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ススキに潜むものたち [その他]

夏がきた。
青い空にススキの葉が今年もこの季節を実感させてくれる!
毎年汗を垂らしながら、ススキの葉裏を捜し歩く日が幾日かあるからだ。
ちょっと探してみると、小さいながらも見つけることができた「オオトリノフンダマシ」のメス。
少し離れたところにオスが2匹いたのだがなにせ小さくてうまく撮れなかった。
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こちらは今までに見たことのないおしゃれないでたちのクモ。
ハエトリグモの仲間の「ヤハズハエトリ」のオスだ。
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こいつもススキやオギなどのイネ科の葉を生活の場としている。
お尻の模様が矢筈状なのでこの名があるようだ。
スタイルと言いデザイン、色どれをとっても私好みでカッコイイ!
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2012年7月17日 東京都
真正クモ目 ナゲナワグモ科 オオトリノフンダマシ
        ハエトリグモ科 ヤハズハエトリ     CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM /MT-24EX

1000の記事 [その他]

このblogを始めたのが2007年10月だった。
趣味のバイクのツーレポ的な内容から始まったのだが、しばらくしてバイクで訪れた東京の里山で心が揺さぶられた。
近くにこんな素晴らしい自然が残っている。
そこが狭山丘陵だった。

丘陵を歩いている途中、寒い中でもいろんな生きものに出会い、特に昔から好きだった虫たちとの出会いは、あの懐かしい少年時代にタイムトリップさせてくれ、ここからblogの内容が変わったように思う。

環境破壊や温暖化などの影響もあり、生息地を失い多くの生き物が姿を消していく中で、ここにはまだまだ昔の自然が残されていて、都会やその近郊でもなかなかお目にかかれない虫たちがたくさんいる。
歩けば歩くほどさまざまな生き物と出会い、新たな発見がある。
この豊かさを少しでも多くの方々に伝え、自然に目を向けてもらえればとの思いで記事にしてきた。
元来文章は苦手なので、写真でそれを伝えられればと。

いつの間にかそれが積み重なって4年、気が付けばこの記事で1000。
個人的には感慨深いものがある。
これがきっかけでそれまで続けてきた仕事を辞め、今は自然にかかわる仕事をしている。
ある意味第2の人生の足跡といえるかもしれない。

もちろんこれまで続けてこれたのは、ここを訪れていただいた方々、コメントをいただいた、またこのblogを通じてfieldで知り会えた方々のお蔭だと思う。
改めて御礼を申し上げたい。

妙にまじめな内容になってしまったが、まぁめったにないので勘弁願いたし。
これからも稚拙なblogではあるが、お時間があればのぞいていただきお付き合いいただければ幸いである。

アカハネナガウンカ
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トウキョウサンショウウオ
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最強のセミ図鑑 [その他]

個人的最強図鑑シリーズ第2段。

今度は日本に生息する35種1亜種のセミ全種を掲載した「日本産セミ科図鑑」だ。
セミという虫は、成虫は樹上、幼虫は土中にいるうえ卵から成虫になるまでに数年という長い年月を要するためその生態の解明は虫の中でも遅れているように思われた。
さらに地域による変異・個体差も大きくそれらを紹介する図鑑も少ない。
例えば、ミンミンゼミで体色の黒色部を欠く変種がおりミカドミンミンと呼ばれたり、石川県に生息するクマゼミと別種のスジアカクマゼミの記載などもあり大変興味深い。
セミ全種の鳴き声CDも付いて4600円とフルカラーの図鑑としては求めやすい価格だと思う。
そろそろセミの声も少なくなり、秋の鳴く虫にバトンタッチしてきた感があるが夏を振り返るには絶好の1冊ではないだろうか。
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安価で最強の直翅目図鑑 [その他]

バッタやコオロギにキリギリスなどの直翅目の昆虫については、充実した図鑑といえば日本直翅類学会監修、北海道大学出版会発行の「バッタ・コオロギ・キリギリス大図鑑」という高価なものしかなかった。
近年キリギリスが東と西で分けられたり、ヤブキリもその鳴き声と生息場所で細分化され、樹上生活をしているササキリモドキ類について記載のある図鑑は上述のものくらいだろう。
そんな中、バッタ・コオロギ・キリギリス大図鑑をベースにした「バッタ・コオロギ・キリギリス生態図鑑」が8月に発刊された。持ち歩けるコンパクトサイズで、様々な種の生態写真がふんだんに盛り込まれ、鳴き声のCDも付いてなんと2600円という手ごろなお値段。
早速購入して同定に利用している。
直翅類に興味のある方には、喉から手が出る一冊である。
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夏だ ススキだ トリフンだ! 2011 [その他]

折角の休みだったが、残念ながら朝からの雨。
このところ降っていなかったので草花たちには恵みの雨だったに違いない。

今日は溜まりに溜まった写真の整理で一日潰してしまった。
ずっと気にはなっていたのだが、なかなか出来ずにいる間にパソコンが写真を保存している外付けHDDを認識しない事が度々あり、不安が募っていたのでいい機会だった。
とりあえず写真を整理し、別のHDDにバックアップしたので一安心。

ところで夏と言えば、ススキに鎮座するトリフンの季節。
と言っても今年はほとんど見て回る機会がなく、先日ようやく見つける事が出来た「オオトリノフンダマシ」。
夏を印象付ける青空バックの写真が撮れなかったのが、ちと残念だ。
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これはかなり大きいメスだった。
いつ見てもこの目玉模様は芸術的で素晴らしいデザインだと感心する。
これも敵を威嚇するためのものなのだろうか?
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少し離れたところに、小さな個体がいたのでオスかと思い撮影しておいたがよく見ると「トリノフンダマシ」のメスだった。
どの種もそうだが一年ぶりに見ると何が何だかわからなくなっているところは、寂しいかな年のせいだろうか?
これらを見つけた大きなススキの株にはさらにシロオビトリノフンダマシのメスも見つかったが、撮影出来る場所ではなく残念ながら諦めた。
3種が一つの株で見られるというのはとてもありがたく嬉しい事だが、そう思う者はそうそういないのだろうなぁ。
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2011年8月15日 東京都
 真正クモ目 ナゲナワグモ科 オオトリノフンダマシ、トリノフンダマシ  CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM /MT-24EX


でんきを消して1000000人のスローナイト [その他]

今日は、暦の上では夏至。
それにふさわしいのか?今年一番の夏日だった。

丘陵でお会いした方々から、今日夏至だと教えていただいた。
さらに車のFMラジオから流れてきたパーソナリティーの話から、「でんきを消して1000000人のスローナイト」だとも。
例年、夏至と冬至の夜8時から10時までの2時間、みんなで一斉にでんきを消しましょう!というイベント。
その意味には様々なものがあるが、今年は震災でさらに考えさせられる。

この夜、僕はいつもロウソクの明かりで過ごす。
洒落たものはなく、お墓参りの亀山ローソクが唯一の出番である。
今年は例年使っていた香炉が、震災で棚から落ちて割れてしまいロウソク受けでの点灯だ。

皆さんも是非、
’ゆるやかにつながって「くらやみのウェーブ」を地球上にひろげていきませんか’。

でんきを消して、スローな夜を。


春の兆し アメザリも! [その他]

谷戸の湿地で、アカガエルの卵を探していたら水底を動く赤い物体が。
暖かさで目覚めて穴から出てきた「アメリカザリガニ」だった。
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このザリガニ、子供の頃から身近にいて釣ったり、ウナギ釣りの餌として捕まえたりと親しみのある存在だ。
近所でザリガニといえば、これしかいなかったのだからしょうがない。
丘陵でも、夏には子供たちがタコ糸の先にスルメを付けてザリガニ釣りを楽しんでいる。

しか~し、この生き物の事を皆さんはどれだけ知っているだろうか?
こういう私も、詳しく知ったのはつい最近だ。

アメリカザリガニは、昭和初期1927年に食用であるウシガエル(特定外来生物)の餌として名前の通り北アメリカから神奈川県に持ち込まれ、それが逃げて日本全土に広まってしまったのだ。
今では外来生物法で、要注意外来生物に指定されている。

高水温、低酸素、汚濁にも強く、繁殖力も旺盛で競合種もいない。
雑食性で、水草、水生昆虫、動物の死骸など何でも食べ、この種が入り込んだ水域では水草などがほぼ絶滅し、生態系に与える影響は深刻である。
しかしこれだけ日本全国に定着し、ペットや学校教材として利用されている現状では駆除は難しいだろう。

かつて北日本に生息していた日本在来種のニホンザリガニは、アメリカザリガニやウチダザリガニ(アメリカ産外来種)の影響も含め、今や北海道、東北3県に生息するのみで環境省レッドリストの絶滅危惧Ⅱ類に指定されている。

幼い頃から親しんできたアメリカザリガニが生態系に与える影響を知って、今後どう付き合っていけばよいか悩ましい問題である。

茨城県では、イセエビよりうまいと食用として売られ食べられている。
食べた事がないからわからないが、まぁこれもありだろう!
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2011年2月19日 東京都
 十脚目(エビ目) アメリカザリガニ科 アメリカザリガニ   CANON EOS40D,EF70-200mm F2.8L IS USM/EF1.4×Ⅱ


恐るべし!昆虫病原糸状菌 [その他]

昨日、久しぶりに昆虫酒場を覗いてみた。
夏の間、スズメバチやチョウ、カブト、クワガタたちが集まり賑やかだったその場所も、今は羽音さえも聞かれず静まり返っていた。

ふと足元を見ると、コクワガタの立派なオスがいたが様子がおかしい。
良く見ると体のあちこちに白いものが付着し、息絶えていた。
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このコクワガタ、寿命で死んだのではない。
体に付着している白いものは「昆虫病原糸状菌」で、この菌によって死んだのだ。
昆虫病原糸状菌とは、昆虫に感染して病気を引き起こす糸状菌の総称。
これらの菌は、昆虫の体に取り付いてカビ状の菌糸を作る、いわゆるカビ病とも言われる。
その菌の中でも、体から水分を奪って殺し、体を硬化させるものをきょう病菌と呼び、感染した昆虫は乾燥してミイラ化する。
菌糸から出る分生子の色で様々な病名が付けられており、このコクワガタの場合は白い分生子なので「白きょう病」と呼ばれる。
この原因となる菌は、ボーべリア菌で白や黄色の分生子を作る。
同じ原因菌でも分生子の色が白い場合は白きょう病、黄色い場合は黄きょう病と病名が変わるからややこしい。
また分生子が緑色の緑きょう病などは、異なる原因菌による場合もある。
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そういえば夏にもカミキリムシが、同じように白きょう病で死んでいた。
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この昆虫病原糸状菌は過去に養蚕業などに被害を与えていたが、近年は果樹に被害をもたらすカミキリムシなどに対する生物農薬として使用され、研究もすすめられているらしい。

草原で草のてっぺんにとまって死んでいるバッタをたまに見かけるが、これも昆虫病原糸状菌の「エントモファガ・グリリ(Entomophaga grylli)」のしわざらしい。

昆虫の敵は、他の虫、鳥、爬虫類などの外敵の捕食に加えてこういった病気がある事を考えれば、自然の中で生き抜くのがいかに厳しいかを思わずにはいられない。

2010年10月26日 東京都
2010年7月31日  東京都
 白きょう病 ボーべりア菌(Beauveria bassiana) 
CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM/MT-24EX


ブログ お休み [その他]

明日から少しの間、更新をお休みいたします。
ご訪問いただいた方、申し訳ありません。
よろしくお願いします。

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シロキクラゲ [その他]

今日は、いきものふれあいの里センターに雑木林の菌類展を見に行って来た。
家から歩いて1時間弱、雨も降りそうになかったのでぶらぶら散歩。

菌類といえば、落ち葉や倒木を分解したり、植物と共生して多くの植物の生育を助ける役目を果たしている。
そんな菌類の標本などが展示されているが、中でも変形菌の標本は色々な種類があり見ていてとても面白い。標本にしても形や色がほとんど変わらないのが不思議だ。

展示を見た後、雑木林を歩くとたくさんのキノコが目に付いた。
菌類展をやっているからだろう。それぞれのキノコには名前の札が立てられていた。
落ちていた枝に白いものを発見。
キクラゲのようだが白い。今までにキクラゲ、アラゲキクラゲ、タマキクラゲなどは見た事があるがこれは初めてだ。
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なんせ手元に図鑑がないのでnetで調べたが、恐らく「シロキクラゲ」ではなかろうか?
白い花びらのような子実体が美しい!
初めてみたが、珍しいものなのだろうか?
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