ご本家 クルマバッタ [バッタ]
さすがに秋ともなるとバッタの天下。
バッタの記事が多くなるのは仕方がない!
昨年、生息場所をレンジャー部長に教えていただきながら見る事が出来なかった「クルマバッタ」。
どこにでもいる種ではなく、今年こそはとちょくちょく見に行っていたがようやく出会えた。
東京都のレッドデータブックでは、絶滅危惧1A類に指定されている。
この場所をあちこち探したが、時期的なものか?個体数は多くはないようで結局この1頭だけしか見つからなかった。
トノサマバッタとほぼ同じ大きさだが、体の模様や前胸背の盛り上りなどから個人的にはクルマバッタのほうがかっこいいと思っている。
正面から見た顔も、かっこいいなぁ!
ちなみにモドキと名を付けられた、「クルマバッタモドキ(緑型)」はこちら。
数は多くどこでも見られるが、さすがに大きさやカッコ良さなどご本家にはかなわない。
ムラサキツバメは大きかった [チョウ・ガ]
翅表が綺麗な紫色の、ムラサキシジミというチョウの姿が多く見られるようになってきた。
同じシジミチョウ科で「ムラサキツバメ」というのがいる。
姿形は良く似ているが、決定的な違いは後翅に一対の突起があることだ。
元来南方系のチョウだが、幼虫の食樹であるマテバシイが公園や街路樹などに植栽され、さらに温暖化の恩恵を受けて生息域を拡大してきた。
丘陵でもマテバシイが植えられている場所があり、それらしきものを数週間前に見つけていた。
一見黒っぽくクロヒカゲを少し小さくしたような感じだが、とにかく敏感でその後も度々見に行ったが、いても近づくと飛んで全く確認できなかった。
それが今回ようやくその姿を写すことが出来た。
後翅の突起がはっきり見え、間違いなくムラサキツバメだった。
それにしても、ムラサキシジミに比べかなり大きくちょっと驚きだ。
植栽されたマテバシイの木を見て回ると、ひこばえの若芽で大きな幼虫を見つけた。
体からアリの好む物質を出しているようで、体にまとわりついていた。
茎にはアブラムシもたくさんついていて、アリは両方に群がっている。
アリを味方につけて、外敵から身を守ってもらう巧みな戦略だ。
帰って撮った写真を見ると、上に小さな幼虫もついていた。
本来いないはずのチョウが、人による植栽と温暖化の影響でここにも着実に定着している。
ツマグロヒョウモンや今年良く目につくアカボシゴマダラなどと同じように、いつかは普通に見られる種になってしまうのだろう。
近所で聞いたカンタンの声 [バッタ]
鳴く虫の中で、最も美しい声の主をご存じだろうか?
鈴虫、マツムシ?間違ってもクツワムシではない。
昔から言われてきたのは、鳴く虫の女王「カンタン」だ。
鳴く虫はオスなのに、なぜ女王なのか?
そこんところは良くわからないが、♪ルルルルルと低く透る鳴き声は鳴く虫の声では確かにトップクラスだと思う。
さらに薄い緑の透き通った翅はまさに女王と呼ぶにふさわしい。
そんなカンタンが、家の近所で鳴いていると「狭山丘陵 - PENTAX - ワタシカラノキョリ」のTさんに教えていただいた。
今まで、声を聞きに遠くまで車を走らせていたがこんな近くで聞けるとは。
早速その場所に行ってみると、住宅街のクズで覆われた空き地で鳴いていた。
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今まで、高原で見たカンタンとは色が少し異なった。
長野県白馬や岐阜県郡上八幡のカンタンは体が黒い個体だった。
ここで見たのは綺麗な薄緑色。
カンタンの仲間には、ヒロバネカンタン、コガタカンタンがいる。
ヒロバネカンタンは海岸沿いに多く、鳴き声が異なるのでこれとは違う。
コガタカンタンかとも思ったが、カンタンは腹部が黒色でコガタカンタンの腹部は緑色。
ここのカンタンを捕まえて確認すると黒色だったのでカンタンだ。
調べると体が黒いのは、標高の高いところにいる個体は体が黒味を帯びるらしい。
なるほど納得。
昔からここに生息していたのかは不明だが、こんなに近くで声を聞けるのはとても嬉しい!
長野県白馬のカンタン↓