集まりだしたヨコヅナサシガメの幼虫たち [セミ・カメムシ]
毎年キノカワガがいるエゴノキを観察していると、そろそろ越冬に備えるのか「ヨコヅナサシガメ」の幼虫たちが集まっていた。幼虫たちは、集まり身を寄せ合って冬を越す。
その中の3頭が一匹の獲物をそれぞれの口吻で突き刺して持ち上げていた。
獲物は、テングイラガの幼虫だろうか?
すでにサシガメたちに体液を吸われたからだろう。少し平べったくなっている。
さらに観察していると、獲物を口吻で刺したまま移動していく。
とりあえず皆同じ方向に獲物を落とさず進んでいくのを見ると、お互いどっちに行くか話し合いながら歩いているようにさえ思えるほど息はぴったりだった。
そのうちそれぞれのバランスが崩れ、1頭が獲物を持ち去って行った。
そうそううまくはいかないようだ。
2011年10月6日 東京都
半翅目 サシガメ科 ヨコヅナサシガメ CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM /MT-24EX
宿題出来たか? ツクツクボウシ♪ [セミ・カメムシ]
夏も終わりに近づくと目立って聞こえてくるのが、このセミ「ツクツクボウシ」の鳴き声。
季節が進むにつれ、ツクツクボウシとたくさんの個体が輪唱する。
セミの中では一番遅くに現れ、この声を聞けば夏休みも終わりといつも思ったものだ。
鳴きはじめはジュクジュクジュクジュク、続いてボウシ、ツクツクボウシと続く。
鳴き声はツクツクボウシなのかボウシツクツク(オーシツクツク)なのか?
図鑑によっても様々である。
まぁ、僕にとってはどちらでも構わないが、名前の通りの方が話が早い。
元来切羽詰まらないと動かないきらいがあり、小学校の時はいつも夏休み終わりぎりぎりになって宿題に取り掛かっていたように思う。
そんな中でこのセミの声の大きさが宿題に取り掛かる合図であり、そろそろやらなければと思わせてくれた。
そういう意味で幼い僕には、このセミの鳴き声は「ツクツクボウシ♪」というより「シュクダイデキタカ♪」ときこえたのだった。
2011年9月12日 東京都
半翅目 セミ科 ツクツクボウシ CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM /MT-24EX
かわいいエビちゃん [セミ・カメムシ]
イネ科の植物の葉を丹念に見ていると、バッタ類をはじめ様々な虫たちが見つかる。
時々出会えるのがこの虫、「かわいいエビちゃん」だ。
その名は「エビイロカメムシ」の幼虫。
平たく楕円形で半透明の体で薄いピンク色。
そこに濃いピンクやオレンジ、黒などの点刻がとても美しい。
葉にとまっていると意外と目立つ色だがそれでは敵に見つかってしまう。
この形や色にも何かの役割があるはずである。
これはいったい何に擬態しているのだろうか?
この美しさは幼虫の時だけで、成虫になると普通のカメムシになってしまう。
名前は幼虫の時の体の色から付けられたのだろう。
2011年8月15日 東京都
半翅目 エビイロカメムシ科 エビイロカメムシ CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM/MT-24EX
孵化したよ~!全員集合!! [セミ・カメムシ]
どれもが白い卵の殻を囲んで集まっている。
何?何?みんな何をしているの?
殻を食べるわけでもないだろうに、不思議な光景だ。
卵の殻は艶のある白色で、黒い象形文字のような模様が付いている。
この模様のものは、卵と蓋を繋いでいるもののようだ。
こちらの団体さんは、殻の上に登っている。
オイオイ、君たちいったい何をしているのか教えてョ~!
2011年8月15日 東京都
半翅目 カメムシ科 クサギカメムシ CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM/MT-24EX
日を暮れさせるもの [セミ・カメムシ]
特に暮れゆく中で聞くヒグラシの声には感じるものがあり、個人的に最も好きなセミである。
暗い針葉樹の林などに多く見られる。
樹林内を歩くと、足元の植物や木の低い位置から鳴きながら飛んでい行く。
セミの中でも、比較的低い場所で鳴く種だと思う。
名前の由来を調べると、夕方の日が暮れる頃に鳴く事から昔の人はこのセミを「日を暮れさせるもの」とし、そのまま名前にしたようだ。
ツクツクボウシの鳴き声もボリュームが上がり、いよいよ夏も終わりの時期かと思いながらもこのセミの声をまだまだ聞いていたいと思う。
2011年8月15日 東京都
半翅目 セミ科 ヒグラシ CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM/MT-24EX
冷たい水底のフウセンムシ [セミ・カメムシ]
今日は、予報通り朝から雪が降った。
残念ながら積りはしなかったが、今年初めて白い世界が目の前に広がった。
寒いとついつい水辺から遠ざかってしまう。
こんな冷たい水の中で、生き物たちはどうしているのだろうか?
という事で、先日池の中を覗いてみた。
じっと見ていると、何かが水底で動いている。
一見マツモムシのように見えるが、マツモムシは水面を背泳ぎする。
こいつはちゃんと上向きで、底を泳ぎまわっている。
名前は「コミズムシ」。
フーセンムシといった方が、ピンとくるかもしれない。
この虫をコップに入れて紙切れを沈めると、それに捕まってふわふわと浮き沈みする。
その光景を風船が空で上下する様に見立てて、フーセンムシと呼ばれる虫だ。
こんな寒い冬にでも活動しているとは、ちょっとビックリだ。
2011年2月9日 東京都 雪 CANON EOS40D,SIGMA 17-70mm F2.8-4.5 DC MACRO
2011年2月6日 埼玉県
半翅目 ミズムシ科 コミズムシ CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM
クリオオアブラムシの卵 [セミ・カメムシ]
今日も虫を探して、雑木林や草原をうろうろしたのだがなかなか見つからない。
寒い冬でもしっかり越冬している虫たちがいるはずで、探し方が悪いのだ。
草はらで、コセンダングサの種が風に揺れて綺麗だった。
くっつき虫の代表的な存在で、草むらに分けいればズボンにくっつくいやな奴だがこうして光を受けて輝いているのを見ると、そんな事は一瞬忘れてしまう。
クリの木のくぼみで黒い塊を見つけた。
小さくて最近進んだ老眼では、なんだかよくわからない。
今の時期、木の幹にへばりつく黒いものはヨコズナサシガメの幼虫たちかクリオオアブラムシの卵だ。
レンズを通して見ると、クリオオアブラムシの小豆のような卵だった。
まだ成虫も数匹、卵の周りで頑張っている。
初冬から観察してきた他の場所のクリオオアブラムシは、アブの仲間の幼虫に親も卵も食べられてほとんどがいなくなってしまった。その様子を記事にしようかと思ったが、ちょっと見応えがあるので辞めた次第だ。
ここのは所帯は小さいながらも健在で、ここなら無事に冬を越せそうに思う。
2011年1月4日
キク目 キク科 コセンダングサ 東京都
半翅目 アブラムシ科 クリオオアブラムシ 埼玉県
CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM
翅がかっちょいい!マエグロハネナガウンカ [セミ・カメムシ]
よく見かけるのは、ツマグロオオヨコバイやツマグロヨコバイ、アカハネナガウンカなどだ。
少し前になるが、暗い雑木林で見た事のないウンカを見つけた。
見た目はアカハネナガウンカに似ているが、体の色が異なりさらに翅が長い!
体は薄茶色で、翅の縁が褐色。
帰って調べると、「マエグロハネナガウンカ」という種のようだ。
確かに名前の通り、翅が長く縁が黒っぽいウンカだ。
ウンカと言えば、草はらで植物の汁を吸っているという認識だが、こいつは菌類を食べる(汁を吸う?)らしい。
どうりで雑木林にいるわけだ。
同じ仲間でも、様々な環境に適応して生きているのだなぁと感心した。
何らかの理由で草はらが消失しても、雑木林で生活している種は生き残る。
これも生物多様性なのだろう。
この時持ち合わせていたのは調子の悪いコンデジで、デジイチで撮り直そうと今まで探してきたが見つける事が出来なかった。
今回掲載した写真は、そんなわけで納得がいかないが、撮り直す事が出来たら再度UPしたい!
2010年10月31日 東京都
半翅目 ハネナガウンカ科 マエグロハネナガウンカ RICOH Caplio R7
マツヘリカメムシ [セミ・カメムシ]
お腹の大きなクヌギカメムシのメス [セミ・カメムシ]
クヌギの木を見ていると、樹皮のくぼみに大きなお腹の「クヌギカメムシ」のメスがいた。
顔を近づけると、気配を感じたのかくぼみから出て動き出した。
産卵しているところを見たかったのだが、ずっと幹を這いまわってまったく静止しない。
クヌギカメムシの仲間には、クヌギカメムシ、ヘラクヌギカメムシ、サジクヌギカメムシの3種がいる。
クヌギカメムシはオスメスともに気門が黒色だが、ヘラとサジは気門が体色と同じで、オスは生殖器の先端形状が異なるので判別できるが、メスは判別不可能らしい。
このメスは、気門が黒色だったのでクヌギカメムシに間違いない。
昨年ここで、サジクヌギカメムシのオスを確認している。
30分ほど見ていたが産卵の気配が無いので、その場を後にした。
これからの時期、クヌギやコナラを観察していれば、緑色から赤く変色したメスがひも状の卵を産む場面に出会えるだろう。
2010年11月18日 埼玉県 北本自然観察公園
カメムシ目 クヌギカメムシ科 クヌギカメムシ
CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM/MT-24EX