ナミスジフユナミシャクとイチモジフユナミシャク [チョウ・ガ]
このところ「ナミスジフユナミシャク」のメスをよく見かける。
今日も、3頭のメスを見つけた。
12月から1月まで見られるそうだ。
ナミスジフユナミシャクは、1991年にオオナミフユナミシャクとコナミフユナミシャクに分けられたが、2010年に再び統合された。分けても同定が難しいなら統合した方がわかり易い。何ともややこしい話であるがDNAなどの鑑定ではどうなのだろうか?気になるところでもある。
すぐそばに同じナミシャク亜科の「イチモジフユナミシャク」のメスがいた。
小さな翅の水色がとても美しく色的に好きなフユシャクの一つだ。
水色のものはイチモジとわかり易いが、黒化型のタイプはナミスジとよく似ている。
ただ、大きさを比較すると、イチモジの方がナミスジより大きいように思われる。
見つけた3頭はどれもほぼ同じ大きさなので、これらがおおむねナミスジの標準サイズか。
それに比べてこのイチモジのメスは、1.5倍ほどあった。
たまたまこのメスが大きいのか。
上記の写真はすべて、同じマクロレンズの最短距離での撮影でありその大きさの違いが明らかだ。
並んで写すとレンズからの距離の違いはあるがさらにわかり易いだろう。
園路沿いのコナラには、ナミスジフユナミシャクのオスがいた。
オスは初見。
こちらはイチモジのオスとは、見た目明らかに違うので間違えることは無いだろう。
2013年12月31日 東京都
鱗翅目 シャクガ科 ナミスジフユナミシャク、イチモジフユナミシャク CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM /MT-24EX
2013年もあと5時間ほどとなりました。
今年一年ご訪問いただきました皆様、本当にありがとうございました。
どうぞ良いお年をお迎えください!
次世代の生態系を担う! 丸山
丘陵の宮野入谷戸にある丸山。
田んぼや民家や駐車場などが見渡せる小高いお山だ。
コナラやクヌギシデやエゴノキなどの広葉樹やサワラなどの里山の雑木林。
昔は、槇や落ち葉などで近隣のたくさんの家庭を支えてきただろうが、高度成長期の燃料革命以降その役目を終え木々は大きくなりすっかり暗い雑木林のお山になっていた。
久しぶりに訪れてみてびっくり!
上の写真の反対側だが、すっかり木が切られて丸坊主、お山の形があらわに。
えっ!お山の部分はこんなに小さかったの?
大きく育った木のお蔭で大きく見えてたのね。
里山の雑木林は、槇や落ち葉を燃料や肥料として使うため本来15~20年で伐採され、落ち葉掃きなどの林床の管理がされてきたが、ここでは伐採も行われないままボランティアによる林床管理が行われるにとどまっていた。
今回、行政と管理している指定管理者、ここで活動しているボランティアの方々がこの丸山を今後どうしていくかを話し合いその意向を盛り込んで伐採が行われたそうだ。
元来、武蔵野の雑木林は更新が行われることで多様な生物相が育まれてきたことを考えると、今回の伐採は大歓迎である。
先に述べた年数で伐採を行えばその切り株から新しい芽が伸びて新たな林を形成してくれる(萌芽更新)のだが、さすがに木々は年を取りすぎた。
今後は、実生の生育管理や植栽などで雑木林形成を行っていくことだろう。
この新たな環境に、どんな植物や昆虫などが見られるのか、今後とても楽しみだ!!
2013年12月24日 東京都 CANON EOS40D EF8-10mm F4LフィッシュアイUSM
フユシャクガを探しに [チョウ・ガ]
といっても昼間。
初冬に現れるクロスジフユエダシャク以外は皆夜行性なので、本来は夜の観察なのだが・・・。
いつもの谷戸のイヌシデを探して見ると、「ナミスジフユナミシャク」と思われるメスがいた。
イチモジフユナミシャクの黒化型かとも思ったが、ナミスジのような。
木を取り囲む木柵には、これまた外観では同定が難しいメスの「ウスモンフユシャク」がいた。
こちらは翅がなくお尻に綿毛のようなものがある
産卵時にこの毛を卵の上に多いかぶせてカモフラージュしていると思われる。
これをウスモンと思ったのは、近くにオスがいたからだ。
この個体単体では、私には同定不可である。
これからまだまだ別の種が発生して楽しませてくれるのだ。
2013年12月24日 東京都
鱗翅目 シャクガ科 ナミスジフユナミシャク、ウスモンフユシャク CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM /MT-24EX
キボシカミキリのクリスマスオーナメント [甲虫]
昨日は、暦の上では冬至。
一年で最も昼間が短い日だ。
これからだんだん昼間が長くなってくるのは嬉しい!
そして今日はX'masイブ、と言っても何の予定もないのは例年のこと。
街はさぞかし賑わっているのだろうが、その喧騒があまり得意ではない。
時間を見つけて谷戸を歩いてみた。
近くでカッ、カッ♪という声が聞こえたので、カッカッと返してみた。
するとその声がだんだん近づいてきて、目の前の枝に小鳥が飛び出した。
声の主は、ルリビタキ。
メスかオスの若かは定かではないが、今年初めて見るその可愛さに感激!
好奇心旺盛なところからまだ若い個体なのだろうか?
この時期、見られる虫は限られる。
ひょっとしてと、園路沿いのクワの木を探して見るとお目当てが見つかったもののちょっと様子が。
まるで雪をかぶったような・・・。
キボシカミキリ。
寒さに強く12月、たまに年を越しても見られることから、探して見たが何と体中が菌に覆われていた。
恐らく昆虫病原性糸状菌、ボーベリア菌に冒され枝にしがみついたまま命を絶ったのだろう。
この菌に感染すると体中の水分がなくなり乾燥してしまう。
関節から体外へ白い分生子が見られることから白きょう病といわれるボーベリア菌と思われる。
生きていなかったのがとても残念だ。
今日はイブ、まるで白い綿をかぶったクワの木ツリーのオーナメントのようだった。
2013年12月24日 東京都
スズメ目 ツグミ科 ルリビタキ
鞘羽目 カミキリムシ科 キボシカミキリ CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM /MT-24EX
冬の常連 [季節]
すっかり冬枯れの草地では、虫たちを見つけることはなかなか難しい。
園路沿いで見つけたキッコウハグマの綿毛のついた種子。
毎年ここで見られるが、今年は綿毛が風で飛ばされたものがほとんどできれいな種子を見るには少し遅かったようだ。
冬の観察ポイントとして手軽なのが木柵や木を見て回ること。
風が強い日でも、木は揺れないので低シャッタースピードでも何とかぶれずに写しとめることができる。
こういった場所でよく見られるのが、カメムシの仲間。
今日見つけたのは、体が艶のある黄緑色の「ツヤアオカメムシ」。
木柵の上をとことこお散歩中?だった。
こちらでは寒さに耐えながらも獲物を探している「ヤニサシガメ」の幼虫。
これらは冬に見つかることが多い虫たちだ。
2013年12月17日 東京都
キク目キク科 キッコウハグマ
半翅目カメムシ科 ツヤアオカメムシ
半翅目サシガメ科 ヤニサシガメ