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ニセアカシア [植物]

先日、キバネツノトンボを見に行った場所で高木に房のような白い花が目に付いた。
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マメ科ハリエンジュ属の落葉高木「ニセアカシア」。別名「ハリエンジュ」。
アカシアとして北米から輸入され、花が美しいことから街路樹や公園樹などに植栽された。
根で共生している根粒菌のおかげで成長が早く、やせた土地や海岸などの砂地でもよく育つため治山や砂防、薪炭材などの用途にも利用された。
さらにはミツバチの密源として養蜂家には大切な木。
本物のアカシアが後に日本に入ってきたため、ニセアカシアと名付けられた。
歌謡曲などでアカシアと歌われているのはほとんどがこの種。
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花は見た目に美しくてんぷらなど食用にもなるようだが、枝には鋭いとげがあり花以外は有毒。
成長が早く繁殖力が強いことが問題になり、要注意外来生物リストにあげられ駆除されている。
先に挙げたミツバチやチョウなどこの花の蜜を求めて多くの虫たちが集まる五つ星のレストランではあるのだが・・・・。
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2012年5月17日 埼玉県
マメ目 マメ科 ニセアカシア(ハリエンジュ)
鱗翅目 アゲハチョウ科 ジャコウアゲハ    CANON EOS40D,EF70-200mm F2.8L IS USM/EF1.4×Ⅱ


柳絮とオオヨシキリ [鳥]

初夏の湿地の風物詩。
風のある日には、吹雪のように湿地一面に白い綿毛が舞う。
その正体は柳絮(りゅうじょ)と呼ばれる柳の種。
綿毛に包まれたたくさんの小さな種が風に吹かれて枝から離れ飛んでいく。
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このころの湿地にはもう一つの初夏の風物詩が見られる。
ヨシの中からギョシギョシ、ギョシギョシと騒々しくやかましい声。
声の主は「オオヨシキリ」。
鳴き声から「行行子」とも呼ばれ、夏の季語とされている。
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夏鳥として渡ってきてヨシ原などで繁殖する。
縄張りを作って昼も夜もさえずりメスを呼び、つがいになると全く鳴かなくなってしまう。
ヨシ原では、枯れたヨシにとまってさえずっているのをよく見かける。
この日はこちらを警戒してかヨシの中で鳴いていたが、じっと息をこらして待っているとひょいと出てきて枯れたヨシへ。ooyoshikiri2-0517_1.JPG


















大丈夫と思ったのか、大きな口をあけて鳴き始めた。
口の中の赤がとても目立つ。
オオヨシキリがやってくる湿地では、止まってさえずるための枯れたヨシを刈らずに残しておくことが彼らにとって重要なことではないだろうか。
彼らが繁殖できるようなヨシ原のある湿地も、だんだん少なくなってきているのだろう。
鳴き声は騒々しいが、この声が聞かれなくなるのはとても寂しく、こういった場所をぜひとも残していってほしいものだ。
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2012年5月17日 埼玉県中央部
スズメ目ウグイス科 オオヨシキリ  CANON EOS40D,EF70-200mm F2.8L IS USM/EF1.4×Ⅱ


希少種 キバネツノトンボ [その他の虫]

先日、以前の職場の大先輩から「キバネツノトンボが発生しているよ」という連絡をいただいた。
キバネツノトンボは、以前から見たかった種で、残念ながらmyfieldの狭山丘陵には生息していない種である。
トンボと名がついているがトンボとは別種。
アミメカゲロウ目に属しクサカゲロウやウスバカゲロウと同じ仲間で、広い乾燥した草はらに生息する。
近年この種が好む草地が減り、埼玉県では絶滅危惧種1A類、東京都では北多摩でEX=絶滅種とされている希少種だ。
今日は午後から急に天気が崩れるとの予報もあり、急いで出かけた。
現地について、草はらを見渡すとあちこちで草に摑まっている本種を見つけた。
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今まで写真でしか見たことがなかったが、想像通り後翅の黄色い色は何と美しい事だろう。
毛むくじゃらの顔にピンと伸びた触覚、透明な前翅、黄色と黒でデザインされた後翅。
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ツノトンボという虫は葉の上などでじっとしていてあまり動かないという印象があったのだが、このキバネツノトンボは違った。
昼前に現地で見た時にはみな草にとまっていたのだが、近寄ると一斉に飛び立ちその後は草はらの上をまるでトンボのように飛んでいた。
見ていると特にそれぞれがテリトリーをもっているようにも見えないが、同種が出会うと一瞬もつれ合うかのように飛びすぐに離れていく。
飛びながら捕食しているようで、何かを抱えて飛んでいるなと思ったら間もなく草にとまりむしゃむしゃと食べている個体を見ることができた。
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飛翔力はなかなかのもので結構のスピードで飛び、急旋回などもお手の物のようだ。
また見えなくなるくらいに高く舞上がり見失うこともしばしばあった。
体が黒いことから一瞬クマバチかとも思うがそれにしては細長く、トンボにしては寸胴なので存在を知らなければいったい何が飛んでいるのかと思うだろう。
そんな中でもこの後翅の黒と黄色のデザインは素晴らしい!
前翅は透明なのに、なぜ後翅は色がついているのだろうか?
生きものの姿かたちには、そうなった何かしらの理由があるはずだと思うのだが・・・・。
この形や色に進化した理由は何なのか?自然界の不思議!

ちなみに狭山丘陵で見られるのは、ツノトンボとオオツノトンボの2種だ。
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情報をくださったAさん、ありがとうございました。

2012年5月17日 埼玉県
脈翅目 ツノトンボ科 キバネツノトンボ 
CANON EOS40D,EF70-200mm F2.8L IS USM/EF1.4×Ⅱ、CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM /MT-24EX


トンボ3種 [トンボ]

湿地でもっとも早くに現れるトンボが「シオヤトンボ」。
この時期になると、あちこちで成熟したオスやメスが見られた。
湿地脇の壁にとまったオス。
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こちらはメス。
腹部両端の黒い筋が特徴。
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数が増えてきた「シオカラトンボ」。
羽化したてはメスと変わらない褐色だが、成熟すると水色の体に変身。
腹部は細く末端が黒いのが特徴。
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「シオカラトンボ」のメスはムギワラトンボと言われ体が麦わら色。
シオヤトンボと比べると腹部がスマートで先端が黒いので見分けがつく。
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今日は、ヤンマが池の上をパトロールしていたが種までは特定できなかった。
大きさからクロスジギンヤンマではないかと思うのだが写真は撮れず。
イトトンボの仲間もわずかだが見られた。
「アジアイトトンボ」のメスだろう。
未熟な赤いメスも見かけたが、近寄ると池の中洲へ飛んで行ってしまった。
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2012年5月13日 東京都
蜻蛉目 トンボ科 シオヤトンボ
            シオカラトンボ
     イトトンボ科 アジアイトトンボ CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM /MT-24EX


ハナムグリ2種 [甲虫]

ハルジオンの花を見ていると、花に頭を突っ込んでいる輩があちこちで見つかる。
寒い冬を土の中で成虫で越冬し、暖かくなって這い出て空腹を満たしにやってきた「コアオハナムグリ」たちだ。
緑の翅に金色の毛が印象的だが、この個体は土まみれ。
今目覚めて土の中から出てきたばかり、といった感じだ。
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頭には黄色い花粉がべったり。
よほど空腹だった・・・?
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別のハルジオンには少し大きめのハナムグリがいた。
こちらは‘コ’が付かない「アオハナムグリ」。
違いは大きさ、翅に毛がないことと顔から腹部がブドウのような紫色。
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アオハナムグリ0508_1.JPG
















ヨコバイの仲間の幼虫とのとのツーショット。
似たものにキョウトアオハナムグリがいるがまだ出会ったことがない。
今年はぜひ見てみたいものだ。
アオハナムグリ1-0508_1.JPG









    






2012年5月8日 東京都
鞘羽目 コガネムシ科 コアオハナムグリ
               アオハナムグリ      EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM /MT-24EX


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