いよいよツクツクボウシの独壇場? [セミ・カメムシ]
夏休みも終わり子供たちは残念に思っているのだろうが、間もなく秋の訪れだ。
林から聞こえる声も、様変わり。
一番大きい声は「ツクツクボウシ」。ミンミンゼミやアブラゼミはトーンダウンしてきた。
たくさんいるところでは、輪唱や声に合わせてジュー♪というバックコーラスまで入る豪華さだ。
日が暮れるころになっても鳴き声は途切れず、以前は賑やかだったヒグラシの声もすっかり聞かれなくなってしまった。
ところでこんな小さなセミたちが、どのようにしてあんな大きな声を出すことができるのだろうか?
仕組みはお腹にある発音膜を筋肉で震わせて音をだし、2枚の腹弁で空気の量を調節して音階を奏でるのだ。音を大きくするためにお腹に共鳴室があり空洞になっている。
ツクツクボウシやヒグラシは、日で透かすとお腹の空洞具合がよくわかる。
夏の間、煩いと思っていた彼らの声も、聞かれなくなるとそれはとても寂しいものである。
2012年9月13日 埼玉県
半翅目 セミ科 ツクツクボウシ CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM /430EXⅡ
美しい蛾 [チョウ・ガ]
ツノトンボを探していたら、足元のイネ科の草の根元で黒っぽいものが目に入った。
ようく見ると濃紺に輝くきれいな蛾だった。
大きさは図鑑によると開長23mm内外とかなり小さな蛾だ。
前翅には黄色い斑が8つ並ぶ。
これが名前の由来だろう。
初めて見る蛾だが、すでにこの蛾の生態を確認しているサイトがある。
私が言うのもなんだが、大したものである。
http://www.geocities.co.jp/AnimalPark-Tama/1915/moth/yahosihosomadara1.html
埼玉県では準絶滅危惧種に指定されているという事から数は少ないのかもしれない。
似た種にキスジホソマダラがいるが、翅の黄色い斑の形などで判別は容易だ。
2012年9月11日 東京都
鱗翅目 マダラガ科 ヤホシホソマダラ、キスジホソマダラ
CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM /430EXⅡ
ツノトンボのオス [その他の虫]
先日、初めてツノトンボを確認したが、オスはあっという間に飛んでしまいじっくり見ることができなかった。
ちょっと悔しいのでリベンジに出かけた。
同じ場所を探してみると、足元からそれらしきものが飛び立った。
早速見つけたかと思ったら、ミヤマアカネのメスだった。
紛らわしい!!と言ったら失礼か。
少し歩くと、また足元からトンボのようなものが飛び立った。
飛んだ先を確認すると、今度こそツノトンボのオスだった。
独特のカーブを描く触角と腹の先の一対の突起もオスの特徴のようだ。
今年は、ツノトンボの成虫も卵も幼虫も見ることができた。
あとは蛹だけだが、これはfieldではちょっと難しいだろう。
2012年9月11日 東京都
脈翅目 ツノトンボ科 ツノトンボ
CANON EOS40D,Tokina AT-X107 DX Fisheye /Kenko 1.4×TELEPLUS/MT-24EX
CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM /430EXⅡ
ようやく見つけたアオバズク [鳥]
毎年、初夏の頃から我が家の周りにアオバズクがやって来て、ホッホー・ホッホーと鳴く。
樹洞のある大木で繁殖し、冬にはまた帰っていくフクロウの仲間の夏鳥だ。
うちのすぐ近くに放置された屋敷林があり、色々な野鳥が利用していた。
恐らくアオバズクも利用していたに違いないが、昨年バッサリ切られ駐車場になってしまった。
そのせいで今年は来ないかなと思っていたが、声を聞けてほっとしていたのだった。
この夏近くの神社で確認されそこで繁殖かと思われたが、樹洞のある木は見当たらない。
どこかで繁殖しているのに違いないと思うのだが・・・。
これまで鳴き声聞くと探しに出かけたのだが、夜道人の目もあり見つけられずにいた。
今日もまた鳴き声が聞こえたため、探しに出かけようやくその姿を電線で見つけた。
少し遠く暗いのでピント合わせが難しく、何とか見られるものが数枚撮れた。
ストロボ光で目が赤く光っていた。
家に戻って撮った写真を見ていると、さらに大きな声が聞こえてきた。
移動して近くに移ったかと玄関を出ると、何と目の前の電線にとまって鳴いていたのだった。
これだけ近くで見たのは初めてで、ちょっと興奮!
だが後ろを向いたままなかなか前を向いてくれない。
少ししてようやくこちらを向いてくれた。
右目はやはり赤く光っているが、左目は元来の黄色が少し見える。
こんな機会は次いつあるかわからないのでじっくり観察と思ったが、いかんせん暗くシルエットだけ。
手持ちの図鑑ではキジバトよりやや小型と書かれているが、大きいように思えた。
数枚撮っていると、ストロボ光を嫌ったようでサッと神社の方角へ飛んで行ってしまった。
我が家から狭山丘陵までそんなに遠くはないので丘陵に繁殖地があるならばそれほど心配はいらないだろうが、繁殖できる大木がなくなればここで姿を見ることができなくなる。
現在市街地に残る林は、地主の方や周囲の住民にとってさまざまな問題を多く抱えているが、私たちも含めたそこを利用している生きものたちのために保存していけるといいのだが。
これからもホッホー・ホッホーという声を聞くことができるか?
毎年ドキドキである。
2012年9月11日 埼玉県
フクロウ目 フクロウ科 アオバズク(埼玉県 地帯別危惧種、東京都 絶滅危惧ⅠB類)
CANON EOS40D,EF70-200mm F2.8L IS USM/EF1.4×Ⅱ+430EXⅡ