ヤマアカガエルがやってきた [両生類・爬虫類]
昨日の春一番がもたらした暖かさと夜に降った雨のお蔭で、谷戸の湿地ではアカガエルたちの宴が開かれたに違いない。
一転して今日は強い北風が一日吹き荒れ、気温もぐっと下がったが、その現場を夜回りした。
風が冷たく手が痛くなるほどで、当然のことながら鳴き声は聞かれない。
2月に2つの卵塊が見られた湿地には、一面数えきれないほどの卵、卵、卵。
水面に出ているものはいないが、水底にじっとしているカップルがいた。
目の上からお尻に伸びる線が鼓膜のところで曲がっているのでヤマアカガエル。
メスに比べて濃い体色のオスだ。
少しの間じっと息を潜めたが、産卵をする気配はなく、そのうちこちらの方へ泳いできた。
さらに粘ったが産卵は見られず、ここではこのカップルのみだった。
卵塊の上に一頭のメスがすっかりぺちゃんこになったお腹を向けて横たわっていた。
無事産卵は終えたものの、力尽きてしまったのだろうか。
毎年、宴の後にはこうした亡骸があちこちで見られる。
次に丘陵の南側、北風が遮られる谷戸を見に行った。
風はさほど感じないが、何せ気温は低くここでも鳴き声は聞かれない。
湿地を見渡すが卵塊はまばらで、水底にメスと小さなオスとのカップル。
これもヤマアカガエルだ。
息をひそめて待ったが、少し鳴き声が聞かれたが合唱には至らず。
小さな若いオスがひょっこり水面に顔を出しただけだった。
この夜は、4つの谷戸の湿地と池を回ったが、3つの谷戸すべてヤマアカガエル。
昨年もっとも早くにたくさんの卵塊が見られた谷戸の池では、カエルも卵塊も見られなかった。
卵塊の数は全体ではまだまだ。
次に暖かい雨が降れば、ヤマアカガエルに加えてニホンアカガエルも押し寄せさらに賑やかな宴が開かれるに違いない。
その時を楽しみに待とう!
2013年3月2日 東京都、埼玉県
無尾目 アカガエル科 ヤマアカガエル EOS40D,EF70-200mm F2.8L IS USM/EF1.4×Ⅱ/430EXⅡ
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