ルリボシカミキリの羽脱 ~埼玉県中央部 [甲虫]
先日朝、ルリボシカミキリが良く見られる材を見ていると、偶然にも頭を出してもがいている個体を見つけた。
カミキリムシの仲間の幼虫は、鉄砲虫と呼ばれ卵を産み付けられた材を食べながら育ち、木の中で蛹になり、羽化して成虫が材を食い破って出てくるのだ。
(写真:RICOH CaplioR7)
ルリボシカミキリも同じようにこのクワの材の中で育ち、蛹から羽化して今まさに出ようとしている。羽化して材から脱出するので羽脱というのだろうか?
上、左 8:05
見ていると穴から体がなかなか抜けず、かなりもがいている。
8:08
首を左右に振ったり、穴の奥に少し戻ってまた出てきたり、前足を踏ん張って苦悩している?のが手に取るようにわかった。
8:11
反対からストロボを当てて撮影。
頭をのけぞって抜けようとするが抜けない。
ただ見ていると少しずつ体が抜け出てきている。
時間の都合で、残念ながらここまでしか観察は出来なかった。
8:22
その後、少しして様子を見に行ったら、無事羽脱して材の根元でじっとしていた。
カメラを構えて撮影しようとすると、勢い良く走り出し飛び立ってしまった。
走り逃げるのを追っかけ撮影したら、やはりブレブレだった^^;
8:38
抜けた穴。それにしてもよく自分の体のサイズに合った穴を開けられるものだと感心しきりだ。
抜け出すのに恐らく20分前後かかったと推測するが、この時が最も危険なときかもしれない!
何はともあれ無事の羽脱に、思わず手に汗握りながらも最後には拍手喝采を送ったのだった(^^♪
ルリボシは都下では奥多摩あたりでないとみられませんが、その辺は平地ですよね。どちらかというと山地性のような気がするのですが、珍では?
by 愛野緑 (2009-06-27 15:34)
こんばんは こんなシーンを見つけるなんて仕事がらみとはいえラッキーですね。私は虫屋にしては根気が無いので、結構多くの観察者が見かけるシロスジカミキリの脱出すら見たことがありません。北本のルリボシは確か80年代荒川の洪水で流れついたものが桑の枯れ木に発生しそのまま定着したのが起源と推測されます。平地の高温によく適応したものだと思います。他地域では以前利根川に近い熊谷市で1匹確認したことがあります。
by つばさ2号 (2009-06-27 21:31)
愛野緑さん コメントありがとうございます。
確かに都下では奥多摩ですよね。
ここで見られる理由を、つばさ2号さんが説明してくれましたので、ご参考下さい(^.^)ルーツはやはり山地の秩父方面だと思います。
by hirokou (2009-06-27 22:35)
つばさ2号さん コメントおよび解説ありがとうございます。
さすがにお詳しい!!
見つけたのはほんとにラッキーです(^.^)
この前にもう一匹羽脱したのがいたようで、着いた時には既に材の上で体を震わせていてすぐに飛んで行っていしまいました。
by hirokou (2009-06-27 22:41)
hirokou さん、つばさ2号さん、ありがとうございます。
なるほど、そんな歴史があったのですね!勉強になりました。
by 愛野緑 (2009-06-28 23:24)
すばらしい観察記録ですね!
ルリボシは、こちらではもちろん見られません。
普通のカミキリムシの羽化すらなかなか見られないと思います。
貴重な画像を拝見させていただきました。
by おはる (2009-07-02 12:47)
おはるさん コメントありがとうございます。
3日ほど留守にしており返事遅れましたm(__)m
このカミキリは、狭山丘陵でも見ることが出来ません。
東京都だと奥多摩あたりまで行かないと見れないかも。
今回はたまたまラッキーでした。でも気にかけて見る様にしているとこんなこともあるのですね!
by hirokou (2009-07-04 20:39)