希少種 キバネツノトンボ [その他の虫]
先日、以前の職場の大先輩から「キバネツノトンボが発生しているよ」という連絡をいただいた。
キバネツノトンボは、以前から見たかった種で、残念ながらmyfieldの狭山丘陵には生息していない種である。
トンボと名がついているがトンボとは別種。
アミメカゲロウ目に属しクサカゲロウやウスバカゲロウと同じ仲間で、広い乾燥した草はらに生息する。
近年この種が好む草地が減り、埼玉県では絶滅危惧種1A類、東京都では北多摩でEX=絶滅種とされている希少種だ。
今日は午後から急に天気が崩れるとの予報もあり、急いで出かけた。
現地について、草はらを見渡すとあちこちで草に摑まっている本種を見つけた。
今まで写真でしか見たことがなかったが、想像通り後翅の黄色い色は何と美しい事だろう。
毛むくじゃらの顔にピンと伸びた触覚、透明な前翅、黄色と黒でデザインされた後翅。
ツノトンボという虫は葉の上などでじっとしていてあまり動かないという印象があったのだが、このキバネツノトンボは違った。
昼前に現地で見た時にはみな草にとまっていたのだが、近寄ると一斉に飛び立ちその後は草はらの上をまるでトンボのように飛んでいた。
見ていると特にそれぞれがテリトリーをもっているようにも見えないが、同種が出会うと一瞬もつれ合うかのように飛びすぐに離れていく。
飛びながら捕食しているようで、何かを抱えて飛んでいるなと思ったら間もなく草にとまりむしゃむしゃと食べている個体を見ることができた。
飛翔力はなかなかのもので結構のスピードで飛び、急旋回などもお手の物のようだ。
また見えなくなるくらいに高く舞上がり見失うこともしばしばあった。
体が黒いことから一瞬クマバチかとも思うがそれにしては細長く、トンボにしては寸胴なので存在を知らなければいったい何が飛んでいるのかと思うだろう。
そんな中でもこの後翅の黒と黄色のデザインは素晴らしい!
前翅は透明なのに、なぜ後翅は色がついているのだろうか?
生きものの姿かたちには、そうなった何かしらの理由があるはずだと思うのだが・・・・。
この形や色に進化した理由は何なのか?自然界の不思議!
ちなみに狭山丘陵で見られるのは、ツノトンボとオオツノトンボの2種だ。
情報をくださったAさん、ありがとうございました。
2012年5月17日 埼玉県
脈翅目 ツノトンボ科 キバネツノトンボ
CANON EOS40D,EF70-200mm F2.8L IS USM/EF1.4×Ⅱ、CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM /MT-24EX