オオツノトンボ [その他の虫]
丘陵を歩いていると樹上からホトトギスの「東京特許許可局」という声が聞こえてきた。
聞きなしではこう言われるが、みなさんにはどう聞こえるだろう?
ホトトギスは、ウグイスなどに托卵するがまだ今の時期でも産卵するのか?
少し歩くと、今度はウグイスの「ホーホケキョ」というさえずりが頭上から聞こえてきた。
警戒心が薄れているのか、結構近くで鳴いている。
さえずっているという事はまだ、求愛中なのだろうか?
しばらくして、園内を巡回しているレンジャーにお会いした。
情報交換をしていると、オオツノトンボが見られるという。
オオツノトンボは2年前にみたがそれ以来出会っていない。
谷戸をぐるっと回ってその場所に行って見ると、ススキの葉にまだ止まっていた。
すぐそばで草刈り機が大きな音を立てていたが、全く微動だにしない。
羽化したばかりなのだろうか?
この後、ツノトンボを探しに別の谷戸に行ってみたが見つけることは出来なかった。
まだ、ツノトンボはここでは見たことがないのでぜひ今年は撮ってみたい被写体だ。
2012年6月29日 東京都
スズメ目 ウグイス科 ウグイス
脈翅目 ツノトンボ科 オオツノトンボ CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM /MT-24EX
希少種 キバネツノトンボ [その他の虫]
先日、以前の職場の大先輩から「キバネツノトンボが発生しているよ」という連絡をいただいた。
キバネツノトンボは、以前から見たかった種で、残念ながらmyfieldの狭山丘陵には生息していない種である。
トンボと名がついているがトンボとは別種。
アミメカゲロウ目に属しクサカゲロウやウスバカゲロウと同じ仲間で、広い乾燥した草はらに生息する。
近年この種が好む草地が減り、埼玉県では絶滅危惧種1A類、東京都では北多摩でEX=絶滅種とされている希少種だ。
今日は午後から急に天気が崩れるとの予報もあり、急いで出かけた。
現地について、草はらを見渡すとあちこちで草に摑まっている本種を見つけた。
今まで写真でしか見たことがなかったが、想像通り後翅の黄色い色は何と美しい事だろう。
毛むくじゃらの顔にピンと伸びた触覚、透明な前翅、黄色と黒でデザインされた後翅。
ツノトンボという虫は葉の上などでじっとしていてあまり動かないという印象があったのだが、このキバネツノトンボは違った。
昼前に現地で見た時にはみな草にとまっていたのだが、近寄ると一斉に飛び立ちその後は草はらの上をまるでトンボのように飛んでいた。
見ていると特にそれぞれがテリトリーをもっているようにも見えないが、同種が出会うと一瞬もつれ合うかのように飛びすぐに離れていく。
飛びながら捕食しているようで、何かを抱えて飛んでいるなと思ったら間もなく草にとまりむしゃむしゃと食べている個体を見ることができた。
飛翔力はなかなかのもので結構のスピードで飛び、急旋回などもお手の物のようだ。
また見えなくなるくらいに高く舞上がり見失うこともしばしばあった。
体が黒いことから一瞬クマバチかとも思うがそれにしては細長く、トンボにしては寸胴なので存在を知らなければいったい何が飛んでいるのかと思うだろう。
そんな中でもこの後翅の黒と黄色のデザインは素晴らしい!
前翅は透明なのに、なぜ後翅は色がついているのだろうか?
生きものの姿かたちには、そうなった何かしらの理由があるはずだと思うのだが・・・・。
この形や色に進化した理由は何なのか?自然界の不思議!
ちなみに狭山丘陵で見られるのは、ツノトンボとオオツノトンボの2種だ。
情報をくださったAさん、ありがとうございました。
2012年5月17日 埼玉県
脈翅目 ツノトンボ科 キバネツノトンボ
CANON EOS40D,EF70-200mm F2.8L IS USM/EF1.4×Ⅱ、CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM /MT-24EX
真冬の蛍? [その他の虫]
午前中は昨日ほどではないが風が強かったが、午後からはおさまり日差しが暖かかった。
昼から買い物に行ったついでに、谷戸のフユシャクSPOT シデの木と柵を見に立ち寄った。
しかし、今日は残念ながら一頭もいない。
谷戸をぐるりと回って戻ってきたら、この木を見ているTさんがいた。
今日はいませんねぇなどと話をしていたらTさんがかなり上の枝に「チャバネフユエダシャク」のメスを見つけてくれた。ゴミかもと言っていたが撮影したモニターを拡大したら間違いなかった。
湿地脇の林縁でササの上を飛ぶ黒っぽい虫を見つけた。
この時期に、この環境で飛んでいるものといえばあの虫。
真冬の蛍 「ホタルトビケラ」。
蛍とは全く関係がないが、頭と翅が黒く胸が赤いので蛍に似ているトビケラということでこの名がある。
ホタルガと同じ命名だ。
幼虫時代は砂や砂利の蓑をまとい水中で生活し、陸上で蛹化し秋から初冬に現れる。
ササの葉をしきりになめていたのは、水分を補給していたのか?それとも付着していた何かを舐めていたのだろうか?
翅の色が薄いので、同じ科に属する別種か調べてみた。
似たものにトビイロトビケラなどがいるが、足も黒いのでホタルトビケラでよいのではという結論。
この仲間もなかなか難しい・・・。
一枚目の写真でフユシャクはどこ?とのご意見をいただきましたのでUPの写真を載せておきます。
2012年1月3日 東京都
トビケラ目 エグリトビケラ科 ホタルトビケラ CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM
今年は多い?ハラビロカマキリ [その他の虫]
このところのfieldでの写真がないので少し前のもの。
今年の夏も谷戸の一角では、ウバユリの群生が見られた。
秋にはみな種になり、今年はどれくらい林立しているかのかが毎年一つの楽しみになっている。
今年は、昨年並みだと思うのだが。
個人的にはそうは思はないが、今年はハラビロカマキリが多いと皆が言う。
ということはやはり個体数が多いのだろう。
10m近いヌルデの枝先にその「ハラビロカマキリ」がいた。
こんなに高いところにまで登ってきたのは、ここに餌となる虫たちがやってくるのだろう。
近くの梅の枝には、今年産んだ卵梢があった。
おそらく昆虫に興味のない人には見つからないであろうと思われる枝と同化した見事な擬態だ。
見られる虫が少なくなっていく中、このカマキリは12月に入っても見られる虫の一種だ。
2011年11月7日 東京都
蟷螂目 カマキリ科 ハラビロカマキリ
CANON EOS40D,EF70-200mm F2.8L IS USM/EF1.4×Ⅱ
CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM /MT-24EX
どちらもそれでいいの? オオカマキリ [その他の虫]
十五夜も終わりいよいよ秋と思いきやまだ残暑が続いている。
来週からは涼しくなるとの予報。そう願いたい。
丘陵では、ススキやエノコログサなどすっかり秋景色。
草はらのあちこちでカマキリの姿が目に付く。
今年初めて見る「コカマキリ」。
足元の草はらに飛んできて見事に着地し葉の裏に隠れた。
鎌の裏側の紫いろの斑が目印。
草の陰から「オオカマキリ」がこちらを見ていた。
よく見ると下にも顔が二つ、心霊写真か?何?
横に回ってみると、何とメスのカマキリにオス2頭が掴まっていたのだった。
ほぼ同じ大きさのオスが同じ位置にいるのが面白く滑稽だ。
オスたちは何故このメスをめぐって争わないのだろうか?
また、メスは2頭を背中にのっけて気にならないのだろうか?
今まで何度もカマキリを見ているが、こんな面白い光景は初めてだ。
メスは産卵間近なるとオスを食べてしまう事があるが、このオスたちもメスの餌食になってしまうのかもしれない。
2011年9月15日 東京都
蟷螂目 カマキリ科 コカマキリ、オオカマキリ CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM /MT-24EX
頭に角 ナナフシモドキのメス [その他の虫]
久しぶりに訪れた湿地では、「チダケサシ」が見ごろを迎えていた。
毎年タイミングを逃しここに来た時には、まだつぼみだったりすでに花期が終わっていたりとタイミングが悪かったが、今年はドンピシャだった。
茎に葉が少なく、食用となる乳茸(チチダケ)というキノコを刺して持ち帰った事からこの名がついたという。
東京都では絶滅危惧1B類に指定されている希少種。
少し歩いた葉の上で「ナナフシモドキ」を見つけた。
木の枝にいればなかなか見つけられないが、この葉の上では得意の擬態も十分発揮出来ていない。
葉の葉脈にしてはちょっと不自然だ。しいて言えば葉の上に落ちた枯れ枝ってところだろう。
翅のないナナフシにはこのナナフシモドキとエダナナフシの2種類がいるが、ナナフシモドキは触角が短ので見分けられる。上の写真で触角のように見えるのは前脚で、触角は前脚の間にあるのでよく見ないとわかりづらい。
顔をアップで見ると目の上に1対の小さな角がある。
メスにはこの角がありオスにはない。
といっても自然界ではオスはほとんど見つかっておらず、過去に7例、一番新しいもので2009年に愛媛県で見つかりニュースになった。
昆虫写真家 新開孝さんのブログ「ひむか昆虫記」
http://www.shinkai.info/himuka_blog/2009/08/post-250.html
ナナフシモドキは、メスのみの単為生殖で増えるという何とも不思議な虫なのだ。
当初、過去6例、一番新しいもので2006年に岡山県と記したがその後愛媛県でも確認されていたので訂正した。
2011年7月14日 埼玉県
バラ目 ユキノシタ科 チダケサシ
竹節虫目 ナナフシ科 ナナフシモドキ
CANON EOS40D,EF70-200mm F2.8L IS USM/EF1.4×Ⅱ
CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM/MT-24EX (3.4枚目)
アズチグモ [その他の虫]
オカトラノオの真っ白な花が咲いていた。
根元の方から咲き始めだんだん先へと咲いていく。
今は真ん中あたりなので、もう少し花を楽しめそうだ。
この日は、いつも見られるヒョウモンの仲間などのチョウたちは見当たらず、アブやハナムグリだけしかいない。
シマアシブトハナアブが奇妙なとまり方をしていたので良く見るとクモに捕えられていた。
真っ白な花の中に真っ白なクモ、「アズチグモ」。
この色で待ち伏せされていると、花を訪れた虫たちは気付かない。
凄い擬態だ。
このアブもまさか敵が潜んでいようとは思いもよらなかっただろう。
少しの油断が死に繋がる、自然の中で生きるのは厳しい。
頭の三角形で褐色の班が特徴で、この個体はお尻にも褐色の模様があるなぁと思っていたら模様が動いた。
模様ではなく、このクモのオスだった。
クモの中には、メスに比べてオスがとても小さい種がいる。
夏から秋によく見られるジョロウグモも巣の中にいる大きいのはメスで、よく探すととても小さなオスがメスから離れてたところにいるのが見られる。
このオスも近付き過ぎるとメスに食べられてしまう。
オスはメスに寄り添うのも命がけだ。
2011年7月14日 東京都
真正クモ目 カニグモ科 アズチグモ
双翅目 ハナアブ科 シマアシブトハナアブ CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM/MT-24EX
虫が増えれば狩るものも [その他の虫]
歩いていると色んな虫たちが目に入り、牛歩の観察。
思うように進まないがまぁいいか!
国会の牛歩は腹立たしいが、見るものがたくさんあるのはこの上もなく楽しいのだ!
様々な虫たちが姿を見せる中で、捕食者たちの姿も多く見かけるようになった。
その代表がクモ。
林縁で見つけたのは、巣の中央に白いXの文字が浮かび上がるコガネグモの仲間。
腹の模様から「チュウガタコガネグモ」。
丘陵でたまに見かけるが、ご本家コガネグモはまだ見た事がない。コガネグモは東京都のレッドリストで準絶滅危惧種(NT)に指定されている。
湿地周りのオオジシバリの蕾の上で、ハエトリグモの仲間が獲物を待ち構えていた。
黒い体に褐色のお尻。
近づくとクルッとこちらを向いて大きな瞳で見つめてくれたのは「マミジロハエトリ」だった。
この花にはたくさんのハチたちが花粉を集めに訪れていたが、蕾の上ではちょっと厳しいのでは・・・。
また林縁を歩いていると、たくさんのハチたちが狩の獲物を探して葉の上を飛び回っていた。
そんな中で、葉の上に変な体勢でとまっているハチを目にした。
ようく見るととまっているのではなく、クモに捕まっていたのだった。
葉の上を低空飛行していて捕まったのだろうか?
捕食者は「ヤミイロカニグモ」のメス。闇に紛れて襲うのだろうか?名前からして恐ろしげだ。
捕まったハチはピクリとも動かず、クモの牙がざっくりと硬そうな胸を貫いていた。
上には上がいるものだ。
2011年5月26日 東京都
真正クモ目 コガネグモ科 チュウガタコガネグモ
ハエトリグモ科 マミジロハエトリ
カニグモ科 ヤミイロカニグモ CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM/MT-24EX
オナガグモ? [その他の虫]
今年も谷戸の木柵を見て歩いているが、例年になく虫が少ない。
いつもならフユシャクのメスなど色々見られるのだが、今年は姿が無い。
そんな中、黄緑色の細長いものがいた。
この大きさで今の時期細長いものといえば・・・・・。
オナガグモに違いない・・・・?
肉眼では詳細が見えないのでマクロレンズを通して見たが、オナガグモの顔ってこんなんだっけ?
まだ幼体なのかもしれないが、確信はない。
ひょっとしてアシナガグモの仲間なのか?
このところベニシジミの幼虫探しにはまっている。
この日見つけたのは、綺麗なピンク色をした個体だった。
先日は、緑のギシギシに葉と同じ色をした幼虫だったが、この個体はきれいなピンク色をしていた。
葉の色が、赤っぽいので幼虫もこんな色だろうか?
自分のいる葉の色と体の色が似ているのは、自らそれを感じて色を変えているのか不思議に思うところである。
2011年2月3日 東京都
真正クモ目 ヒメグモ科 オナガグモ?
鱗翅目 シジミチョウ科 ベニシジミ CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM
カマキリの卵鞘 [その他の虫]
このところ、更新が滞りがち。
元来、毎日更新、出来なければその月の日数に最終帳尻合わせという事だったのだが、思うように更新できなくなってしまった。
出来ない事はしょうがないが、出来るだけ更新するつもりなので今年もよろしくお付き合いを願いたい。
実生のコナラを育てている一角で、何かいないかと探していて目にとまったのは「オオカマキリ」の卵鞘だった。
カマキリにも数種いるが、種によってそれぞれ産卵場所が異なる。
オオカマキリは草原性と思っているのだが、低木の枝にもその卵鞘を見る事が出来る。
カマキリの卵はその昔、卵嚢(らんのう)と呼ばれていたが、最近は卵鞘(らんしょう)と呼ばれるようだ。
外敵や寒さから卵を守るために、スポンジのようなものに包まれていて、この中に数百の卵が入っている。
すぐ近くの枝には、また違った卵鞘が見つかった。
白と茶褐色の模様は、「ハラビロカマキリ」のもの。
樹上性のカマキリで、木の枝・幹や建造物の壁などに産みつけられる。
丘陵で見られる種にコカマキリがいるが、今日はその卵鞘を見つける事は出来なかった。
このカマキリは、看板の角や建物の縁などに産卵する。
過去に紹介した記事はこちら。
生き物を探して歩いていると、南向きの畦にたくさんの「ホトケノザ」が綺麗な色の花を咲かせていた。
周りにはナズナやタンポポなどの花も見られた。
少しずつだが日が長くなった感があり、これらの花を見ると春ももうそこまで来ているなぁとワクワクさせられる。
もう少しの辛抱だ!
2011年1月15日 埼玉県
蟷螂目 カマキリ科 オオカマキリ卵鞘
ハラビロカマキリ卵鞘
シソ目 シソ科 ホトケノザ CANON EOS50D,EF-S60mm F2.8L マクロ USM