梢から聞こえるチュルチュルチュル [鳥]
すっかりセミの声が静まり、昼からアオマツムシの鳴き声が降り注ぐ季節となった。
鳥たちの鳴き声が耳に届いて、その姿が確認できるようになってきた。
今日は、午後から丘陵に出掛けて見たが、あちこちからたくさんの鳥の声や姿を確認出来た。
鋭い声は、里山の秋を代表するモズの高鳴き。
茂みからはチャッチャッというウグイス。
賑やかに群れで藪を移動するのはガビチョウたち。
田んぼの脇では、ホオジロもチチッと鳴き交わす。
遠くからはアオゲラの鳴き声も。
さらにギャッと騒々しいカケスの声と飛ぶ姿は久しぶりだった。
雑木林を歩いていると、チュルチュルチュル、ギーギーと賑やかな御一行に出会った。
シジュウカラ、エナガ、メジロ、コゲラの混群だ。
少し葉が落ち、以前より見通しがきくお陰でその姿を見ることが出来た。
中でも個人的に好きなのは「エナガ」。
顔の割に小さなくちばしがキュート!
通りかかったご婦人から何がいるのですかと尋ねられたので、エナガですと答えたら
僕の発音が悪かったせいか「えっ イナダ?」
いえ「エナガ」です。イナダは魚ですよ(^.^)
と楽しい会話で場が和んだ。
これからさらに葉が落ちると、双眼鏡が手放せなくなるだろう。
帰りに、住宅街でオナガの群れが飛んで行くのが見えた。
今日は鳥見日和だった。
2011年10月17日 東京都
スズメ目 エナガ科 エナガ CANON EOS40D,EF70-200mm F2.8L IS USM/EF1.4×Ⅱ
赤い模様のヘビ [両生類・爬虫類]
シュレーゲルアオガエルのいた場所は、先に紹介したタカアザミが咲いていた谷戸である。
ここでは荒廃した田んぼをビオトープにしてから年々やってくるアカガエルたちの数が増え、ここ数年では毎年数百匹もが産卵に訪れるようになった。
ビオトープが出来るまで、いったいどこで産卵していたのだろうか?不思議である。
カエルたちがたくさんやってくるようになると、それを餌とするヘビや鳥たちも姿を見せて谷戸に豊かな生態系が戻って来た。
カエルがたくさんいる場所は、豊かな自然がある場所と言ってもいいのだろう。
先日小川を渡ろうとした足元に、今までに見た事のない1m近いヘビがいた。
ヤマカガシかなと思ったが、どうも色合いが異なる。
その後、調べた結果「ジムグリ」であることがわかった。
なかなか綺麗なヘビである。
頭に黒のVの字が特徴のようだが、この個体はVの字が途中で切れている。
子供のころから比較的自然のある場所で育ってきたのだが、このヘビは見た事がなくこの年になっての初見だ。
名前の通り、すぐに地に潜る事から今まで見逃してきたのかもしれない。
2011年10月7日 東京都
有鱗目 ナミヘビ科 ジムグリ CANON EOS40D,EF70-200mm F2.8L IS USM/EF1.4×Ⅱ
貫禄のシュレ [両生類・爬虫類]
ふらふら歩いていると、園路沿いのロープに青いカエルがいた。
ここにいる青ガエルはほとんどがシュレーゲルアオガエルだ。
いつも見かけるのは、まだ子供の小さく可愛らしいものだがこいつは違った。
でかい・・・・。
これはどう見ても子供~カエルの子供はおたまじゃくしだが~
子供ではないれっきとした大人である。
どんな生き物も子供の時は可愛いが大人になるとその愛らしさがなくなるものだが、まさしくそのいい例だろう。
何ともふてぶてしいというか、愛想がないというかまぁ良く言えば貫禄があるとでも言ったらよいのだろうか。ちょっとカメレオンぽく見えたりして。
ん~やはり僕は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
子供が好き!
2011年10月7日 東京都
無尾目 アオガエル科 シュレーゲルアオガエル CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM
タカアザミとオオウラギンスジヒョウモン [チョウ・ガ]
先日丘陵のビオトープでクモガタヒョウモンが目撃されていたので、是非一目お目にかかりたいと見に行って来た。
ここはその昔田んぼだったが、耕作が放棄され荒れ地となっていたところを掘り起こし水をひいてビオトープにしたところ、眠っていたタカアザミの埋土種子が発芽してそれ以来毎年花を咲かせている。背丈は2mを超え、下向きの花をたくさん付ける大きなアザミだ。
この日花に来ていたのは、「ハラアカハキリヤドリ」。
黒い体にオレンジ色のお尻が目立つ。オオハキリバチの巣に寄生するからハキリヤドリなのだろう。
花が下向きなのでぶら下がって吸蜜するのでちょっと撮影しにくいが、高いところの花なのでまだ楽だった。
あたりを探すが、お目当てのクモガタヒョウモンは見当たらず。
しつこく探しまわっていると、日陰のタカアザミに1頭のヒョウモンチョウの姿が。
しかしどうやらクモガタではなさそうで、よく見ると「オオウラギンスジヒョウモン」のようだ。
しかし、この種もいつも見られるわけではなく、年に数回見られるかどうか。
毎日足を運べばもっと見られるのかもしれないが、そうはいかない。
良く見かけるのは、ミドリヒョウモンやメスグロヒョウモンだがこの日はこの1頭だけだった。
2011年10月6日 東京都
膜翅目 ハキリバチ科 ハラアカハキリヤドリ
鱗翅目 タテハチョウ科 オオウラギンスジヒョウモン CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM /MT-24EX
秋の湿原 [季節]
夏に毎年訪れていた長野の霧ケ峰。
今年は、機会が得られず今の時期に何とか休みをいただき行って来た。
天候にも恵まれ、ススキの穂と真っ青な空にたなびく雲が秋を感じさせてくれた。
いつも素通りしていたのだが、今回は八島ヶ原湿原に立ち寄った。
ここは国の天然記念物に指定されている。
昔々、小学校か中学校の遠足か何かで来た記憶があるが、それから数えて30年以上のご無沙汰だった。
夏の間は青かったであろう湿原もすっかり茶色に衣替え。
斜面にはススキの穂が日差しを浴びて輝いていた。
こんな景色を見るとなぜかホッと癒される。
湿原内の木道沿いにあった白樺の木。
湿原内の木道を歩いていて最もたくさん聞かれる虫の音が、鳴く虫の女王「カンタン」だった。
ただほとんどが草の根元で鳴いていて、その姿を見る事は難しい。
たまたまこの1匹だけが低木の葉で鳴いていた。
高層湿原の秋景色と、もの悲しいカンタンの声は僕の中ではbestマッチなのであった。
2011年9月29日 長野県
直翅目 マツムシ科 カンタン