隠れ身の術 キノカワガ [チョウ・ガ]
12月に入り、そろそろ冬本番になってきた。
ますます虫もいなくなる中、冬の定番の「キノカワガ」を雑木林で探した。
ヤガ科キノカワガ亜科に属し、開長38~43mm。幼虫の食草はカキ、マメガキで年2回発生する。体色は白っぽいものや灰褐色のものなど変異が大きい。
成虫越冬するため、冬にも見られる虫の1種だ。
巧みに隠れ身の術を操る強者で、そう簡単には見つからない。
あきらめかけていたら、クヌギでようやく発見!
写真で見ると案外わかりそうなものだが、実際はなかなか難しい。
クヌギの幹の地衣類がついて白っぽい樹皮にとまって擬態している。
クヌギは色が濃いので、まだ比較的見つけやすい。
樹皮が白っぽい部分の多いコナラのほうが見つけにくいだろう。
それにしても自分の体の色や模様が見えるかのように、似た場所にとまっているのには驚かされる。
すぐ横のクヌギでも、もう一匹見つかった。
この個体は、体に沿って黒い筋があり、幹にいるとこの筋が樹皮の割れ目に見えるところが憎い演出だ!
アップで見てみると、体の表面を毛と端部が角ばった鱗粉が覆っていて、さらには凹凸もある。
見れば見るほどに、面白く不思議なキノカワガである!