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キバネツノトンボの季節 [その他の虫]

年に1回だけ短い間に現れる虫も数多い。
そんな中でも、個人的に毎年見たい種というのがいくつかいる。
その1種が「キバネツノトンボ」だ。
クサカゲロウなどと同じアミメカゲロウ目に属し、後翅の黄色と黒が美しい虫である。

昨日、飛んでるよ~という連絡をいただき、もうそんな時期かと自宅から1時間半ほどのプチ遠征、
今日さっそく見に行ってきた。
現地に着くと暖かいが、凄い強風が吹いていて厳しい状況。
しかしそんな心配をよそに、強風をものともせず、たくさんのキバネツノトンボが草はらの上を飛びかっていた。
スゴイ飛翔能力だ。
少し待つと、いったん草にとまって休憩するものも多く見られた。
近寄るとすぐに飛んでしまうが、数がいるので中には鈍感?な個体もいた。
キバネツノトンボ0508_1.JPG


















毛深い顔にレースのような透明な前翅と足と後翅の黄色と黒の美しさ。先端が丸いピンと立った触角も印象的で何回見ても飽きることがない。
キバネツノトンボ0508-2_1.JPG



























とまっている時はふつう翅を閉じているが、止まってすぐや仲間が近寄ってきた時、強風にあおられてバランスをとる時などには翅を開いているようだ。
連絡をいただいた方から交尾もしているよと聞いていたので、探して見たが残念ながら見つけることは出来なかった。
次回の楽しみとして持ち越しだ。
キバネツノトンボ0508-1_1.JPG


















2014年5月8日 埼玉県
アミメカゲロウ目ツノトンボ科 キバネツノトンボ  
CANON EOS70D,EF100mm F2.8L IS USM 、CANON EOS50D EF70-200 f2.8 L IS USM/EXTENER EF 1.4×Ⅱ


無事に! [その他の虫]

時折訪れる丘陵の端のトイレ。
夜の間、ずっと明かりがついているので、様々な虫たちが集まるスポットだ。
今の時期、ヤママユの仲間を探しに来てみたら壁で「オオカマキリ」が産卵していた。
オオカマキリ1028_1.JPG


















産卵シーンを見るのは久しぶりで、じっくり観察と思ってみたら何やら様子がおかしい。
通常、お尻から白い泡を出しながらその中に卵を産んでいくが、少しの間見ていても全く動かない。
オオカマキリ1028-1_1.JPG


















よく見ると鎌や頭から首の部分の色が黒ずんでいて翅の色も褪せている。
どうやら卵を産み終える寸前、あと少しというところで力尽きて死んでしまったようだ。
このメスカマキリにとってはさぞかし心残りだったであろう。
さて、果たしてこの卵は来年孵化するのだろうか?
この状態までしっかり生んでいるので、無事に生まれる事を願うばかりだ。
オオカマキリ1028-2_1.JPG


















2013年10月28日 東京都
蟷螂目カマキリ科 オオカマキリ     CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM /MT-24EX


オオカマキリVSジョロウグモ [その他の虫]

ここ数日晴れ間が続いているが、すこし前の雨のお蔭かあちこちにキノコが顔を出していた。

きのこ1012_1.JPG


















ツバキの低木を何気に眺めていたら、緊張感あふれるシーンが目に入ってきた。
オオカマキリがジョロウグモを狙っていたのだ。
オオカマキリVSジョロウグモ、どちらが勝つのか、見る方は興味津々だが当事者たちは命をかけた戦いだ。
いったいどちらが勝つのかとずっと眺めていたのだが、襲うカマキリに無防備なジョロウグモ。
勝敗は攻めのオオカマキリに軍配か?
オオカマキリ1012_1.JPG


















カマキリにすれば、捕まえたらこっちのもの、ジョロウグモは捕まえられる前に逃げるしかない状況だろう。
そこでカマキリがついに動いた。
ジョロウグモめがけて飛びかかった。
結果はこちら。カマに残ったのは足だけだった。
間一髪、足を犠牲に体は生き延びた。
狩りもなかなかうまくはいかないようだ。
オオカマキリ1012-1_1.JPG


















ここでお会いした蝶散歩さんにクロコノマチョウの幼虫の居場所をご案内いただいた。かなり大きくそろそろ蛹化だろう。
このうさ耳幼虫、久しぶりだった。
毎年幼虫が見られるジュズダマは、今年は株が少なく幼虫を全く見かけない。
どうしたのだろうか?
クロコノマ1012_1.JPG


















2013年10月12日 埼玉
クモ目 ジョロウグモ科 ジョロウグモ
蟷螂目 カマキリ科 オオカマキリ
鱗翅目 タテハチョウ科 クロコノマチョウ   CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM /MT-24EX


ヤマトシリアゲ [その他の虫]

このところよく見かける虫に、ヤマトシリアゲがいる。
シリアゲムシ0918-1_1.JPG


















年に2回発生し、秋に出現する個体はベッコウ色をしていることからベッコウシリアゲとも呼ばれる。
その昔は別種と思われていたようだ。
英名はスコーピオン・フライ、見た目そのままの空飛ぶサソリだ。
オスの尾端は、サソリを彷彿させるような形状をしているが顔は馬面でアンバランス。
シリアゲムシ0918-2_1.JPG


















メスはというと名前にはそぐわない尾端である。
メスだけ見ていれば、この名はつかなかったであろう。
狭山丘陵では多く見られる普通種だが、先月他の地域で調査を行った折、その県ではレッドリストに載る希少種だった。
普段よく見かける種であっても他の地域では希少な存在なこともあるという事もあるのだ。
もっと広い視点で見ていく必要性を感じたのだった。
シリアゲムシ0918_1.JPG


















2013年9月18日 東京都
シリアゲムシ目 シリアゲムシ科 ヤマトシリアゲ CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM /MT-24EX

ハラビロカマキリの悲運 [その他の虫]

朝夕涼しくなるにつれて、見られる虫の数も減ってきたような気がするが、このところfieldを訪れる間が空いてしまって浦島太郎状態だ。
この日はやたらオオカマキリの姿が目に付いた。皆立派な成虫になっていた。
このオオカマキリは、左目に傷があったがこれがまたいかつさを増長させていた。羽を広げてくれればなおさらよかったのだが!なかなかうまくはいかないものだ。
オオカマキリ0918_1.JPG


















ツリフネソウの葉の上で、薄い緑色の美しいカマキリがいた。
これはいったい何カマキリだろうと見ていたが、どうやら羽化してさほど立っていないであろうハラビロカマキリだった。
翅の1対の白斑も光の加減で目立っていなかったから断定できなかったのだ。
いったい何の種かと、近くでまじまじ見ていたら、写真を撮る間もなくさっと下草に落ちてしまった。

落ちた先を目で追うと、ハラビロとは別の何かがさっと動く様子が目にとれた。
何とそこには偶然にもオオカマキリがいて、落ちてきたハラビロを片方の鎌で掴んでいたのだった。
オオカマキリ0918-1_1.JPG


















流石のハラビロカマキリも、オオカマキリの鎌にガッシリと摑まれると全く身動きが取れない。
とにかく一瞬の出来事だったが、これに反応したオオカマキリがすごいとしか言いようがない。
私がハラビロカマキリに気付かなければという自責の念に駆られたが、まぁこれも運命かと妙に自分に言い聞かせ、その責任として最後まで見届けようなどと変な責任感を持ったのだった。
きれいな翅から食べ始め、そのまま腹を。
オオカマキリ0918-2_1.JPG


















あっという間に腹を食いつくし、首から頭へ。
ここから先は、ちょっと・・・・。
同じカマキリの仲間なのにと思いながらも、自然界で生きていく厳しさを目の当たりにした瞬間だった。
オオカマキリは、お腹がパンパンに膨らんだ大きいメスで、今すぐ卵を産んでもおかしくないような状態。
これも無駄にはならない事だとわかっていても、私の行動が引き金になった出来事だけに、何とも複雑だ。
オオカマキリ0918-3_1.JPG


















他の場所では、早くも産み付けられたオオカマキリの卵のうがあった。
データを取っているわけではないが、生きものたちの活動も含めた季節の移ろいが今年は早いように思うのは気のせいだろうか?
オオカマキリ0918-5_1.JPG


















2013年9月18日 東京都
蟷螂目 ハラビロカマキリ、オオカマキリ  CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM /MT-24EX


スズメバチネジレバネ [その他の虫]

先日紹介した昆虫酒場に行ってみた。
今日は、カブトムシは見られずオオスズメバチやモンスズメバチとサトキマダラヒカゲにコメツキムシの仲間がいるだけだった。
オオスズメバチ0815_1.JPG


















この酒場で最も強いのはもちろんオオスズメバチだが、観察しているとサトキマダラヒカゲもなかなかの強者だ。
オオスズメバチの背後から忍び寄りお尻にアタックしたり、寄ってくるオオスズメバチを翅でぶったり、さらには追いかけるものまでいた。
帰って写真を確認していると、おおぉぅ!と思うものが写っていた。
一度見てみたいと思っていた「スズメバチネジレバネ」である。
オオスズメバチ0815-0_1.JPG




















スズメバチネジレバネとは、ネジレバネ目に属する昆虫で、スズメバチの仲間に寄生する。
世界最大、最強のハチに寄生するとは上には上がいるものだ。
幼虫は、スズメバチの体内に寄生し育つ。
オスは翅があり飛ぶが、メスは蛆虫状で翅も足もなく一生をスズメバチの体内で過ごす。
寄生したスズメバチネジレバネは、腹節から頭を出しているので見ればわかるのだ。
写真のオオスズメバチの最下部の腹節に半円のものが見えるが、これがスズメバチネジレバネの頭。
スズメバチの仲間で越冬するのは女王だけなのだが、このスズメバチネジレバネに寄生された働きバチは越冬する。
これは、春を迎えたネジレバネがスズメバチ体内に産卵するためのようだ。
ポプラディア大図鑑WONDA昆虫では、「羽化したオスは長くても4時間ほどしか生きられない」とある。
何ともタイトな人生、いや虫生である。

スズメバチネジレバネについては、イッカク通信発行所で詳しく書かれているのでそちらを参照願いたい。
(勝手にリンクしてすみません)
http://ikkaku2.exblog.jp/3116184
次回見つけたら、是非ネジレバネを取り出してみたいと思う!
オオスズメバチ0815-3_1.JPG




















2013年8月15日 埼玉県
ネジレバネ目 ネジレバネ科 スズメバチネジレバネ  CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM /MT-24EX


キバネツノトンボの季節がやってきた [その他の虫]

昨日、前職場の大先輩からキバネツノトンボが出たよというメールをいただいた。
もうそんな季節、近いうちにと思っていたら今日電話もいただいたので、早速出かけてきた。
こうして連絡をいただけるのは大変ありがたい。
一年ぶりに現地を訪れたが、昨年多く撮影した場所がわからず右往左往。
結局昨年ここにもいたという場所を見つけて探してみた。
偶然に、連絡をいただいた大先輩のAさんと遭遇。お礼を述べて、状況を確認。
キバネツノトンボの発生場所はこんなところ。
キバネツノトンボ0502_1.JPG
















着いたのが昼を回ってしまったのと、かなり風が強かったので飛んでいる個体は一頭もいなかった。
しからばとまっているのを探そうと目線を下げてチェック。
これがなかなか見つからない。
足元から飛び出したのは、今年初見の「ギンイチモンジセセリ」だった。
年に2回発生するが、春型は翅の白線がくっきりしていて美しい。
ギンイチモンジ0502_1.JPG
















ようやく風を避けるように草の根元にとまっている個体を発見。
久しぶりに見たものの、やはり色も形もかっこいい!
キバネツノトンボ0502-3_1.JPG
















風が強くとまっている草が揺れてピント合わせが大変だ。
ただ飛ばされないようにしがみついているので、結構近くまで寄ることができた。
キバネツノトンボ0502-5_1.JPG
















一度体が冷え切ったら直ぐには飛べないのだろう。
この個体は、翅を震わせ体を温めて、少しして飛び去った。
キバネツノトンボ0502-1_1.JPG
















近付いても飛ばない個体がいたので手乗りにチャレンジ!
うまく乗ってくれた。
昨年は5月17日に撮影しているので、今年は発生が早いようだ。
短い間に出現するので、今日を逃せば休みの関係で今年は見られなかったかもしれない。
Aさん、ありがとうございました。
キバネツノトンボ0502-4_1.JPG

















2013年5月2日 埼玉県
アミメカゲロウ目 ツノトンボ科 キバネツノトンボ 
CANON EOS40D EF8-10mm F4LフィッシュアイUSM、EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM /MT-24EX


越冬していたヤマトクロスジヘビトンボの幼虫 [その他の虫]

谷戸から流れ出る湧水脇の朽木をひっくり返してみたところ、何かがそこに潜んでいた。
黒っぽい頭に、泥をかぶったちょっといもむしの質感の体。
側面には短い足のようなものがついている。
ヤマトクロスジヘビトンボ幼虫0228_1_1.JPG
















少し触ってみたところ、頭を持ち上げて大顎を開いて威嚇してきた。
獰猛な性格のこの生きものは、「ヤマトクロスジヘビトンボ」の幼虫である。
ヘビトンボの幼虫は孫太郎虫と呼ばれ、昔から子供の疳の薬として利用されている。
幼虫期を水中で生活し、陸で蛹化して初夏ごろに成虫となって地上に現れる。
以前、この近くで成虫を確認しているので、継続してこの湧水で繁殖しているのだろう。
東京都のレッドデータブックでは、北多摩で準絶滅危惧種に指定されている。
また、この仲間は、環境省水生生物調査のきれいな水の指標生物とされる。
ヤマトクロスジヘビトンボ幼虫0228-1_1_1.JPG
















ヘビトンボの仲間は、ヘビトンボ、ヤマトクロスジヘビトンボ、タイリククロスジヘビトンボの3種がいるが、それぞれの幼虫の特徴は、ヘビトンボの頭は赤く、ヤマトは黒く頭楯(大顎の間)が乳白色、タイリクは頭と頭楯も黒いので区別できる。さらにお尻にある1対の呼吸管がヤマトはくっついており、タイリクは離れている。
この個体は頭楯の色が乳白色、呼吸管がくっついているのでヤマトである。
他の2種がここにいるのかどうか、私は確認していない。
ヤマトクロスジヘビトンボ幼虫0228-2_1_1.JPG
















2013年2月28日 東京都
アミメカゲロウ目 ヤマトクロスジヘビトンボ  CANON EOS50D,EF-S60mm F2.8L マクロ USM/MT-24EX


ツノトンボのオス [その他の虫]

先日、初めてツノトンボを確認したが、オスはあっという間に飛んでしまいじっくり見ることができなかった。
ちょっと悔しいのでリベンジに出かけた。
同じ場所を探してみると、足元からそれらしきものが飛び立った。
早速見つけたかと思ったら、ミヤマアカネのメスだった。
紛らわしい!!と言ったら失礼か。
ミヤマアカネ0911_1.JPG
















少し歩くと、また足元からトンボのようなものが飛び立った。
飛んだ先を確認すると、今度こそツノトンボのオスだった。
独特のカーブを描く触角と腹の先の一対の突起もオスの特徴のようだ。
ツノトンボ0911_1.JPG
















今年は、ツノトンボの成虫も卵も幼虫も見ることができた。
あとは蛹だけだが、これはfieldではちょっと難しいだろう。
ツノトンボ1-0911_1.JPG
















2012年9月11日 東京都
脈翅目 ツノトンボ科 ツノトンボ
CANON EOS40D,Tokina AT-X107 DX Fisheye /Kenko 1.4×TELEPLUS/MT-24EX
CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM /430EXⅡ


ようやく出会えたツノトンボ [その他の虫]

丘陵の谷戸に、あるバッタを探しに出かけた。
私の知る限りこの谷戸でしか見られない種だが、今日は残念ながら見つけることができなかった。
今年は他のバッタの仲間も少なく、全く手入れがされずに草丈が高くなっているのが気になった。

この谷戸では、以前にツノトンボの幼虫の孵化を確認して以来、成虫をずっと探してきたがこれまで一度も見つけられずにいた。
今日バッタを探して歩いていると、足元からトンボが飛び立った。
飛び方に違和感を覚えたので、着地した場所を見るとそこにいたのは「ツノトンボ」だった。
足掛け5年になるだろうか、ようやくここで見ることができたのは感動である。
ツノトンボ0905_1.JPG
















先端が丸くピンと伸びた触覚はまさにツノトンボの象徴。
体の色は地味だが、背中の黄色いラインが美しい。
これは、写真のようにイネ科の植物の葉の色に似せていると思われる。
お腹が膨らんでいるのはたくさんの卵を持っているからだろう。
まだこれから産卵をするようだ。
ツノトンボ1-0905_1.JPG

















そのすぐそばからもう一頭が飛び立った。
こちらもツノトンボのようだがお腹の膨らみがなく尾の先端に突起があるのでオスのようだ。
ツノトンボ2-0905_1.JPG
















あたりを見ると、ハルジオンの枯れた茎で孵化した幼虫を見つけた。
皆茎に整列してとまっている。
すぐ下には卵の殻があり、遠目に見ると植物に花が咲いているようにも見える。
これも彼らが敵から身を守る戦略なのだろうか?
ツノトンボ幼虫2-0905_1.JPG
















皆下向きに並んでいる。
近づくと大顎を広げて威嚇しているように思えた。
ツノトンボ幼虫-0905_1.JPG
















こんな状態のものがあちこちで見られ、今が孵化時期のピークのように思われた。
ツノトンボ幼虫1-0905_1.JPG
















あたりを探してみると、まだ孵化していない卵が見つかった。
ほぼ同じ大きさで整列している小さな楕円のその形は、とても美しい自然美だ。
これで丘陵で見られるオオツノトンボ、丘陵にはいないキバネツノトンボとこの仲間3種をすべて見ることができた。
ツノトンボ卵-0905_1.JPG
























2012年9月5日 東京都
脈翅目 ツノトンボ科 ツノトンボ 

CANON EOS40D,Tokina AT-X107 DX Fisheye /MT-24EX
CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM /MT-24EX


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