まだ見られるバッタたち ヒナバッタ [バッタ]
陽の当たる暖かな草地の一角で、シリ・シリ・シリ♪というホシササキリとは異なる複数の鳴き声が聞こえてきた。
じっと観察していると、鳴いては移動しているバッタがいた。
ここではお馴染みの「ヒナバッタ」だ。
なぜかこの一角の密度が高い。
オスはメスより体が一回り以上小さく、腹部が黄色く腹端がオレンジ色。
鳴き方はキリギリスやコオロギとは異なり、翅に発音器はなく翅の側面と後ろ脚をこすり合わせて音を出す。
いわば、この翅と後ろ脚が発音器ということだ。
メスが落ち葉の上で日向ぼっこをしていた。
バッタの中では、比較的遅くまで見られる種。
寒さに強いのだろう。
この仲間には、ミヤマ、ノリクラ、シロウマ、タカネ、クモマ、ハクサンヒナバッタなど高山帯に生息するものが多く、さらにはみな夏から秋にかけて成虫になることからもそれが裏付けられると思う。
少し歩いて、おぉっ、ここにもと思ったらよく似た仲間の「クルマバッタモドキ」だった。
クルマバッタモドキのほうがサイズが大きいのだが、中には小さな個体がいる。
共に前胸背に白いXの模様があるからややこしいが、クルマバッタモドキは複眼に模様があること、後ろ翅に褐色の半円の模様があることから識別ができるのだ。
2014年11月13日 東京都
バッタ目バッタ科 ヒナバッタ、クルマバッタモドキ EOS70D,EF100mm F2.8L IS USM/内蔵ストロボ
まだ見られるバッタたち ホシササキリ [バッタ]
今朝は、今シーズン初めて10℃を切り寒かった。
布団も服も冬物をいつでも使えるように押入れから出しておいた。
さて、fieldでもすっかり見られる虫が少なくなったが、草はらを歩くと元気に飛び跳ねる。
バッタたちがまだ頑張っていた。
数は少ないものの見られたのが、キリギリスの仲間の「ホシササキリ」。
夏にはイネ科の草はらでたくさん見られる種で翅にある褐色の小さな斑を星に見立てて名付けられたようだ。
オスは、翅の発音器をすり合わせてシリ・シリ・シリと鳴く。
今日もカメラから逃げながらも、時折鳴いていた。
お尻に長い産卵管のあるメスも見られた。
バッタの仲間に産卵管はないが、キリギリスとコオロギの仲間には産卵管があるのだ。
朝・夜と昼との温度差が大きく紅葉にはいいが、彼らには厳しいだろうなぁ。
2014年11月14日 東京都
バッタ目キリギリス科 ホシササキリ EOS70D,EF100mm F2.8L IS USM/内蔵ストロボ
冬の虫 チャエダシャク [チョウ・ガ]
今日は風が強かったが日差しが温かかった。
午前中は用があり、午後も色々済ませてから出かけたがすっかり日が傾いていた。
昼が短いのを実感だ。
谷戸ではウワミズザクラの黄葉が鮮やかだ。
稲刈りの終わった田んぼでは、黄葉する木々とは対照的に株から新たな葉が青々と伸びていた。
これから訪れる寒さには耐えられないだろうに。
畦を歩いてもイナゴの姿は見られない。
横の草地でようやく見つけた「コバネイナゴ」。
褐色のヨモギの葉に緑色の体が目立つこと。
いつまで見ることができるだろうか?
クスノキの幹で見つけたのは、前回見つけたキノカワガではなく「チャエダシャク」だった。
秋から冬、いよいよ冬の虫たちが見られるようになってきた。
フユシャクの季節がすぐそこまで来ている。
2014年11月13日 埼玉県
バッタ目バッタ科 コバネイナゴ
チョウ目シャクガ科 チャエダシャク
CANON EOS50D EF8-10mm F4LフィッシュアイUSM/MT24-EX EOS70D,EF100mm F2.8L IS USM/内蔵ストロボ
ホタルトビケラ [その他の虫]
田んぼの周りを歩いていると、コバネイナゴが飛ぶ数がめっきり少なくなった。
いよいよだなぁ!
園路脇のエノキの幹に何かいる。
これからの時期、時折みられる真冬の蛍、寒くなってくると姿を現すので、勝手にそう名付けている。
正式和名は「ホタルトビケラ」だ。
幹をしきりになめているようだが、おいしいものがそこにあるのだろうか?
この虫、秋から初冬に現れる。
ということは、秋もそろそろ終わりかな。
虫で季節を知るのも風流だ。
このblogを始めてはや6年ほどになるだろう。よくもまぁここまで続けられたものだ。
ご訪問いただいている皆様のお蔭、感謝のお礼を言いたい。
しかし、ここにきていよいよ無料で使える使用領域の限界に来た。
事前にわかっていたのだが、考えることを先延ばしにしていた。
悪い癖。
さてどうするか?
色々と策はあるが、どうしたものか。
考えどころである・・・・・。
2014年11月5日 埼玉県
トビケラ目 エグリトビケラ科 ホタルトビケラ CANON EOS70D EF100mm F2.8L IS USM
そろそろ秋も終わりかな? [季節]
このところ一段と寒さが増してきた感じ。
先日職場では、ファンヒーターに火が入っていた。
今日は、曇り空。
雲の切れ間から青空は見えるものの、お日様は隠れたままで肌寒い。
谷戸を歩くもめっきり虫たちの姿はない。
湿地の脇では「ツリフネソウ」の実がはじけていた。
一つ残った黒い種、そのうち風で落ちるかな?
林縁のマント群落もすっかり褐色に。
そんな中でひときわ目を引くのは「ヒヨドリジョウゴ」の赤い実。
これだけ目立つのに残っているのは美味しくないのかな。
下に見えるセンニンソウは、すでに白い仙人のひげを落としていた。
この日ようやくエノキの葉上で見つけたむし、「セスジツユムシ」のお腹の大きなメス。
赤い目が印象的。
無事卵を産めますように!
同じエノキで見つけたのは「アカボシゴマダラ」の幼虫。
まだ小っちゃいなぁ。
これから脱皮して冬越し。
細長い角は、まだその準備ができていない証拠。
今日の寒さはちょっとつらいだろうなぁ。
2014年11月5日 埼玉県
フウロソウ目ツリフネソウ科 ツリフネソウ
ナス目ナス科 ヒヨドリジョウゴ
バッタ目ツユムシ科 セスジツユムシ
チョウ目タテハチョウ科 アカボシゴマダラ EOS70D,EF100mm F2.8L IS USM/内蔵ストロボ
赤とんぼを探して [トンボ]
今年は、各地で赤とんぼが少ないとの声を聞く。
確かにfieldでも初秋に一時見られたアキアカネはすっかり姿を消し、ナツアカネなどは数回確認した程度。
例年、園路を歩けばあちこちで見られるマユタテアカネ、限られた場所で見られたヒメアカネは1頭も見られない。
昨年の渇水が影響しているのだろうか?
この日、赤とんぼを探して歩いていると少ないながらも「アキアカネ」のオスを数頭見つけた。
数mの間隔で木柵にとまってテリトリーを張っていた。
林縁で最初何の種かわからなかったが、どうやらアキアカネのメスのようだ。
ブタ鼻の「マユタテアカネ」のオスも少ないながらも見られた。
毎年いやというほど飛び交っているのだが・・・・。
今年は少ない。
この個体、胸と翅が黒くなっているがどうしたのだろう?
夏に多く見られた「リスアカネ」もめっきり数が減った。
林縁でマユタテと生息場所を分けて見られるところが面白い。
赤とんぼではないが、初冬まで見られる「オオアオイトトンボ」のオス。
この種もアオイトトンボも今年は数が少ないと思う。
こちらは、胸にクモの巣がかかったメス。
ジョロウグモの巣にかかったのだろうか。
何とか脱出できたのだろう。
今年は丘陵の湧水の渇水もなかったので、来年はトンボたち 期待できるだろうか?
2014年10月30日 東京都
トンボ目トンボ科 アキアカネ、マユタテアカネ、リスアカネ
アオイトトンボ科 オオアオイトトンボ
CANON EOS50D EF8-10mm F4LフィッシュアイUSM/MT24-EX EOS70D,EF100mm F2.8L IS USM/内蔵ストロボ
ミノウスバ 産卵す! [チョウ・ガ]
そろそろだろうと、見に行ったマユミの木。
一部では文化の日の虫とも言われ、この頃に見られるという。
ガの仲間の「ミノウスバ」だ。
文化の日には3日ほど早かったが、枝先に2頭が並んで産卵の真っ最中。
この日今にも雨が降り出しそうな気候なうえに薄暗い林縁で、残念ながらの黒バックとなってしまった。
産卵しながら前に進むのだが、後ろの個体は前の個体の産んだ卵のところまで来たらどうするのだろう?と心配になった。
卵を産みながらお尻の毛をまぶしていく。
産めば生むほど、母親の尻の毛は抜けていくのだ。
先入観なく、この姿だけ見ているといったい何の虫なのか?
透明な翅から、セミの仲間に見えないこともない。
僕にとっては不思議で魅力的なガだ。
2014年10月31日 東京都
チョウ目マダラガ科 ミノウスバ CANON EOS70D,EF100mm F2.8L IS USM内蔵ストロボ/430EXⅡ
うまく隠れるなぁ! [バッタ]
いよいよ秋も深まり、すっと高く伸びたアキノノゲシも白い綿毛をつけている。
以前に比べると歩いていても虫を見つけることが難しくなってきた。
これからはますます虫目でじっくり歩いて探さなければならない。
この道を歩いて、ふとあるところに違和感を感じた。
さて、この引いた写真で判った方は素晴らしい眼力だ。
ちょっと難しかった。
その部分を拡大すると、わかるだろう。
そう、ススキの穂に浮き出た影。
近づいて覗いてみると、穂の中に隠れていたのは「シブイロカヤキリ」だった。
前回はススキの葉に隠れていたのだが、同じ場所なので同じ個体だろうか?
それにしてもうまく隠れるものだが、感心してばかりはいられない。
これを見抜かねば、これから虫たちに出会うことは難しいのだ。
2014年10月30日 埼玉県
バッタ目キリギリス科 シブイロカヤキリ
CANON EOS50D EF8-10mm F4LフィッシュアイUSM EOS70D,EF100mm F2.8L IS USM/内蔵ストロボ
警戒色と保護色 [自然]
3本の大きなクスノキがある。
ここに来るといつもぐるっと幹回りを見て回る。
時折、面白いものが見つかるからだ。
過去には、このあたりで初めてクロメンガタスズメの成虫を確認した。
ある時には、昼間なぜか「アブラコウモリ」が幹にへばりついていた。
この日、枝の下側に小さな赤いものがぶら下がっているのが見えた。
脱皮最中の「ヨコヅナサシガメ」。
脱皮後時間がたつと黒く変わるが、脱皮したばかりの時は真っ赤だ。
自然界で赤や黄色は警戒色といわれている。
このビビットな色は、鳥たちも食わないだろう。
以前この枝で、羽化途中のアブラゼミが頭をおそらく鳥に持っていかれて息絶えていたのを見た。
この色ならそんなことはあるまい。
まぁ、大きさはまったく異なるが・・・。
幹に目を移すと、夏以降初めて見る「キノカワガ」が見事に幹に溶け込んでいた。
さすが擬態の名人!
樹皮の流れに逆らってとまっていたが、帰って写真を見るとこれはこれでありだな。
ヨコヅナサシガメの警戒色に対して、こちらは隠蔽目的の保護色。
どちらも、素晴らしい色使いだ!
2014年10月30日 埼玉県
カメムシ目サシガメ科 ヨコヅナサシガメ
チョウ目コブガ科 キノカワガ CANON EOS70D,EF100mm F2.8L IS USM/内蔵ストロボ
実りの秋 [季節]
久しぶりにゆっくりと谷戸を歩いた。
草はらで、季節外れの「スミレ」が咲いていた。
春に咲くスミレが今、狂い咲きともいわれるがこれも多様性。
今の時期咲けば、とても目立つよね!
園路脇で大きな「リンドウ」の株が花をつけていた。
こちらは今が開花時期の紫色の花。
これだけの大きさの株はなかなか出会えない。
園路のすぐそば、心無い人に採られないようにね!
南方種の「クスノキ」も元来植栽だがあちこちで見られる。
今が結実の時期。
まだ緑色だが、たくさんの実をつけている。
林縁でガマズミ、オトコヨウゾメなどとともに目立つ赤い実は「ウメモドキ」。
枝に直につく小さな実は、クリスマスのオーナメントみたい。
緑、青、紫、ピンクと様々な色の実をつけているのは「イシミカワ」。
最後には中から黒い種が顔を出す。
とてもきれいな実だ。
2014年10月30日 埼玉県
キントラノオ目スミレ科 スミレ
ユリ目リンドウ科 リンドウ
クスノキ目クスノキ科 クスノキ
モチノキ目モチノキ科 ウメモドキ
タデ目タデ科 イシミカワ
CANON EOS70D,EF100mm F2.8L IS USM、EOS50D EF8-10mm F4LフィッシュアイUSM