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顎の小さなノコギリクワガタの雄 [甲虫]

今まで撮り貯めた中で紹介していないであろう今年撮った写真をと思う。
夏の人気者 クワガタの中から以前に雑木林の水牛と紹介した「ノコギリクワガタ」。
子供の頃、よく捕まえに行ったものだがたまに大顎が小さな個体を見かけた。
ノコギリと言えば湾曲した大顎に憧れ、小さい顎のものはやはり人気がなかった。

ノコギリクワガタ小.JPGこの夏、丘陵の柳で久しぶりに小さい顎のノコギリクワガタに出会った。体も一回りほど小さく雄としては弱々しい。
よく言われるのが、幼虫の時に栄養が十分でなく体の発育が悪いまま生育したのではというのである。
これはカブトムシにも当てはまることのようで、角の小さな個体をよく見掛ける。


ノコギリクワガタ小2.JPG近年里山などでは人の手入れがなくなり、昔のように畑の肥料とするための腐葉土作りや槙とする木の伐採が行われなくなりそれらを餌としている虫たちの生育が悪くなっているという。
本当のところは僕にはわからないが、もしそうであるなら里山の自然は人の手が介在して生態系が維持されているということの一例と言えるのであろう。

キイロスズメバチとコガタスズメバチ [ハチ・ハエ・アリ]

キイロスズメバチ12.JPG暖かい日には、越冬中の虫たちに出会う。
コナラの幹にいたのは「キイロスズメバチ」。
攻撃的で軒や木の枝に丸いうろこ状の模様の巣を作る。
この時期働き蜂や雄蜂は死に、女王蜂のみが越冬中のはずなのでこれは女王蜂ということになる。



コガタスズメバチ1-12.JPGこちらは「コガタスズメバチ」。
近年キイロスズメバチと同様に低山地や都市部などにも進出し、問題になっている。
キイロスズメバチより小さめだがよく似たうろこ状の模様の巣を作る。
丘陵の里山民家にスズメバチの巣が持ち込まれ、中に死んだ蜂がいたのでどちらの巣だろうかと中からピンセットで取り出してみたのだ。


コガタスズメバチ2-12.JPG結果コガタスズメバチであった。
殺虫剤で殺したのか良く判らないが、中から20頭弱の死んだ蜂が出てきた。
残念ながら女王蜂は見つからなかった。




ダイチャン.JPG巣から一緒にハチを取り出してくれたのが、ここで様々なボランティアをしている中学生の「ダイチャン」だ。
登録しているボランティアの中では最年少ではないだろうか。
一見高校生かと見間違う立派な体格だが、実は中3でお勉強中。
今日は、息抜きに来たとの事でハチの取り出しを手伝ってもらった。
ダイチャンありがとう!




一見蛾のようなホタルトビケラ [その他の虫]

ホタルトビケラ12.18.JPG田んぼの脇の笹の葉に胸の赤い蛾のような虫がとまっていた。
翅に鱗分が見られないため、蛾の仲間ではなさそうだ。
生息環境からトビケラの仲間と思われたが、今までに見た事がない。
早速帰って調べると「ホタルトビケラ」というらしい。
9~11月に見られ、幼虫は水中で生活する。
胸が赤いことからホタルと名付けられたようである。


ヒメツユムシ12.18.JPG近くのコナラでは「ヒメツユムシ」を見つけた。
相変わらず透き通った体が繊細で美しい。

この2枚ともCANON50Dでストロボ無しISOオートで撮影したのだが、共にISO1600の高感度だ。
オートライティングオプティマイザ機能をONにしているがDIGIC4の低ノイズ画像処理とのW効果で粒子の粗さやノイズも従来ほど気にならない。
手持ちでの撮影の範囲が広がりありがたい進化だ。


市田柿の一手間(訂正追記) [自然]

このところ年末にもかかわらず暖かい。
いつもの雑木林を歩いてみた。

クヌギカメムシの仲間の卵12.19.JPG林縁のコナラの幹に「クヌギカメムシ」の仲間の卵を見つけた。
日差しに照らされ半分は綺麗なオレンジ色に輝いている。
ここは以前に木の名の書いたカメムシほいほいのテープがあった場所で、恐らくテープの下で産んだのではないかと思われた。
これだけ長い卵塊は初めて見た。
卵の根元には、1つの卵から3本の白い受精孔突起と呼ばれるものがでておりこれは卵から孵化した1例幼虫の呼吸の為、気道を確保する役割があるらしい。
卵はゼリー状のものに覆われておりてっきり卵の呼吸の為と思っていたのだが。




オオイヌノフグリ12.19.JPG寒さと暖かさが交互に訪れる今の気候を象徴するかのように、足元にはあちこちに「オオイヌノフグリ」が咲いていた。
暖かさで春と間違えたのだろうか?





タカアザミ12.19.JPG湿地には「タカアザミ」が綿状の種をつけている。
ここは数年前の湿地回復により、土の中で眠っていたタカアザミの種が芽吹き今では毎年数株が立派に花を咲かせている。

湿地12.19.JPG







市田柿12.19.JPG里山民家で、レンジャーの方が市田柿に一手間かけておられた。
吊るしていたのを一旦下ろし、柿を1つずつ丁寧に手で揉むのだそうだ。揉んでいると手が痛くなるので2日かけて揉み終える。
そのままだと硬いのでこうする事で柔らかくなるらしい。
揉んだ後、布に包んで室内で一昼夜寝かし、さらに縁側で一昼夜外気にさらす。その後小袋に入れて日の当たらない低温の部屋で時々ごろごろ転がし1WEEK。
こうしてようやくあの白い粉をふいた美味しい市田柿が味わえるのである。

年明けには民家で市田柿が振舞われるらしいが、こういった手間をかけて美味しくいただけるという事なのだ。
早いものであと10日ほどで今年も終わりである。

*市田柿の工程で斜線部を訂正追記しましたm(__)m


瞬時に目の前から消える アワフキムシ [セミ・カメムシ]

モンキアワフキ4-12.19.JPG昨日、イチモジフユナミシャクを見つけた木柵で今でもよく見かけるのがアワフキムシだ。
これは「モンキアワフキ」。
翅に紋があることからこの名前が付いたようだ。
大きさは10mm弱ほどだろうか。



モンキアワフキ3-12.19.JPGセミと同じ仲間だけあって顔を見ると良く似て、口も植物の汁を吸うので針の様になっているところもそっくりだ。

夏の頃は、近づくとぴょんと飛び姿をくらます忍者だがこの時期は寒さのせいかかなり近づいても逃げない。



モンキアワフキ2-12.19.JPGこの時ばかりと調子に乗って近寄りじっくりカメラを構えていたら、さすがに瞬きする間にいなくなってしまった。

物陰から見える顔は、まさしく様子を伺う忍者である!


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