星に見立てて名付けられたようだ。
オスは、翅の発音器をすり合わせてシリ・シリ・シリと鳴く。
今日もカメラから逃げながらも、時折鳴いていた。
ホシササキリ1114.JPG


















お尻に長い産卵管のあるメスも見られた。
バッタの仲間に産卵管はないが、キリギリスとコオロギの仲間には産卵管があるのだ。

朝・夜と昼との温度差が大きく紅葉にはいいが、彼らには厳しいだろうなぁ。
ホシササキリ1114-2.JPG


















2014年11月14日 東京都
バッタ目キリギリス科 ホシササキリ
 EOS70D,EF100mm F2.8L IS USM/内蔵ストロボ


うまく隠れるなぁ! [バッタ]

いよいよ秋も深まり、すっと高く伸びたアキノノゲシも白い綿毛をつけている。
以前に比べると歩いていても虫を見つけることが難しくなってきた。
これからはますます虫目でじっくり歩いて探さなければならない。

この道を歩いて、ふとあるところに違和感を感じた。
さて、この引いた写真で判った方は素晴らしい眼力だ。
風景1030.JPG


















ちょっと難しかった。
その部分を拡大すると、わかるだろう。
そう、ススキの穂に浮き出た影。
シブイロカヤキリ1030.JPG


















近づいて覗いてみると、穂の中に隠れていたのは「シブイロカヤキリ」だった。
前回はススキの葉に隠れていたのだが、同じ場所なので同じ個体だろうか?
それにしてもうまく隠れるものだが、感心してばかりはいられない。
これを見抜かねば、これから虫たちに出会うことは難しいのだ。
シブイロカヤキリ1030-1.JPG


















2014年10月30日 埼玉県
バッタ目キリギリス科 シブイロカヤキリ  
CANON EOS50D EF8-10mm F4LフィッシュアイUSM  EOS70D,EF100mm F2.8L IS USM/内蔵ストロボ


ホシササキリ [バッタ]

イネ科が茂る草はらを歩くと、さっと飛び出す小さなバッタ。
綺麗な黄緑色に長い触角。
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キリギリスの仲間の「ホシササキリ」。
翅に褐色の斑があるのが特徴。
ホシササキリ1008.JPG



























体の色には褐色のものもいる。
ホシササキリ1007-1.JPG



























よく見られるササキリにはこのホシササキリと「ウスイロササキリ」がいる。
ウスイロは顔の角度が鋭角で、翅に斑がない。
生息場所は局地的でホシササキリに比べると出会う機会は少ないようだ。
ウスイロササキリ-1.JPG


















2014年10月8日 東京都 埼玉県
バッタ目キリギリス科 ホシササキリ ウスイロササキリ  CANON EOS70D,EF100mm F2.8L IS USM

トノサマバッタ 産卵 [バッタ]

緑色や褐色のトノサマバッタはよく見かけるが、珍しく黒い個体を見つけた。
日の当たり具合で真っ黒に見えたが、追っかけてみると濃い褐色だった。
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もうちょっと撮ろうとさらに追っかけ着地点を探してみると、おやっ、産卵している?
あれだけ飛んで飛んでいきなり産卵か?と思ったら別個体だった。
トノサマバッタ1016-1.JPG


















さすがに産卵中はすぐそばまで近寄っても全く逃げない。
卵を産むことに没頭している。
普段敏捷なトノサマバッタが最も危険な時だろう。
人間という敵に対しては、近づいても飛ばなければおそらくそこにいることに気付く人は少ないに違いない。
トノサマバッタ1016-3.JPG


















2014年10月16日 東京都
バッタ目バッタ科 トノサマバッタ  CANON EOS70D,EF100mm F2.8L IS USM

泥棒顔のシブイロカヤキリ [バッタ]

ススキはいろんな生き物たちの棲家となっている。
何かいないかと見ていたら、葉裏に不自然な色とふくらみが・・・。
シブイロカヤキリモドキ0929.JPG



























クビキリギスの幼虫かと葉をひっくり返してみると、いたのは「シブイロカヤキリ」の幼虫だった。
昔、この虫の存在を知らなかったころは、すべてクビキリギスだと思っていた。
当初シブイロカヤキリモドキと呼ばれていたが、改名されてシブイロカヤキリとなったがいまだにモドキと付けてしまう。
モドキという名は嫌いなのだが・・・・。
シブイロカヤキリモドキ0929-1.JPG


















クビキリギスと本当に似ているが、見慣れれば区別はたやすい。
クビキリギスは後ろ脚が長いが、本種は上の写真のように後ろ脚が短い。
また、クビキリギスの口は赤く血吸いバッタとも呼ばれるが、シブイロは黒い。
まるで、口ひげを伸ばした泥棒のようだ。
昔の泥棒といえば、ほっかぶりをして口の周りが黒いのが定番だった。
シブイロカヤキリ0929-1.JPG


















2014年9月29日 東京都
バッタ目キリギリス科 シブイロカヤキリ    CANON EOS70D,EF100mm F2.8L IS USM/430EXⅡ

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