ケバエの季節到来! [ハチ・ハエ・アリ]
草はらを歩いていると、何やら後ろ足をだらんとたらした黒いものが無数に飛んでいる。
何の虫だ?刺されるのか?気持ち悪い!と誰もが思うだろう。
だが、心配無用、ハエ目ケバエ科に属する全く無害の虫なのだ。
幼虫時代は群れとなって落ち葉を食べて育ち、時折園路に出て不快に思われる。
成虫幼虫共に不快なだけの害虫とされるのだが、幼虫時代は落ち葉などの腐植質を食する分解者であり、成虫は様々な生き物の餌となる意外と生態系では重要な役割なのである。
生理的に受け付けないならしょうがないが、そうでなければじっくり観察してみてほしい。
意外と面白い虫だと思う!写真はハグロケバエ。
2014年4月29日 東京都
ハエ目ケバエ科 ハグロケバエ CANON EOS70D,EF100mm F2.8L IS USM
ヒメオドリコソウの戦略とヒゲナガハナバチ [ハチ・ハエ・アリ]
ヒメオドリコソウの花から花へ飛び交い忙しそうに頭を花に突っ込んで蜜を吸っているヒゲナガハナバチの仲間。
吸っている途中で花と一緒に落ちてしまう場面も時折見られ、何とも滑稽である。
この頭を突っ込んでいることが、ヒメオドリコソウの花粉を運ぶことに一役買っているのだ。
ヒメオドリコソウの花の中を見ると、おしべが上唇(上の花びら)の下側にある。
花の蜜を吸おうと花の中に頭を入れると、このおしべの花粉が頭のてっぺんに付着する。
こうして体に花粉を付けて、花から花へと飛びまわることで受粉して回っているのだ。
すっかりヒメオドリコソウの戦略にはまっているハチたちは、花粉媒介者・ポリネーターと呼ばれる。
写真のハチの頭も花粉でオレンジ色に染まっているのがわかる。
シソ科の仲間にはこういった花の構造をしているものが多いが、花にとってもハチにとってもそれぞれメリットがありWINWINの関係なのだろう。自然界、うまくできているものだ。
2014年4月29日 東京都
シソ目シソ科 ヒメオドリコソウ CANON EOS70D,EF100mm F2.8L IS USM
色と点刻が芸術的なスゲハムシ [甲虫]
アジアイトトンボ [トンボ]
次にトンボが見られるといよいよ初夏だなぁと僕は思うのだ。
先日見つけた「アジアイトトンボ」。
未熟なオレンジ色のメスを探しに再び湿地を訪れてみた。
水辺を探すもあまり見つからず、エコトーンつながりの草地に足を踏み入れるとたくさんのイトトンボが飛び立った。
みなアジアイトトンボたち。その中にはお目当てのメスたちもいた。
なぜメスだけ未成熟の間、綺麗なオレンジ色なのだろうか?
身を守るための擬態なのか?
メスが飛ぶとオスが交尾をしようと近寄ってくるが、メスはお尻の先をくるっと上に向ける。
これが交尾拒否の行動なのだろうか?
スジグロシロチョウなどのメスがとる、交尾拒否の行動と似ている。
そんな中、すでに交尾をしているカップルもいくつか見られた。
繋がった形が、綺麗なハートでないのが残念だ。
成熟したメスは、オスと似た淡い水色になる。
これから、この湿地にもたくさんのカップルが誕生するだろう!
2014年4月29日 東京都
トンボ目イトトンボ科 アジアイトトンボ CANON EOS70D,EF100mm F2.8L IS USM /MT-24EX
季節は進んで [季節]
湿地ではツバメが飛び交い足元には小さな「アジアイトトンボ」が見られた。
みな敏感で近づくとすぐに飛んでしまう。
羽化間もないオレンジ色のきれいなメスは、結局撮ることが出来なかった。
林縁から聞こえるポッピリリ♪ヒッヒッ♪。
意外と近い。
声を探して見ると、意外と近くでその主「キビタキ」を見ることが出来た。
今年は、例年より多くあちこちで声を聞かれると思うのは私だけだろうか?
マユミの葉上に黒い虫が・・・・。
老眼で何かわからない。このところたくさん出てきたハグロケバエかとレンズをのぞくと、今年初認の「シラケトラカミキリ」だった。
林縁をひらひらと飛ぶ姿に懐かしさを感じたのは、こちらも今年初めて見る「ヒメウラナミジャノメ」だった。
シーズンにはいやというほど見られるチョウも、今の時期出会うと嬉しい。
これからこんな嬉しさがいっぱいあるのだろう、わくわくする季節がやってきた!
2014年4月27日 東京都
トンボ目イトトンボ科 アジアイトトンボ
スズメ目ヒタキ科 キビタキ
コウチュウ目カミキリムシ科 シラケトラカミキリ
チョウ目タテハチョウ科 ヒメウラナミジャノメ
CANON EOS70D,EF100mm F2.8L IS USM /MT-24EX、CANON EOS50D EF70-200 f2.8 L IS USM