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ムラサキシキブとイチモンジカメノコハムシ [甲虫]

ハムシの仲間は、進化の過程でそれぞれ異なる植物に依存し競合を避ける道を選んだのだろう。
ついている葉で種が特定できるほど、食草が細分化されている。

林縁に多く生えるムラサキシキブ。
この木を幼虫の食草としているハムシがいる。
「イチモンジカメノコハムシ」。
カメノコハムシの仲間にもたくさんの種がいるが、この種はなぜかムラサキシキブなのだ・
たまたま見つけた個体は交尾中だった。
イチモンジカメノコハムシ0429_1.JPG


















2014年4月29日 東京都
コウチュウ目ハムシ科  イチモンジカメノコハムシ  CANON EOS70D EF100mm F2.8L IS USM/MT


ツツハムシ [甲虫]

甲虫の中でも種が多い仲間にハムシ科がある。
1983年に発行された手持ちの図鑑に、日本に約500種とあるが今ではもっと増えているに違いない。
例外はあるものの、名前の通り幼虫はほとんどが植物食で農作物の害虫も多い。
似ているものも多く、同定に苦しむのであまり撮りたくない種ではあるがそうもいくまい。
ハムシ科の中のツツハムシ亜科も似たものが多い。
コナラやウワミズザクラに集まる「ヨツモンクロツツハムシ」。
ヨツモンクロツツハムシ0429-1_1.JPG


















筒のような体に、黒地にオレンジの紋が特徴。
ヨツモンクロツツハムシ0429_1.JPG



























一方こちらは、オレンジ色の体に黒い紋の「クロボシツツハムシ」。
クロボシツツハムシ0504_1.JPG


















クヌギ、クリ、ハンノキなどに集まる。
同じ配色で、紋の位置や数が異なるものにヤツボシ、コヤツボシ、クロオビなどがいてなかなか覚えられないでいる。
これらは、敵に襲われたときに異臭と苦みのある液体を出すテントウムシに擬態していると言われている。
自分に毒はないが、あるものに似せる擬態をベイツ型擬態というがその代表種たちだ。
確かに虫に詳しくない人に、テントウムシといっても通じるだろうなぁ!
クロボシツツハムシ0504-1_1.JPG


















2014年4月29日、5月4日 東京都
コウチュウ目ハムシ科 ヨツモンクロツツハムシ、クロボシツツハムシ
CANON EOS70D EF100mm F2.8L IS USM/MT-24EX


エゴノキのゆりかご [甲虫]

初夏の花が咲き始めた。
エゴノキも小さな蕾をたくさんつけているが、開花はまだ少し先のようだ。
そんなエゴノキにゆりかごを作る虫がいる。
園路際のエゴノキで探して見た。
少し高い葉の上に見つけたと思ったら向こうもこちらを見ていた。エゴツルクビオトシブミ0503_1.JPG



















すぐに危険を感じたのか葉の裏に隠れたが、葉裏の方が見やすかった!
名前は、「エゴツルクビオトシブミ」。
その名の通り、鶴のように首が長い。
雄の方が首が長いのでこれはメスのようだ。
エゴツルクビオトシブミ0503-1_1.JPG


















あたりを探すと、ゆりかごが一つ見つかった。
オトシブミは、葉に卵を産み付けてそれを巻いていく。
卵から孵った幼虫は葉を食べ蛹になり羽化してゆりかごから出てくる。
種によって、ゆりかごを付けたままにするものと切り落としてしまうものがいる。
巻き方もそれぞれだ。
どの種がどんな巻き方をするのか調べるのも面白い!
エゴツルクビオトシブミ0503-2_1.JPG


















2014年5月3日 東京都
コウチュウ目オトシブミ科 エゴツルクビオトシブミ
   CANON EOS70D EF100mm F2.8L IS USM


大きなお尻の変な虫 マルクビツチハンミョウ [甲虫]

草はらを歩いていた瑠璃色に輝く大きなお尻の変な虫。
以前から見てみたかったのだが、その機会に恵まれなかった。
この日、偶然見つけて持ち帰った。
名前は、「マルクビツチハンミョウ」。
頭部、前胸背、前翅には点刻があり、腹部はまるでなめし皮のような質感。
この組み合わせが素晴らしい。
マルクビツチハンミョウ0501-3_1.JPG

















見た目も変だがその生態も変わっている。
土中に産んだ数千の卵から孵化した幼虫は、花に上り蜜を求めてやって来るハナバチの仲間を待つ。運よく訪れたハナバチのメスに乗り移り巣まで運ばれ、ハナバチの卵や集めた蜜、花粉などを食べて成長する。ハナバチ以外に乗り移ったものには死あるのみ。ハナバチのオスに乗り移ってもメスと交尾の機会がなければ、また然りである。
そんな厳しい運命の中で子孫を残すために、メスはたくさんの卵を産むのだ。
マルクビツチハンミョウ0501-4_1_1.JPG

















また、イモムシ型の幼虫からほとんど動かない擬蛹と呼ばれる状態、蛹といくつかに形を変えることから過変態 と呼ばれる生態を持つことも特異である。
さらに、危機が迫ると死んだふりをし関節からカンタリジンと呼ばれる毒を出す。
この様々な特徴を持つツチハンミョウの仲間、ハンミョウと名がついているがあのきれいなハンミョウとは全くの別種でツチハンミョウ科に属する。この点は非常に紛らわしい!
マルクビツチハンミョウ0501-5_1.JPG

 















2014年5月1日 東京都
コウチュウ目ツチハンミョウ科 マルクビツチハンミョウ  CANON EOS70D EF100mm F2.8L IS USM/MT-24EX


色と点刻が芸術的なスゲハムシ [甲虫]

田んぼ脇の小川沿いで鮮やかな輝きを放つ小さな虫を見つけた。
スゲ類に集まるハムシの仲間、「スゲハムシ」。
体色には変化が多いが、この日見つけたのは2色。
光沢のある紫色に工芸のような点刻が美しい。
スゲハムシ0429_1_1.JPG


















こちらは渋い銅色。
この他に、緑や黒、青色の個体もいるがこの日は見ることが出来なかった。
色の違うスゲハムシを探すのも楽しいものだ!
スゲハムシ0429-1_1_1.JPG


















2014年4月29日 東京都
コウチュウ目ハムシ科 スゲハムシ CANON EOS70D,EF100mm F2.8L IS USM /MT-24EX


アカハネムシ [甲虫]

目の前をぷーんと飛んできた赤い虫。
「アカハネムシ」のようだ。
アカハネムシ0409-1_1.JPG


















毒のあるベニボタルに擬態しているらしい。
幼虫は朽木の中で、朽木や他の虫を食べるという。
体が赤いから目立つものの、そうでなければなかなか目にとまらないだろうなぁ!
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2014年4月9日 東京都
鞘羽目 アカハネムシ科 アカハネムシ  CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM /MT-24EX

越冬ウバタマムシ その後 [甲虫]

2度の大雪の前に見つけていたコナラの幹で越冬中のウバタマムシの様子を見に行った。
丘陵には想像以上の雪が積もっていて、日陰の園路にはまだ雪が・・・。雪0223-1_1.JPG



















今月に入って2回の大雪でどうなったのか気になった。
園路の脇の木なのだが当然雪かきなどされておらず、足を踏み入れると膝下まで埋もれる。
雪0223-2_1_1.JPG


















ウバタマムシは、以前の場所から少し動いていたが健在だった。
まぁ、幹にいたのだからさほどの影響はなかったのかもしれないが、この寒さを乗り越えたのならもう大丈夫なのではと思う。
ウバタマムシ0223_1.JPG


















来週は暖かくなるとの予報なので、生きものたちには少しの間ほっと一息かもしれない。
その後は、また寒さが戻ってきそうで油断はできないが・・・。
ウバタマムシ0223-1_1.JPG



























2014年2月23日 東京都
鞘羽目 タマムシ科 ウバタマムシ CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM /MT-24EX


越冬中のウバタマムシ [甲虫]

今日の狙いは、キノカワガ。
正月の割には地味だが、ここ数年見かけることが少なくなりちょっと気になっている。
合わせてフユシャクもと、木を見て回っていると久しぶりの大物が見つかった。
ウバタマムシ0102_1.JPG


















コナラの窪みに体を添わせていたのは「ウバタマムシ」だった。
この虫を見るのは久しぶりだが、冬の越冬中に出会うのは初めて。
こんなところで越冬するとは知らなかった。
ウバタマムシ0102-1_1.JPG


















昼間は比較的寒さが緩んで暖かかったが、それでも手足を縮めて動かずじっと寒さに耐えるその姿はいとおしくも思えた。
アップでじっくり観察すると、目の周りや足などあちこちにピンク色の毛が生えている。
今まで見たものはほとんど白っぽい毛だったので、この個体特有なのだろうか?
ウバタマムシ0102-2_1.JPG



























冬の間でも暖かな日は活動するようで、夏より冬の方が良く出会うという人もいるくらいだ。
この直ぐ近くに、夏になるとウバタマムシに出会う尾根道のスポットがある。
やはりそこのアカマツで発生したのだろうか?
春までここでずっと越冬しているとは思えないが、時折立ち寄って様子を見てみよう。
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2014年1月2日 東京都
鞘羽目 タマムシ科 ウバタマムシ
CANON EOS40D EF8-10mm F4LフィッシュアイUSM/430EXⅡ CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM /MT-24EX


キボシカミキリのクリスマスオーナメント [甲虫]

昨日は、暦の上では冬至。
一年で最も昼間が短い日だ。
これからだんだん昼間が長くなってくるのは嬉しい!

そして今日はX'masイブ、と言っても何の予定もないのは例年のこと。
街はさぞかし賑わっているのだろうが、その喧騒があまり得意ではない。

時間を見つけて谷戸を歩いてみた。
近くでカッ、カッ♪という声が聞こえたので、カッカッと返してみた。
するとその声がだんだん近づいてきて、目の前の枝に小鳥が飛び出した。
声の主は、ルリビタキ。
メスかオスの若かは定かではないが、今年初めて見るその可愛さに感激!
好奇心旺盛なところからまだ若い個体なのだろうか?
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この時期、見られる虫は限られる。
ひょっとしてと、園路沿いのクワの木を探して見るとお目当てが見つかったもののちょっと様子が。
まるで雪をかぶったような・・・。
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キボシカミキリ。
寒さに強く12月、たまに年を越しても見られることから、探して見たが何と体中が菌に覆われていた。
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恐らく昆虫病原性糸状菌、ボーベリア菌に冒され枝にしがみついたまま命を絶ったのだろう。
この菌に感染すると体中の水分がなくなり乾燥してしまう。
関節から体外へ白い分生子が見られることから白きょう病といわれるボーベリア菌と思われる。
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生きていなかったのがとても残念だ。
今日はイブ、まるで白い綿をかぶったクワの木ツリーのオーナメントのようだった。
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2013年12月24日 東京都
スズメ目 ツグミ科 ルリビタキ
鞘羽目 カミキリムシ科 キボシカミキリ   CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM /MT-24EX


晩夏のノコギリクワガタ 2013 [甲虫]

前回更新後、ブログへの書き込みができなくなり間が空いてしまった。
原因は不明だが、ブラウザに問題があったようで、初期設定に戻すと解決した。
初めからこうすればよかったものの、いろいろ試して時間を食ってしまった。

9月の中旬、晩夏か初秋かという時期に、昆虫酒場を見に行った。
目立ったのは、スズメバチたちと翅の痛んだナミヒカゲだった。
しばらく見ていると、少し高いところで小型の「ノコギリクワガタ」を見つけた。
樹液を求めて歩き回っている様子。
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木の裏側に回ると低い位置に立派な大顎を持つ個体がいた。
まさしく水牛である。
この夏、我が家の玄関に飛んできたものと大きさはいい勝負だ。
ノコギリクワガタ0918_1_1.JPG
















翅の傷は、争って挟まれた跡だろうか?
この個体も顎は立派だが、さらに相手はすごいやつか、それとも小さいものに不意を突かれたか。
ノコギリクワガタ0918-1_1_1.JPG
















ナミヒカゲを撮っていたら、奥で何かが動いた。
見ると顎の小さな個体が樹液を吸っていた。
ノコギリクワガタ0918-3_1_1.JPG
















見ていると頭に何かが落ちてきた。
足元を探すと、何とこれも小型のノコギリクワガタ。
最初に幹で見かけたものはまだいたので、どうやら別個体。
これで4頭目、他のクワガタやカブトムシはすでに寿命が尽きたのか全く見られず。ノコギリクワガタ0918-4_1_1.JPG

















ふと横を見ると、死んだ個体も見つかった。
なぜかこの日はノコギリクワガタばかり。
成虫越冬はしないようだが、今までも遅い時期に見られることが多く、寿命が長いのか、寒さに強いのか、たまたまなのだろうか?
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2013年9月18日 東京都
鞘羽目 クワガタムシ科 ノコギリクワガタ  CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM /MT-24EX

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