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河原の忍者 [バッタ]

埼玉県中部の河原に、旬の虫を探しに行ってきた。
残念ながらお目当ては見つからなかったが、河原に降りてみると足元からさっと飛び立つ虫。
降り立ったところにそっと近づいて探すも、なかなか見つからない。
ちょっとわかり易いが、どこにいるかな?カワラバッタ0930.JPG



















体の色や模様が河原の石にとてもよく似た「カワラバッタ」。
このバッタも今日のお目当ての一つだった。
カワラバッタ0930-3.JPG


















全国の河川中流域の砂礫地の河原で見られ、体の色が石ころそっくりでさらには模様まで見立てているのがすごい!
後ろ脚を体に密着させると、翅の黒い模様と足の模様が合致するところなどは芸が細かい。
近づくと飛ぶのでその存在に気付くが、一瞬目をそらすとどこにいたかわからなくなる。
まさしく河原の忍者、隠れ蓑の術である。
カワラバッタ0930-2.JPG


















近年、砂礫地の河原の減少や自動車などの侵入によって荒らされるなどして全国的にも減少し、多くの都道府県のレッドリストに記載されている。
埼玉県では準絶滅危惧、東京都では区部は絶滅、区部以外は絶滅危惧ⅠA類と高いランクだ。

飛んだ時の後翅の青色がとても美しいが、写真に収めることはできなかった。
また次回の宿題だ。

この日他にも普段見られないバッタたちがいたので、まだ後日紹介しよう!
カワラバッタ0930-4.JPG


















2014年9月30日 埼玉県
バッタ目バッタ科 カワラバッタ  CANON EOS70D,EF100mm F2.8L IS USM/MT-24X /430EXⅡ


コウモリのようにぶら下がるからコウモリガ? [チョウ・ガ]

あるものを探してススキの葉裏を見ていたら、ぶら下がっているものを見つけた。
コウモリガ0929.JPG



























久しぶりに見る「コウモリガ」のオスだった。
コウモリのようにぶら下がる姿から名がつけられたという説があるようだ。
このぶら下がっているガを見て、コウモリという発想はなかなかできないと思うのだが。
だいたいコウモリは頭を下にしてぶら下がっているものが多い。
前の2対の脚は見えるのだが、一番後ろの脚は普段使わないのだろうか?

頑丈な前脚でぶら下がるといわれるが、ちょっと触ったら落ちた。
見た目が頑丈なのか?
コウモリガ0929-1.JPG


















この近くに幹に食害の跡が無数にあるアラカシがある。
今までシロスジカミキリかと思っていたが、コウモリガだったかもしれない。
幼虫は糞を糸で紡いで蓋をするらしいので、今度見てみよう。

手に乗せてみた。
意外と小さかった。
コウモリガ0929-2.JPG


















2014年9月29日 東京都
チョウ目コウモリガ科 コウモリガ  CANON EOS70D,EF100mm F2.8L IS USM/MT-24X /430EXⅡ


弱いのか?強いのか?ヤマトシリアゲ [その他の虫]

林縁でよく見かける「ヤマトシリアゲ」。
特に今年は見る機会が多い。
英名:スコーピオン・フライ、サソリの尾をもつ虫だ。
しかしサソリの尾はメスを捕まえるためにあるのでオスだけ。

ベンチ上の鳥の糞にカップルと単独のオスが集まっていた。
生きているものは襲わず、死んだ生き物や鳥の糞などを餌としているようだ。
ヤマトシリアゲ0923-1.JPG


















おおむね餌のあるところにカップルがいる。
以前にも書いたが、オスはメスに餌をプレゼントしメスが食べることに夢中になっている隙に交尾に持ち込むという、ある意味卑怯な手を使うのだ。
まぁ、卑怯だろうがなんだろうが目的を達する手段を持っているということは大したものである。

また、クモの巣にかかった獲物を交尾しながら食べている者たちもいる。
もう食べ終わったカスなのか、どうしてクモに襲われないのだろう。
ヤマトシリアゲ0923-2.JPG


















こちらは、クモの巣の獲物を狙うメス。
何とも不思議な生態だ。
ヤマトシリアゲ0923.JPG


















よく見るとその向こうには「オオカマキリ」の姿が。
ジョロウグモを狙っているのか、なかなか面白い構図である。
オオカマキリ0923.JPG


















2014年9月23日 東京都
シリアゲムシ目シリアゲムシ科 ヤマトシリアゲ
カマキリ目カマキリ科 オオカマキリ
クモ目ジョロウグモ科 ジョロウグモ        CANON EOS70D,EF100mm F2.8L IS USM/MT-24X /430EXⅡ

クモバチの苦難 [自然]

谷戸の小さな山に行った。
ここは長い間、放置されコナラやクヌギが大きくなり暗い林になっていたのを伐採更新して、春から夏にかけて明るくなりいろいろな生き物たちが見られた場所。

クモバチの仲間が獲物のクモを運んでいる場面に出くわした。
クモバチの種はわからないが、クモはイタチグモのようだ。
足を咥えて運ぼうとしている。
クモバチ0923-1.JPG


















しかし、いくら足を踏ん張っても思うように動かない。
咥える場所を変えてクモの周りを回る。
クモバチ0923-3.JPG


















そのうちに小さなハエたちが集まってきた。
何を嗅ぎ付けてやってくるのか?
クモは、まだ死んでいないので死臭などないはずだが・・・。
クモバチ0923-2.JPG


















どうして動かせないのか?
見ているとクモが土の中に引きずり込まれていく。
どうやら土の中から反対の力が働いているようだ。
ハエたちが周りを飛び回る。
クモバチ0923-7.JPG


















それでもクモバチは狩った獲物を運ぼうと必死だ。
僕が見てからおおよそ一時間、クモバチは全くこの場所から獲物を動かせなかった。
さすがにどうにも手におえないと思ったのだろう、クモバチは獲物を残して飛び去りもう戻ってはこなかった。
するとクモがどんどん土の中に消えていく。
クモバチ0923-8.JPG


















ははぁ、このからくりわかったぞ!
クモを掘りだし、土をかいてみると出てきたのは大きなアリジゴクだった。
クモバチがたまたまアリジゴクの巣の上を通りかかり、クモバチの獲物をアリジゴクが捕まえたようだ。
そこからはクモバチとアリジゴクの引っ張り合い。
両者譲らずの末、勝者アリジゴクとなったわけだ。
ただどちらもなぜ獲物が思うように動かないのかわからずじまいだっただろう。
面白い場面に出くわしたものだ!
クモバチ0923-6.JPG


















2014年9月23日 東京都
ハチ目クモバチ科 クモバチの1種
クモ目ウエムラグモ科 イタチグモ  CANON EOS70D MACRO100mm IS USM/430EXⅡ


何してるの? クマバチ [ハチ・ハエ・アリ]

秋晴れの少し汗ばむ陽気の中、湿地に行ってみた。
しゃがんでトンボをとっていると後ろからブ~ンという羽音が聞こえてきた。
このところスズメバチの仲間、特にキイロスズメバチが目につくので気になって振り返ると、そこにいたのは「クマバチ」のメスだった。
クマバチ0923.JPG


















枯れた草の上にとまっていた。
じっと見ていたが、一向に動かず日向ぼっこか虫干しをしている様子。
いったい何をしているのか?
クマバチ0923-3.JPG


















久しぶりにクマバチをじっくり見たが、黒い体に黄色い胸がなかなかお洒落で大きな瞳がつぶらでかわいいではないか!
この個体がメスだからそう思うの?
クマバチ0923-2.JPG


















あまりに近づいたので、うっとうしいと思ったかこちらに向かって飛んできた。
さすがにおとなしいハチとはいえ、一刺しがあるので後ずさり。
大きな顎は、木を穿って穴をあけるためには重要な役割だがスズメバチのようにこの顎で相手を攻撃することはあまりなさそうだ。

すると今度は、草の中に頭を突っ込んだ。
頭隠して尻隠さず。

これがまたかわいい・・・!
ところでここでいったい何をしているの?クマバチ!!
クマバチ0923-4.JPG


















2014年9月23日 東京都
ハチ目ミツバチ科 クマバチ(キムネクマバチ)  CANON EOS70D,EF100mm F2.8L IS USM


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