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ゲンジボタル [甲虫]

昨日は、一年の中で一番昼が長い日夏至だったが、天気が悪く日が長いのが全く分からなかった。
今日は朝の雨も昼前には上がり、夕方には少し晴れ間が出た。
入間で用事を済ませ、飯能方面に車を走らせた。
山の空気を吸いたくなったのだ。
飯能を過ぎて名栗に入った頃には、もう18時を回っていたがまだまだあたりは明るくいっこうに暗くなる気配はない。
車窓から眺める山々は植栽された人工林だが、久しぶりに見る山を覆う緑の立体感は心を和ませ突き抜ける爽快感を与えてくれた。

ふと見ると、眼下の入間川には川霧が立っていた。
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川岸に白い花が群生していた。
車を止めて近づくと小さなユキノシタの花だった。
一つ一つの花も美しいが、たくさん集まった存在感も素晴らしい!
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この清流のほとりでは、きっと蛍が飛ぶに違いない。
そう思ったが、あと少しの時間待つことができずにその場を後にした。
時計の針は19時を回っていたが、まだまだ日が暮れる気配はなく一年で一番昼が長い日 夏至を今日実感したのだった。

そこで先日、丘陵で見たゲンジボタルを。
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日が暮れかけた小川沿いの草むらで光っていたゲンジボタルのオス。
ここでは、これからの発生だ。
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各地のホタル観察会でおなじみの蛍は2種。
山地の渓流など流れのある川で見られるゲンジボタルと田んぼの畔や池など止水域で見られるヘイケボタルだ。
狭山丘陵には、ゲンジボタルとヘイケボタルの両方が同じ時期に見られる。
林内の湿地を大きな光と小さな光が交わって飛ぶのは、そうそうは見られない光景だと思う。
こんな環境は、いつまでも残しておきたいといつも切に願う。
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2012年6月18、22日 東京都
鞘羽目 ホタル科 ゲンジボタル 


シブイロカヤキリとクビキリギス [バッタ]

先日夜に仕事で丘陵を訪れたのだが、その時ジー♪という鳴き声を耳にした。
今の時期、このように鳴くのはキリギリスの仲間のクビキリギスかシブイロカヤキリのどちらかだ。
共に成虫で越冬し春先から鳴く。
この2種は姿かたちも鳴き声もそっくりだが、それぞれ微妙に違いがある。
この夜聞いた声は、「シブイロカヤキリ」の低い音だった。
その姿を確認したが、コンデジしか持ち合わせておらずデジイチを持っていなかったので改めて出直した。
夜8時頃、鳴き声を確認して近寄ると草の上で鳴いていた。
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シブイロカヤキリは、体色が褐色のみで後ろ足が短く顔や口が黒く鳴き声が低いのが特徴で、慣れればクビキリギスとは声だけでも区別できる。
クビキリギスに比べると生息場所は限定される。
以前はシブイロカヤキリモドキという和名だった。
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少し歩くと今度はジー♪という高い鳴き声が聞こえてきた。
鳴いていたのは、「クビキリギス」だった。
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クビキリギスは、体色が緑色と褐色の2種類あり、後ろ足が長く口が赤いのが特徴。
クビキリギスのほうがポピュラーだ。
この夜は、2種がすぐ近くで鳴いていた。
こんなに似ているのに種が異なるというのも面白い!
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2012年6月18日 東京都
直翅目キリギリス科 シブイロカヤキリ、クビキリギス  CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM /MT-24EX


ホタルが乱舞する季節 [甲虫]

あちこちでホタル観察会の話題が聞こえてきた。
ホタルって7月じゃないの?
という質問をよくいただくが、ホタルにも種があり発生する時期が異なる。
今の時期見られるのは「ゲンジボタル」だ。
胸に十字の班があり日本では最も大きいホタルだ。
光も大きいので人気があり各地でホタル復活に放流されるが、全く異なる場所から持ち込まれるため遺伝子汚染が心配されている。
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ホタルと言えば幼虫は水の中と思われるだろうが、幼虫が水の中で過ごすのは日本のホタル54種の中でもゲンジボタル、ヘイケボタル、クメジマボタルの3種に過ぎない。あとはすべて陸生のホタルなのだ。
丘陵で昼間に葉上で見られるホタルに「ムネクリイロボタル」がいる。
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これも陸生のホタルで幼虫は陸生の貝類を食べて育つ。
成虫は発光器を持っているので光るようだが見たことがなくその光は小さいらしい。
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今年は4回ほど出会ったが、発行するか確認できなかった。
次に見つけたら採集して光るか確認してみたい。
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2012年6月5日 東京都
鞘羽目 ホタル科 ゲンジボタル、ムネクリイロボタル   CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM /MT-24EX


甘い香りの金銀花 [植物]

いつの間にか関東は梅雨入りをしていた。
いつもは天候には敏感なのだが、それに気付かないとは何とも情けない。

歩いていると甘い香りが漂ってきた。
1年ぶりに嗅ぐ懐かしい香り。
香りのもとを手繰ると、林縁に白い花が咲いていた。
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花の名は「スイカズラ」。
冬でも葉をつける常緑で、寒い冬に耐えていることから別名「忍冬(にんどう)」とも呼ばれる。
この花を見ると、いつも昔見たドラマを思い出す。
1985年にフジテレビ系で放映されていた昼どら「しのぶ」。
主演は藤吉久美子で宅麻伸、三浦リカのキャストだったがすっかりはまってしまっていた。
お蔭でそれ以来藤吉久美子のファンになってしまったがその後太川陽介と結婚してしまった・・・。
話が脱線してしまったが、咲き始めは白色で日が経つにつれ黄色に変化する。
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同じ茎に白と黄色の花が見られることから金銀花とも呼ばれる。
葉も花も生薬として用いられるようだ。
スイカズラはイチモンジチョウの食草だが、今までこの植物で幼虫を見たことは無く、同科のウグイスカグラでしか見たことがない。
今年はぜひこの植物でイチモンジチョウを見つけたい。
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2012年6月5日 東京都
マツムシソウ目スイカズラ科 スイカズラ CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM /MT-24EX


スジクワガタ [甲虫]

そろそろ昆虫酒場もにぎわう季節になってきた。
まだお客のいない酒場の一番乗りは、「スジクワガタ」だった。
丘陵では、クワガタの中で最もよく見られる種ではないだろうか。
カメラを近づけると、ぽろっと落ちた。
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スジクワにしては普通サイズ、コクワにしては小さい。
この種の存在を知らずにコクワガタだと思っている人も多いのではないだろうか。
見分け方は、大あごの途中にある内歯が2山になっている、小型でも内歯があるのがスジクワガタ。
名前の通り前ばねに筋が見られる。
一方のコクワガタは内歯が一山、小型は内歯がなく大小共に前ばねに目立つ筋はない。
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スジクワガタがいなくなった酒場には、どこからともなく「ヨツボシケシキスイ」が現れた。
やはり力関係なのだろう。
今年はここでどんな出会いがあるのだろうか?
これからが楽しみな季節になってきた。
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2012年6月5日 東京都
鞘羽目 クワガタムシ科 スジクワガタ
      ケシキスイ科 ヨツボシケシキスイ

CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM /MT-24EX


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