樹液を舐めるヤブキリ [バッタ]
谷戸に放たれたキリギリスの鳴き声は、すっかり聞こえなくなった。
オスは死んでしまったのだろうか?定着しないことを祈る。
同じ仲間の「ヤブキリ」はまだまだ元気なようだ。
アズマネザサで黒化形のオスを見つけた。
この谷戸では、脚や発音器周囲が黒い黒化形が多く見られる。
北海道大学出版のバッタ・コオロギ・キリギリス図鑑では、鳴き声や形態、生息環境からヤブキリを4種に分類している。
関東で見られるのは、ヤブキリ、ヤマヤブキリ、コズエヤブキリだ。
形態は似通っており、鳴き声を聞いていないのでどの種かはわからない。
昆虫酒場を訪れると、ヤブキリが3頭いた。
カナブンと頭を突き合わせているものもいる。
今まで酒場周りにいるのは、肉食性のヤブキリが酒場に集まる虫を食べるためだと思っていたのだが、どうやらそれだけではないことが分かった。
何と、樹液を舐めていたのだ。
集まっているヤブキリを見ていると、どれも樹液が出ているところに頭を突っ込んでいる。
こうして見ていると、彼らがここにいるのは虫を食べるためではなく、樹液を舐めるためのようだ。
キリギリスの仲間の中でも樹上生活を送るヤブキリならではの生態で、草原性のキリギリスやその他の種ではわざわざ木に登って樹液を舐めることはないだろう。
樹液には、カナブンやスジクワガタ、そして今年初めて確認した「チャイロスズメバチ」もいた。
頭や胸が赤く、お尻が黒い。コガタスズメバチやキイロスズメバチより一回りほど小さいだろうか。
にもかかわらず、これらのスズメバチの巣を乗っ取り、働き蜂を奴隷にする習性を持っているらしいが、まだその場面に遭遇したことは無い。
2013年8月22日 東京都
直翅目 キリギリス科 ヤブキリ
膜翅目 スズメバチ科 チャイロスズメバチ CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM /MT-24EX