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自然の芸術品 スミナガシの蛹 [チョウ・ガ]

スミナガシは案外地味に見える蝶だが、よく見るととても綺麗な翅を持っている。
幼虫もその容姿は独特で、昆虫写真家の新開孝さんが名付けたまさしく’ジョーカー’そのものである。
さらに蛹も枯葉に擬態したその形は必見である。
幼虫・蛹・成虫とそれぞれのステージで特徴を持った蝶の一つだと思う。

アワブキの木で観察していたスミナガシ幼虫が姿を消し、幾度となく蛹化したかと周りの木も含めて探してきたがようやく待望の蛹を見つけることが出来た。
スミナガシ3-10.27.JPG住んでいたアワブキの木から2m~3m離れた別の種類の隣の木の高さ3m弱の枝で見つけた。
聞いていた通り、越冬蛹はやはり一旦木を降り別の木に登り蛹化するようだ。
それにしても何故そこまでの危険を冒してそういった行動をとるのだろうか?地面に降りればそれだけ捕食される可能性が高いと思うのだが。
不思議だ。

スミナガシ蛹10.27.JPG蛹の形態はご覧の通り、色も形も枯葉そっくりである。
虫食いの跡まで再現されているところが憎い!
普通に枝を見ていると、枯葉に紛れこれが蝶の蛹だとは気付くことはまずないであろう。
だがこれが蛹だと認識してみると、確かに触覚、翅、気門などが確認できる。


スミナガシ蛹2-10.27.JPG別の角度から見ると横から見た虫食いの跡のような部分は、左の写真では上側が二本の突起になっていることがわかる。
なかなか複雑な形状だ。
枯葉に同化した複雑な形はまさしく自然の芸術品だと思う。

これを見たくって幾日か通ったのだが出会えてとてもうれしい!!
先に見つけられた愛野緑さん参考になりました。ありがとうございました。

スミナガシ幼虫2-09.25.JPG
ジョーカーの幼虫。
スミナガシ08.05.JPG
綺麗な翅を持った成虫。


働き者のニホンミツバチ [ハチ・ハエ・アリ]

ニホンミツバチ10.22.JPGひっつき虫代表でもあるコセンダングサの花の蜜をさかんに集める蜂がいた。花から花へ忙しく飛び交っている。
働き者のミツバチだ。
蜜を集めながら時々、お尻振り振り八の字ダンスを披露。
ミツバチには、日本古来のニホンミツバチと外来のセイヨウミツバチがいる。腹部が黒いのでこれはニホンミツバチと思われる。
近くに巣があるのだろうか?自然では木のうろなどに営巣する。

ニホンミツバチ2-10.22.JPG今の時期のミツバチの天敵はスズメバチだ。特に幼虫、蛹を狙う。
十数匹のスズメバチで1つの巣を短時間に全滅させられる事もある。
だがミツバチも黙ってはいない!
ミツバチの武器は、集団で相手にたかり40℃を超える熱を発して相手を殺してしまう。スズメバチもこの熱には弱いようだ。
相手の数が少ない場合は、これで対抗できるのだろうが多勢ではどうにもならない。

ニホンミツバチ3-10.22.JPG戦力の差は明らかで、かわいそうだがこれが自然の掟なのだ。
養蜂家にとっても、最も憎むべき敵である。

ミツバチといえば僕の世代では、子供の頃のあの涙なくしては見られないTVアニメ「昆虫物語 みなしごハッチ」で親しみ深い虫でありアニメの中でもスズメバチは子供心に、にっくき敵であったことを思い出すのであった。


水羊羹のようなアオスジアゲハ幼虫の質感 [チョウ・ガ]

以前より観察していたアオバセセリの幼虫が「西久保田んぼへようこそ」の霧島緑さんのところで蛹になったので見せていただけると「蝶と山・てくてく写日記」のBANYANさんから連絡をいただき、クロコノマチョウの蛹群のところで待ち合わせをした。
クロコノマ10.26.jpg現地へ着くとクロコノマ蛹が昨日から今朝にかけて多数羽化していたようで、数頭の成虫がまだ蛹のそばにとまっていた。
この数日、ここに来ることが出来ず確認出来ていなかったのだが、そろそろかと思っていたらやはり集団羽化したようだ。
まだ明日あたりに羽化しそうな個体が3頭ほど確認できた。
ヘムレンの Nature Photo」のヘムレンさんも合流しクロコノマを撮影していると霧島緑さんが来られた。


アオバ蛹10.26.JPG早速、アオバの蛹を見せていただいた。
セセリとは思えない大きさで、アワブキの葉を綴ってその中で真っ白な蛹になっていた。
ストロボをたくとあまりもの白さに白とびをしてしまった(T_T)
幼虫のカラフルさからは想像できない美白の女王である。




アサギマダラ幼虫10.26.JPGアサギマダラの幼虫を見に行くことになりここで「撮影日記」のダンダラさんご夫妻と偶然お会いし一同で向かった。
探すもなかなか見つからなかったが、ようやく無事見つけることが出来た。

さらにマメ科の葉の上でコミスジの幼虫を霧島緑さんが見つけられたので観察。かなり終令に近い幼虫だ。

コミスジ幼虫10.26.JPGコミスジ幼虫2-10.26.JPGそれにしてもタツノオトシゴを髣髴
させる容姿の不思議にはいつ見
ても感心させられる。
顔を斜め正面から撮影したら
カバのようにも見える。
頭も体も同じ色なのでどこが
どこだか何だか良く判らない。

アオスジアゲハ幼虫10.26.JPGアオスジアゲハ幼虫2-10.26.jpgさらに霧島緑さんがアオスジ
アゲハの幼虫を発見。
まるまる太ったのが3匹もいた。
初めて見たので感動だ!
胴体からお尻にかけての質感
が水羊羹のようにみずみずしく
美味しそうに見えた(^.^)


一人だとなかなか見つけられないが、多くの方と一緒だとたくさんの発見があってとても楽しい。
皆さんありがとうございました。

尾根道の恐怖 ケバエ幼虫(成虫追記) [その他の虫]

数週間前から、尾根道を歩いていると良く不気味な塊に遭遇する。
普段足元など見て歩かないのだが、たまたま見てしまったのだ。
砂利道なのだがそこに茶色い塊が蠢いていた。
ケバエ2.JPGようく見るとゲジゲジのような毛虫のような虫が数多く集まり砂利の下にもぐろうと蠢いていたのだ。初めて見る虫と光景。
この虫たちはいったいどこから来たのだろう?
林縁から道に出てきたのか?それにしてはこれだけの数が這った後が見られない。上の木から落ちてきたのか?こんな塊が落ちてくるならおちおち歩いてもいられない。
それにしても何かの幼虫であることは間違いなさそうだ。

ケバエ3.JPGこの後、公園レンジャーの蜂須賀隊長にお会いしたので聞いてみると「ケバエ」という虫の幼虫だと教えていただいた。主に落ち葉などを食べ、たまに集団で道に出てくるので不快害虫とされるとの事。特に毒などはない。成虫のオスの複眼が大きくメスは小さいらしい。さすが良くご存知だ。
木から落ちてくるのではないと知りほっとした!
調べるとこの虫はハエ目ケバエ科に属するがカに近縁であるらしい。
かなり昔にそれらしき虫を写真におさめた記憶があるが探しきれない。

ケバエ1.JPG道を見るとこんな風に塊が見える。このところかなりの頻度で見かけるが
、不思議と決まった道でしか見かけない。成虫の生息場所があるのだろうか?
お陰で歩く時は道の先を見て歩くようになってしまった。
皆さんも今の時期、里山を歩く時には足元にご注意を!!



ケバエ.jpgケバエ0.jpg2年前の4月末に当時住んでいた
大阪で撮影した写真を見つけた。
メスアカケバエかハグロケバエの
オスかと思われる。
上記がこの幼虫かは不明だ。
この時は目の大きいハチか何か
かと思いながら撮影しそのまま
にしていた。


つぶらな瞳の ササキリ [バッタ]

ササキリ1.JPGクズの葉にシルエットを見つけた。
バッタのようだがいったい何がいるのか?
こういうのを見つけると非常に楽しい。
今の時期多いのは、ツユムシだ。
林縁や草むらの葉の上に乗っかっている。



ササキリ2.JPGさてツユムシかっ?と葉表を覗くとこいつがいた。
はずれ。「ササキリ」だ。確かにササキリも只今絶好調である!
キリギリスの仲間だが小型で昼間から小さな声で♪シリ・シリ・シリ♪
と鳴いている。
なかなか敏感で人影を見るとサっと隠れるが、オスは鳴いていると案外近くまで寄っても逃げないようだ。


ササキリオス.JPGササキリメス.JPGようく見ると綺麗な緑と、クリクリッと
したつぶらな瞳が愛らしい!
目から翅先までの黒いラインと後足
関節の黒色が特徴だ。
左は翅の発音器を擦り合わせて鳴
いているオス。
産卵管のある右がメスである。

ササキリ3.JPG
里山の山影で鳴いているシルエットもなかなか秋を感じさせる、絵になる虫である。

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