激しい戦いの結末 ハラビロカマキリ [その他の虫]
今日は、少し寒さも和らぎ日差しも暖かかったがあまり虫に出会わない。
林縁の群落も茶色に枯れ、はなはだ寒々しい。
見かけたのはエノキの葉で休むテングチョウ、モンキチョウのオス、ヨコズナサシガメ幼虫くらい。先日見つけたクヌギカメムシの卵はやはり跡形もなくなくなっていた。
あきらめ気分でジャコウアゲハの蛹の様子を見ていると、すぐ横にハラビロカマキリのメスが2匹いた。
一方が体を折り曲げ、翅を広げて激しく争っているようだが、何かおかしい。
まったく動かないのだ。
よく見ると2匹ともそのままの状態で死んでいた。
裏に回って反対側から見た。
形だけ見れば今まさに戦っているかのようにリアルだ。
それにしても、何故このままの状態で死んでしまったのだろう?
翅を広げた方の前胸部には食べられた跡が残っている。
一方は首の部分に緑色のものが見える。
共に致命傷を与えその場で息絶えたのか?
戦っている途中に鳥などにやられたのならこのままの体勢ではいないだろうし、
寒さでこの状態のまま死んでしまったというのも考えにくい。
頭の周辺の蜘蛛の巣は死んでからのものだと思うのだが・・・。
何とも哀れだが不思議な光景だった。
雌雄別種のような セスジツユムシ [バッタ]
キリギリス科の仲間は、同じ種の雌雄の見た目は変わらないものがほとんどである。
雌雄の判別は雄には翅に鳴くための発音器があり、雌にはお尻の先に産卵管がある。
しかしこの「セスジツユムシ」は、雌雄で見た目が少し異なり知らなければ同種とは想像しがたい。
以前に紹介したツユムシやアシグロツユムシは雌雄の見た目はほとんど同じなので種の同定は簡単だ。
雄の特徴は、頭から後翅先端まで茶褐色の線がありさらにあしも褐色で全体的なにスマートな印象である。
前翅の付根に発音器があることですぐに雄と判別できるが、お尻の先にある尾肢と呼ばれる部分が上方に湾曲して出ているのでこれが産卵管のように見え間違えやすい。
左の写真でも僅かに尾肢が見える。
雌は雄の背部の茶褐色の線が黄白色であしは緑色である。また、翅の幅も雄より広くずんぐりしている。たまに褐色型のものもいる。(下3枚全て雌)
先週は雌雄共に見かけたが、これだけ寒くなりまだ見ることが出来るのだろうか?