森の魔王 スズメバチ [ハチ・ハエ・アリ]
近頃、昆虫酒場や林縁の花の周りが騒がしい。
ブーンという大きな羽音があちこちから聞こえる。
スズメバチである。
毎年この蜂に刺されて亡くなる人の数は数十人と熊や毒蛇などよりも多くなっている。
身近にいる中では、最も攻撃的で危険な生物である。
ミツバチは一度刺すと死んでしまうが、スズメバチは何度でも刺すことができ、さらに毒液を飛ばす。
何とも恐ろしい・・・・。まさに魔王である。
秋は巣が最も大きくなり蜂の数も増えるため活動するハチと出くわす機会が多くなる。
里山ではクヌギ・コナラなどの昆虫酒場はスズメバチが独占し、花や草むらでも盛んに餌を探している。
よく見られるのは主に以下である。
「オオスズメバチ」。
大きな複眼に横に張り出した頭。胸部は黒く小楯板(胸と腹の間)の紋
が黄色。体長は30~40mmで女王は50mmにもなる最大のハチ。
最近TVでよくスズメバチハンターが紹介されていてご存知の方も多いと思うが地中や木のうろなどに多層の巣をつくる。
攻撃性、毒共に最も強い。
「コガタスズメバチ」
胸部は黒く、小楯板は赤褐色で腹部上端は赤い。
体長は23~30mm。
平野部から低山部にかけて見られ木の枝に巣を作ることが多い。
攻撃性は強くは無いが、低木などにある巣を知らずに近づいたり
触ったりして刺されるケースが多いようだ。
「キイロスズメバチ」
全体に黄色い産毛で覆われ、腹の黒の縞模様の面積が小さい。
体長は17~25mm程度で小型である。
巣は木の洞や軒下、天井裏などに最大級の巣を作る。
最近ではコガタスズメバチと共に都市部に進出し問題となっている。
攻撃性は強い。
「ヒメスズメバチ」
腹部上端は赤く、末端が黒いので見分けやすい。
オオスズメバチに次ぐ大型種だが攻撃性や毒性は弱い。
屋根裏や物置、地中などに営巣し、都市部にも進出している。
主にアシナガ蜂の巣を襲い幼虫や蛹の体液で自らの幼虫を育てる。
スズメバチ対策として ①白っぽい服装、帽子を着用する。(黒系統は攻撃目標とされる)
②香水・整髪料など匂いのするものはつけない。
③手で追っ払わず姿勢を低くかがんで逃げる。
④山や草むらに入る時は、進む先に巣が無いか注意をはらう。
この時期Fieldでは必ずと言っていいほど出会ってしまう。’ブーン’と羽音がしたら”要注意”である。
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