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役に立っているだろうに不快と言われるハグロケバエ [ハチ・ハエ・アリ]

明日から巷では大型連休だそうな。
そういえばまもなくこどもの日だなぁと泳いでいるこいのぼりを見て気付いた。
日本古来の季節感、大事にしたいものだ。
こいのぼり0422_1_1.JPG
















このところ草はらで、後ろ足をだらっと垂らして飛ぶ黒い虫が異常発生していた。
凄い数の虫が飛び交い、虫嫌いの人はとても不快で草はらに近寄れない感じ。
ハグロケバエ3-0422_1.JPG
















虫の正体は、ハエの仲間の「ハグロケバエ」だった。
今の時期、草はらや林縁の下草でしばしば大量発生し嫌がられる虫だ。
先日、この虫を紹介したら何を食べているの?って聞かれた。
ん~、何を食べているんだろう?
調べたら水や花蜜とあったが、蜜に来ているのを見ていないので何とも言えない。
ハエの仲間なので、オスの複眼は大きくくっついている。
ハグロケバエ1-0422_1.JPG
















一方、メスは小さい頭に離れた小さな複眼が特徴で、オスメスの見分けは一目瞭然。
この日見たオスメス共に体や翅に土を付けているので、土の中で羽化して出てきたものと思われた。
ハグロケバエ2-0422_1.JPG
















草はらの中をじっくり見て回ると、あちこちでクモに捕食されたケバエたちが見つかった。
これだけの数がいれば、たくさんの生きものたちの糧となるだろう。
ハグロケバエ0422_1.JPG
















成虫が嫌われものなら、幼虫もまた不快と言われる代表種。
秋、丘陵の園路上に毛虫のような虫が群れで突然現れ驚かされる。
知らずに歩いていると、むにゅっとした感覚に足元を見ると茶色い毛虫の群れを踏んでいるなんて事になる。
こんな嫌がられる虫だが、この幼虫たちの食べ物は落ち葉や獣糞などで森や林の有機物を分解して土に戻してくれるという重要な役割を果たしている(写真の幼虫は、種の同定ができていません)。
成虫、幼虫共に自然生態系を支えているのだが、人から見ると不快に思われるのは残念で可哀そうな存在である。
ケバエ幼虫_1.JPG
















2013年4月22日 東京都
双翅目 ケバエ科 ハグロケバエ 
CANON EOS40D EF8-10mm F4LフィッシュアイUSM、
EOS50D,EF100mm F2.8L IS USM /MT-24EX


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コメント 10

柚子

アシナガバチに似た長い脚をのばしてフラフラ飛ぶ虫、
こちらでも23日頃たくさん見かけました。
ハグロケバエというハエの仲間だったのですね。
今まで気にも留めなかった(記憶にない)虫だけど、
「成虫、幼虫共に自然生態系を支えている」と知ったら、
ちょっと見る目が変わりますね!
by 柚子 (2013-04-27 09:39) 

タケタケ

てゆーか、、自然生態系を支えていない動植物っていますか?
人間かな。。。(゜▽゜;)アレ??
by タケタケ (2013-04-28 09:52) 

柚子

そう言われると確かにそうですよね(^^;
私はhirokouさんの記事を読んで、
一見、何の役にも立たなさそうだし、
幼虫成虫とも人に嫌われるタイプの虫だけど、
この虫も重要な役割をもった生態系の一員…
という風に受け取って書きました。
ちょっと書き方が変でしたね!
by 柚子 (2013-04-28 20:52) 

愛野緑

先日コナラの樹の周りを黒いハチみたいなのが沢山飛んでいましたが、このハエなのでしょうか?

by 愛野緑 (2013-04-28 22:27) 

hirokou

柚子さん コメントありがとうございます。
皆自然の中でそれぞれの役割をもって生きていますが、チョウやトンボのように好かれている虫たちもいれば、ケバエのようにいいイメージのない虫もいます。あくまで人間の勝手ですが、ちょっと可愛そうな気がしますね。
by hirokou (2013-04-30 01:41) 

hirokou

タケタケさん コメントありがとうございます。
生態系の恵みを受けながらもそれを壊している動物が人間でしょうか。
その昔、生活の中に自然をうまく取り入れて持ちつ持たれつだったのが、燃料革命などで関係が崩れ、開発によってさまざまな生き物たちを絶滅に追いやってきました。放置された里山などは人と生きものの距離を縮めて関係を悪化させています(+_+)。
by hirokou (2013-04-30 01:57) 

hirokou

愛野緑さん コメントありがとうございます。
ケバエは林床などでも見られますが、愛野緑さんが見たのは別種かもしれません。似た仲間が幹で見られますが、同定できておりません。わかりましたらblogに紹介したいと思います。
by hirokou (2013-04-30 02:00) 

石川博久

はじめまして。
東京都日野市(比較的近いですね)で、「残したい日野のみどり」等の活動をしている市民グループの石川と申します。いつもhirokou さんのフィールドノート、写真やメモが分かり易くていいなあ、と感心しながら拝見しております。
さて、来る3/22(土)~26(水)にかけて日野市役所で日野市環境情報センター「かわせみ館」のフェアが開催されることになり(http://www1.hinocatv.ne.jp/kankyo/)、そこで掲示する一部資料で「ケバエ」の紹介をすることになりました。その紙の掲示資料に、もしよろしければhirokou さんの撮られた「ハグロケバエ」のオスとメスの写真を(もちろん出典を明記して)転載させては頂けませんでしょうか。不躾なお願いで恐縮ですが、どうかよろしくお願い致します。
by 石川博久 (2014-03-18 14:06) 

hirokou

石川様 初めまして。
コメントありがとうございます。
カワセミ館フェアのポスター拝見させていただきました。
楽しそうなイベントですね。
お役にたてるようでしたら、どうぞお使いください。
大きいサイズがよろしければ、下記のページからメールいただければ添付して返信いたします。
http://www016.upp.so-net.ne.jp/hirokou_gallery/profile.html

by hirokou (2014-03-19 01:24) 

石川博久

hirokou さん、早速のご回答、そしてご配慮ありがとうございます。石川です。写真、ありがたく利用させて頂きます。サイズについては大丈夫だと思います。
hirokou さんもコメントされているように、「ハグロケバエ」など「ケバエ」類は人に悪さをするわけではないどころか、落ち葉や堆肥を分解し、食物連鎖をまわす重要な役目を果たしているのにもかかわらず、幼虫は言うにおよばず成虫にしても、その見かけだけで「不快害虫」として駆除されてしまっています。フェアを機会に少しでも多くの人が、このことに気付いて「ケバエ」を見直してくれればよいと思います。確かに幼虫の大群は遭遇したらインパクト大なので、それで終わらずに関心を持ってもらえればいいですよね。
by 石川博久 (2014-03-19 12:53) 

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