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2011-09-22

里山でよく見かける熟すとピンク色のかわいい実のなる木、ニシキギ科のマユミ。
このマユミの実を見ていると見つかる虫がいる。
「キバラヘリカメムシ」だ。
背中は暗緑色だが名前の通りお腹は黄色く、足の根元は赤、太腿は白く下から見るととても美しい。
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今の時期、この実を見ていると幼虫と成虫が混生している。
ただ、どの木にいるわけでもなく見られる木は限られており、何か好みでもあるのだろうか?
ニシキギの実にも集まるようだが、マユミに比べて実が小さいためか数はあまり多くないと思う。
ご自分のfieldで是非マユミの木の実を探してみてほしい。
そろそろ黄緑色からピンク色に色付く頃だと思うが、お腹の黄色いカメムシに出会えるかもしれない。
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2011年9月15日 東京都
 半翅目 カメムシ科 キバラヘリカメムシ  CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM /MT-24EX


宿題出来たか? ツクツクボウシ♪ [セミ・カメムシ]

セミの図鑑を紹介したのでセミの話題を一つ。

夏も終わりに近づくと目立って聞こえてくるのが、このセミ「ツクツクボウシ」の鳴き声。
季節が進むにつれ、ツクツクボウシとたくさんの個体が輪唱する。
セミの中では一番遅くに現れ、この声を聞けば夏休みも終わりといつも思ったものだ。
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鳴きはじめはジュクジュクジュクジュク、続いてボウシ、ツクツクボウシと続く。
鳴き声はツクツクボウシなのかボウシツクツク(オーシツクツク)なのか?
図鑑によっても様々である。
まぁ、僕にとってはどちらでも構わないが、名前の通りの方が話が早い。

元来切羽詰まらないと動かないきらいがあり、小学校の時はいつも夏休み終わりぎりぎりになって宿題に取り掛かっていたように思う。
そんな中でこのセミの声の大きさが宿題に取り掛かる合図であり、そろそろやらなければと思わせてくれた。
そういう意味で幼い僕には、このセミの鳴き声は「ツクツクボウシ♪」というより「シュクダイデキタカ♪」ときこえたのだった。
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2011年9月12日 東京都
 半翅目 セミ科 ツクツクボウシ  CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM /MT-24EX

最強のセミ図鑑 [その他]

個人的最強図鑑シリーズ第2段。

今度は日本に生息する35種1亜種のセミ全種を掲載した「日本産セミ科図鑑」だ。
セミという虫は、成虫は樹上、幼虫は土中にいるうえ卵から成虫になるまでに数年という長い年月を要するためその生態の解明は虫の中でも遅れているように思われた。
さらに地域による変異・個体差も大きくそれらを紹介する図鑑も少ない。
例えば、ミンミンゼミで体色の黒色部を欠く変種がおりミカドミンミンと呼ばれたり、石川県に生息するクマゼミと別種のスジアカクマゼミの記載などもあり大変興味深い。
セミ全種の鳴き声CDも付いて4600円とフルカラーの図鑑としては求めやすい価格だと思う。
そろそろセミの声も少なくなり、秋の鳴く虫にバトンタッチしてきた感があるが夏を振り返るには絶好の1冊ではないだろうか。
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よく目にする毛虫2種 [チョウ・ガ]

今の時期、雑木林や街路樹の葉が丸坊主になっているのを見かける。
木の種類はコナラやサクラが多く、下がコンクリートの道路だとたくさんの黒い粒が目に付く。
犯人は誰?

まずサクラの葉を食いつくす犯人は概ねこいつだ。
黒い体に黄色の長い毛が特徴の「モンクロシャチホコ」の幼虫。
いかにも毒々しいが毒はなく触れる毛虫。
集団で発生し、小さな木なら葉を丸坊主にしてしまう。
終令になると木を降りて蛹化するので、知らぬ間に一匹もいなくなってしまうのだ。
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成虫は白くふわふわ、もふもふの毛におおわれ、名前の通り翅に黒い紋がある。
7~9月に現れる。今の時期、暑苦しいいでたちである。
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一方、コナラなどの葉を食い荒らすのは、やはりシャチホコガ科の「ツマキシャチホコ」の幼虫。
オレンジ色に黒い模様が目印でこちらも集団発生する。
色的には危険色だがやはり毒はなく触れる毛虫。
人には触って大丈夫!触ってごらんと勧めるものの、僕自身はこの手は苦手で触れない(-_-;)
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成虫は6~8月に現れる。
枯れ枝に擬態しており、頭は枝の折れ口、翅の白い部分は枯れ枝に付いた菌に似せ、さらに葉の上などにいるときに触るとまるで葉に乗っかっていた枯れ枝が落ちるがごとく、ポロっと落下する。
見た目も動作も素晴らしい擬態である。
よくもここまでと感心してしまう。
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2011年9月12日、15日
鱗翅目 シャチホコガ科 モンクロシャチホコ、ツマキシャチホコ  CANON EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM /MT-24EX


安価で最強の直翅目図鑑 [その他]

バッタやコオロギにキリギリスなどの直翅目の昆虫については、充実した図鑑といえば日本直翅類学会監修、北海道大学出版会発行の「バッタ・コオロギ・キリギリス大図鑑」という高価なものしかなかった。
近年キリギリスが東と西で分けられたり、ヤブキリもその鳴き声と生息場所で細分化され、樹上生活をしているササキリモドキ類について記載のある図鑑は上述のものくらいだろう。
そんな中、バッタ・コオロギ・キリギリス大図鑑をベースにした「バッタ・コオロギ・キリギリス生態図鑑」が8月に発刊された。持ち歩けるコンパクトサイズで、様々な種の生態写真がふんだんに盛り込まれ、鳴き声のCDも付いてなんと2600円という手ごろなお値段。
早速購入して同定に利用している。
直翅類に興味のある方には、喉から手が出る一冊である。
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