春の兆し アメザリも! [その他]
谷戸の湿地で、アカガエルの卵を探していたら水底を動く赤い物体が。
暖かさで目覚めて穴から出てきた「アメリカザリガニ」だった。
このザリガニ、子供の頃から身近にいて釣ったり、ウナギ釣りの餌として捕まえたりと親しみのある存在だ。
近所でザリガニといえば、これしかいなかったのだからしょうがない。
丘陵でも、夏には子供たちがタコ糸の先にスルメを付けてザリガニ釣りを楽しんでいる。
しか~し、この生き物の事を皆さんはどれだけ知っているだろうか?
こういう私も、詳しく知ったのはつい最近だ。
アメリカザリガニは、昭和初期1927年に食用であるウシガエル(特定外来生物)の餌として名前の通り北アメリカから神奈川県に持ち込まれ、それが逃げて日本全土に広まってしまったのだ。
今では外来生物法で、要注意外来生物に指定されている。
高水温、低酸素、汚濁にも強く、繁殖力も旺盛で競合種もいない。
雑食性で、水草、水生昆虫、動物の死骸など何でも食べ、この種が入り込んだ水域では水草などがほぼ絶滅し、生態系に与える影響は深刻である。
しかしこれだけ日本全国に定着し、ペットや学校教材として利用されている現状では駆除は難しいだろう。
かつて北日本に生息していた日本在来種のニホンザリガニは、アメリカザリガニやウチダザリガニ(アメリカ産外来種)の影響も含め、今や北海道、東北3県に生息するのみで環境省レッドリストの絶滅危惧Ⅱ類に指定されている。
幼い頃から親しんできたアメリカザリガニが生態系に与える影響を知って、今後どう付き合っていけばよいか悩ましい問題である。
茨城県では、イセエビよりうまいと食用として売られ食べられている。
食べた事がないからわからないが、まぁこれもありだろう!
2011年2月19日 東京都
十脚目(エビ目) アメリカザリガニ科 アメリカザリガニ CANON EOS40D,EF70-200mm F2.8L IS USM/EF1.4×Ⅱ