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普通のツユムシ [バッタ]

丘陵には3種類のツユムシがいる。
毎年fieldでよく見かけるのは、そのうちの2種、セスジツユムシアシグロツユムシだ。
ではあと1種はというと普通の「ツユムシ」。
普通と書いたのは名前がズバリそのもので基本種のようだから。

しかしいつも歩いている場所では意外と見かけない。
9月の終わりにカヤコオロギを探しに行った草はらでようやく今年初めて見つけた。
久しぶりである。
tsuyumushi0930_1.JPG


















なぜほかの2種はよく見るのにこの普通のツユムシはみかけないのだろうか?
以前から疑問に思っていた。

先日武蔵野のいくつかの公園の草地の調査を行った。
ある公園のススキやヨモギなどの植生の小さな草地ですごい数のツユムシが見られた。
一つのススキの株に5匹以上が群がり、歩くと足元からも飛ぶ。
こんなに生息密度の高い場所は初めてだが、全く普通の都市公園の一角なのだ。
また、通勤の人たちが朝夕多く利用する草地でも見つかった。
いるところにはいるのである。
ではなぜ?
tsuyumushi1-0930_1.JPG


















その理由は、意外と簡単だった。
セスジツユムシやアシグロツユムシは、主に林縁のマント群落などを好み、
ツユムシは明るい草地を生息地としており、僕がいつも歩いているのが林縁だったから。

「見つけたい虫がいるなら、その虫がどんな場所が好きで何を食べているかを調べてから探しに行こう!」
今まで子供たちに言ってきたことだが、まさしくこの基本を忘れていたようだ。
tsuyumushi2-0930_1.JPG


















2011年9月30日 東京都
 
直翅目 ツユムシ科 ツユムシ  CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM /MT-24EX


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コメント 4

つばさ2号

こんにちは
同じ仲間でも住む場所が違うと言うのは、自然を教える上ではいい
教材になりますね。
たとえばコオロギは普通地面にいて長翅型以外は飛べませんが、
カンタンは草の上に住み(これも長翅型しか飛べません)、更に
アオマツムシ(外来ですが)は樹上生活者で飛べるといった具合で
いろんなタイプがいる。
逆に山間の狭い草地にトノサマバッタいるとか、意外な所に適応
していることもあったりします。

生物多様性はこういう事もあるから、環境保護も多様な環境を対象に
して、その維持方法まで注意しなければいけないことを行政や産業界
に浸透させないと、希少種から先にどんどん姿を消していくことになり
ますね。
by つばさ2号 (2011-11-13 13:02) 

おはる

まったく同感です。
私もいつもは、MFの野鳥を観察する場所(林縁)でセスジツユムシをよく見つけ、MFにはセスジツユムシが多いと思っていたのですが、今年バッタを探していて、ちょっと明るい開けた草原を丹念に見たら、ツユムシもたくさん見つけられました。
この2種はすみ分けているのですね。
by おはる (2011-11-16 09:56) 

hirokou

つばさ2号さん コメントありがとうございます。
おっしゃる通りですね。
まずどこにどんな生き物がいるのかを把握して、それを保全する維持管理をしていかなければならないと思っています。
はじめの部分ができていないところが多いのではないでしょうか?
そこを知らなければ生物多様性を活かした環境保全はできませんよね!
by hirokou (2011-11-16 20:14) 

hirokou

おはるさん コメントありがとうございます。
お久しぶりですね。
たまにお邪魔をしていますが、以前ほど更新されていないので気になっていました。
意外と既成概念で物事を考えてしまいがちですが、初心に帰ってというのが大事ですね!僕は今、おはるさんのfieldで仕事をしていますので出会う機会があるかもしれませんね(^^)
by hirokou (2011-11-16 20:18) 

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