クワガタのようなアギトアリ [ハチ・ハエ・アリ]
アギトアリとは普段聞かない名前のアリだ。
数年前から、その存在が聞かれていたが、ようやくその姿を見ることができた。
アギトとは顎を意味し、その大顎はまるでクワガタを連想させる。
体長は10~13mm前後と大型。体はスリムだが、脚が長いのでより大きく見える。
日本では、九州(鹿児島県)、屋久島、種子島、口永良部島に生息する南方系の種だが、屋久島では平地より標高1,200 mの高所にいたるまで分布している。 中国では北京より更に北の北緯40゜を越える地域においても確認されているので、寒さにも順応できるようだ。
石垣や倒木の下などに営巣するようで、ここでも朽木の下から見つかった。
大顎は180°開き、餌などを捕獲するのに使い、さらに尻の先には毒針があるという。
また、危険を感じると顎を地面に打ち付けて後ろに跳躍して逃げるという。
なぜ南方系のこのアリが、ここにいるのだろうか?
材についてきたとも考えられなくもないが、この種が見いだされたことも不思議である。
生態系への影響はわかっていないが、今までいなかった種が入り込むことで何らかの影響がある可能性は高い。
今後、その動向について注意が必要な種である。
2014年4月21日 東京都
ハチ目 アリ科 アギトアリ CANON EOS70D,EF100mm F2.8L IS USM /MT-24EX
参考:日本産アリ類画像データベース http://ant.edb.miyakyo-u.ac.jp/J/Taxo/F11301.html
宝塚アリ研究所 http://park.geocities.jp/esunamura/odontomachusJpn.html