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不思議な姿のシロシャチホコガの仲間の幼虫 *追記 [チョウ・ガ]

久しぶりに、晴れ間が広がり丘陵に出掛けた。
午後からは湿地ビオトープの手入れだったので、午前中に数本のアワブキの木を見て回った。
残念ながらスミナガシやアオバセセリの幼虫を見つける事は出来なかったが、アカシデの枝で奇妙な幼虫を見つけた。
その特異な姿からシャチホコガの幼虫だろうとは思い、帰って調べると「シロシャチホコ」の仲間のようだ。
カバノキ科、ブナ科、クルミ科、ニレ科、マンサク科、バラ科など何でも食べる。
アカシデはカバノキ科の植物だ。
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3対の前脚は異様に長く、お尻の形はアケビコノハの幼虫に似ている。
驚くと脚を広げ体をまげて威嚇する。
この姿が、鯱鉾に似ているからシャチホコガ。
幼虫の姿からついた名前なのだろう。
少し距離があるうえ、今日はマクロレンズを持っていなかったのでエイリアンのような顔をアップで撮ることが出来なかった。
また、改めてじっくり撮影したい被写体だ!


*追記
さらに調べると、シロシャチホコはミズナラ帯以上の山地性でそれ以下にはバイバラシロシャチホコが生息するとのこと。
狭山丘陵はミズナラ帯ではないことからこの幼虫はバイバラシロシャチホコかとも思ったが、シロシャチホコの幼虫は黄色でバイバラは褐色のようだ。
やはりシロシャチホコなのだろうか?
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ツノトンボの親戚 ウスバカゲロウ [その他の虫]

いつも通っている田んぼ脇の四阿(あずまや)の地面に打っている杭と杭の間に、たくさんのアリジゴクの巣を見つけた。
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アリ地獄は、先日記事にしたツノトンボと同じアミメカゲロウ目に属する「ウスバカゲロウ」の幼虫だ。
確かに、見た目には鋭い顎があり体の形もとても良く似ている。
昔読んだ北杜夫の[どくとるマンボウ昆虫記]では、「薄馬鹿下郎」とされていたが、正式には「薄羽蜉蝣」と書く。
間違えて覚えている方もいるのではないだろうか?
ウスバカゲロウに言わせれば、北杜夫は罪な人である。
↓撮影のため、巣からお出ましいただいた幼虫。
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さてこのアリ地獄、名前は有名だがその生態は案外知られていない事が多いのだ。
そこで○×クイズ。
その1.幼虫は、前にも後ろにも歩くことが出来る。
その2.幼虫は、綺麗好きで糞をしたら巣の外に運び出す。
その3.幼虫は、孵化してから翌年幼虫の姿から脱皮して成虫になる。
その4.幼虫の目は7つの小さな目が集まってできている。

僕も知らない事がたくさんあって調べていたら、とてもとても楽しく面白いサイトを見つけた。
答えもここにあるので、ぜひ見て調べてみてほしい。
http://mizotalab.miyakyo-u.ac.jp/Mizotalab/antlion/index.html
↓ウスバカゲロウの成虫
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今年は多いアカボシゴマダラ [チョウ・ガ]

今年の暑さのせいだろうか?
お会いした方との虫の話の中で、必ず出てくるのが「アカボシゴマダラ」だ。
様々な地域でも、皆一様に多いとおっしゃる。
昨年までは見かけるといっても均せば数日に一度程度の割合だったが、今年は出掛けると一日に数頭は必ず目撃するほど個体数が多い。
今年春まで勤めていた埼玉県北本市の公園では、昨年成虫の目撃例が数件で越冬幼虫が初めて見つかり新聞掲載となった。
それが今年は、9月初めまでに20頭以上の成虫が捕獲されている。
この急速な拡大には、とにかく驚かされる。
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丘陵でも若いエノキを見つけるとかなりの確率で幼虫か蛹、蛹殻がついている。
ここ2年ほど確認してきたが、今までで最も繁殖している状況だ。
↓蛹。この幼木はこの2年幼虫がついたことがない。     ↓車道沿いの幼木で見つかった蛹殻
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先日初めて尻と頭の方に2か所黒い穴のあいた死んだ蛹を見つけた。
寄生されたと思ったが、ヤマトシリアゲの仕業の可能性もあるようだ。*
この木も昨年までは幼虫を確認していなかったが、今年は終令幼虫が数頭いて継続観察していた。
それにしてもこの拡大スピードに危機感を抱くのはこちらの方である。

*当初寄生され死んだと記していたが、愛野緑さんから情報をいただき訂正した。
愛野緑さんありがとうございました。
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今年は少ないゴイシシジミ [チョウ・ガ]

今日は朝から雨が降り続き、昼過ぎにはすごい雷で地響きがしたほどだった。
昨日は30℃を超えていた部屋の温度も、窓を閉めていても今は21℃と10℃以上も低く一日でこんなに変わるのも困ったものだ。

ところで、例年6月頃からアズマネザサの林縁でチラチラと飛ぶ姿が見られる小さな「ゴイシシジミ」。
今年は全く姿が見えず、どうしたのかと思っていたが初めて見たのが8月中旬頃だったか。
このところようやく数が増えてきたようだ。
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シジミチョウの仲間だが、蝶にしては珍しく幼虫は肉食性で笹につくササコナフキツノアブラムシなどを食べて育つ。
↓ササコナフキツノアブラムシ
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幼虫はシジミチョウの幼虫に多いワラジ型と少し異なり、毛が目立ち一見何の幼虫?って姿をしている。
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このアブラムシとの関係は、幼虫の餌だけではない。
以前に観察していると、アブラムシにたくさんの成虫が群がっている事があった。
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周りには卵のようなものもあったので、集団産卵かと思ったがよく見るとそれぞれがアブラムシやその周囲の葉にストローを伸ばしていた。
アブラムシが何かを分泌していて、それを吸汁していると見るのが妥当なところだろう。
これが甘露なのかわからないが、いずれにせよ幼虫、成虫も少なからずこのアブラムシに依存しているという事が出来る。
この蝶の生息できる条件としては、笹があってもそこにアブラムシがいなければ成り立たない。
普通のチョウたちの最低条件は食草だが、ゴイシは植物+アブラムシとさらに厳しいのだ。
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芋虫の季節 [チョウ・ガ]

今の時期、観察会や通りすがりによく芋虫の名前を聞かれる。
確かに、林縁などで葉が丸坊主にされた茎に丸々太った芋虫を毎日のように見かける。

これらのほとんどが、蛾 特にスズメガの仲間の幼虫だ。お尻のアンテナのような尻尾が特徴。
成虫は初夏から姿を見せるが、幼虫は秋から晩秋にかけて地中や地表で繭を作って蛹で冬を越す。
そのため、間もなく繭を作る大きな終令があちこちで見られるのだ。
スズメガにもたくさんの種がいるが、幼虫の食草は決まっているため何を食べているかで見当をつける事が出来る。
緑や褐色など同じ種でも、色の変異が多いので注意も必要だ。

今日は、最近見つけたスズメガの幼虫を数種。
芋虫苦手の方は、スルーしていただいた方がいいかもしれない。

生け垣によく植えられるいい香りの白い花をつけるクチナシ。
この葉を食べていたのは、「オオスカシバ」。頭の後ろにぶつぶつがある。
成虫は透明な翅でハチに擬態し、ホバリングをしながら蜜を吸う。かなり知られたスズメガの仲間。
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ヤマノイモの葉を丸坊主にするのが、頭の後方に白点が目立つ「キイロスズメ」。
むかごを取ろうとしてギョッとされた経験はないだろうか?
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黄土色の丸い実をたくさんつけているヘクソカズラの葉を食べるのは2種類いる。
驚くと脚をそろえて尖った頭になる「ホシヒメホウジャク」。
たまたま、緑と褐色のタイプを見つけた。
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つるで他の植物に巻き付き覆ってしまうヤブガラシでよく見かけるのが「セスジスズメ」。
若令の幼虫は、黒い体に黄色の紋が美しく、お尻のアンテナをピコピコと振っているのを目にする。
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最後はスズメガの仲間ではないが、意外と人気のある「アケビコノハ」。
アケビの葉が食べられていたら、この幼虫を疑おう。
大きな目玉模様と特異なお尻の形で、鳥などの外敵を威嚇する。
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これらの幼虫たちは、毒もないのでよく子供たちは掴んで遊んでいる。
しかし私は写真は撮っても、全くこれらが駄目である。
子供の頃は問題なかったのだが、大人になって気持ち悪くさっぱり触れなくなってしまった。
あれだけ触りまくっていたカブトムシの幼虫でさえも・・・・・・。
どうしたものか。

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