市田柿の一手間(訂正追記) [自然]
このところ年末にもかかわらず暖かい。
いつもの雑木林を歩いてみた。
林縁のコナラの幹に「クヌギカメムシ」の仲間の卵を見つけた。
日差しに照らされ半分は綺麗なオレンジ色に輝いている。
ここは以前に木の名の書いたカメムシほいほいのテープがあった場所で、恐らくテープの下で産んだのではないかと思われた。
これだけ長い卵塊は初めて見た。
卵の根元には、1つの卵から3本の白い受精孔突起と呼ばれるものがでておりこれは卵から孵化した1例幼虫の呼吸の為、気道を確保する役割があるらしい。
卵はゼリー状のものに覆われておりてっきり卵の呼吸の為と思っていたのだが。
寒さと暖かさが交互に訪れる今の気候を象徴するかのように、足元にはあちこちに「オオイヌノフグリ」が咲いていた。
暖かさで春と間違えたのだろうか?
湿地には「タカアザミ」が綿状の種をつけている。
ここは数年前の湿地回復により、土の中で眠っていたタカアザミの種が芽吹き今では毎年数株が立派に花を咲かせている。
里山民家で、レンジャーの方が市田柿に一手間かけておられた。
吊るしていたのを一旦下ろし、柿を1つずつ丁寧に手で揉むのだそうだ。揉んでいると手が痛くなるので2日かけて揉み終える。
そのままだと硬いのでこうする事で柔らかくなるらしい。
揉んだ後、布に包んで室内で一昼夜寝かし、さらに縁側で一昼夜外気にさらす。その後小袋に入れて日の当たらない低温の部屋で時々ごろごろ転がし1WEEK。
こうしてようやくあの白い粉をふいた美味しい市田柿が味わえるのである。
年明けには民家で市田柿が振舞われるらしいが、こういった手間をかけて美味しくいただけるという事なのだ。
早いものであと10日ほどで今年も終わりである。
*市田柿の工程で斜線部を訂正追記しましたm(__)m